Mr.プランクトン──夜空の下で残った余韻
韓国ドラマ、Mr.プランクトンの余韻が消えず、心の片隅に鎮座している。
切なくて寂しいような、それでいて温かい──
言葉で表現しきれない、少し新しい感情だ。
私が感じたキーワードは、
生死、精子、閉経、子供、血縁、血のつながりのない親子、愛人、恋人、友人。
退廃的、星の光、そして靴。
ドラマはヘジョから始まり、ヘジョで終わる。
いい男の宿命なんだろうか。あの表情が忘れられない。
ヘジョの病気は遺伝が原因で、しかも見ず知らずの精子の持ち主からもたらされたもの。
悲壮感を押しつけられることはなく、どこか達観していて、時にユーモラスですらあった。
運命に抗えず悔しかっただろうが、それよりも「愛する人と一緒にいたい」という純粋な想いが伝わってきた。
飼っていた熱帯魚が2匹になってしまった時、
「残された方がかわいそうだから、一緒に逝けよ」とつぶやいた彼。
そんなヘジョが、今は星になってしまったことを思うと、胸が痛む。
そのくせ、死んでも元婚約者のフンには渡さないと無茶を言ったりもする。
靴のエピソードも印象的だった。
フンが送った靴は、伝統的な縫製のしっかりした歩きやすい靴。
ジェミのサイズに合わないからと探してきた靴だった。
一方、ジェミが値切ってまで買いたいと思った靴を、ヘジョが代わりに買ってあげた。
ジェミが大切に慈しんだ靴であり、のちに彼女を救った靴でもある。
それぞれの靴が、前者はフンであり、後者はヘジョ自身のように見えた。
そして韓国の言い伝えどおり──
「靴を贈ると花嫁に逃げられる」
どちらの靴も、最終的に送るのはフンとなる。
愛しているから見送るフン。
愛しているからそばにいたいジェミ。
愛しているから離れたヘジョ。
3人の距離や関係が、時に激しく、悲しく、穏やかに変化していく。
その様が愛おしい。
夜空を見上げた時に、ふと頭をよぎる──
そんなドラマになった。
⸻
#韓国ドラマ
#Mrプランクトン
#ウ・ドファン
#イ・ユミ
#オ・ジョンセ
#韓ドラレビュー
#靴を贈るということ
#芸術の秋
