「真っ白に燃え尽きたよ…」難病母ちゃん、大腸カメラ前の「修行僧メニュー」と父ちゃんの愛。│大腸内視鏡検査│食事制限│闘病エッセイ│家族の支え│介護生活
無事に終わったよ、大腸カメラ!
お腹の中で反抗期をこじらせてた「双子ポリープ」も、この母ちゃんが根こそぎ強制退去させてやったわ。
蓋を開けてみれば、実はただの甘えん坊(良性)だったことも判明。
「親の顔が見たいわ!」って、私だよ。
でもね、このスッキリした結末の裏には、一人の女として、そして三人の息子を戦場(育児)でサバイバルさせてきた母ちゃんとしての、浅ましいまでの食への執着があったんだ。
「白い紙」という名の、ただの嫌がらせ
検査2日前。私の脳内は、つらい検査への恐怖なんて一ミリもなかった。
あったのは「検査食という名のエサ」に切り替わる前に、いかにしてこの世の贅沢を胃袋に詰め込むかという、強欲な野心だけ。

ところが、忙しい合間に現れた看護師さんが持ってきたのは、私の欲望を木っ端微塵にする、たった1枚のペラ紙。

「白ごはん、おかゆ、うどん、豆腐、白身魚……」
……は?
何これ、白。
見渡す限りのホワイトアウト。

50年以上生きてきて、これほど「彩り」を呪ったことはないわ。
野菜もダメ、きのこもダメ。
「食べるもん、殆どねーじゃんかよ! 修行僧にでもなれってのか⁉️」

あまりの理不尽さに、私は半笑いで看護師さんに詰め寄ったね。
「ねえ、ビスケットとクッキーの何が違うの?」って。

もはや検査なんてどうでもいい。
ただ「バター」という脂っ気が欲しかっただけ。
答えに窮する看護師さんを尻目に、私は「バター、バター……」とうなされながら絶望の淵に立たされたのさ。
難病母ちゃん、ふてくされる。
昼に食パンの耳まで白い部分をかじりながら、私は猛烈に腹が立ってきた。
難病で足元は常に酔っ払いみたいにふらつく。トイレに行けば壁と格闘。その上、食う楽しみまで奪われるのか?
「あー、もういい。夜も食パンでいい。何ならもう何も食わん!」

自分用の食事を作る手間すら惜しむ、正真正銘の「ナマケモノ」。
というか、この世の全てが面倒くさくなった、拗ねに拗ねた50代。それが今の私の正体。
そこに帰宅した父ちゃん。
「私の晩ごはんは食パンだけだから! 以上!」
八つ当たり気味に叫んだ私に、父ちゃんは苦笑い一つせず、その「白い死刑宣告書」をじっと読み込んだ。
「分かった!俺が作ってやるよ」

菜の花のうどんに、毒気が抜けた夜
しばらくして出てきたのは、父ちゃんと息子たちがガツガツ食う肉料理……の横に置かれた、私専用の『かきたまうどん』。

真っ白な地獄絵図の中に、卵の黄色がこれでもかってくらい輝いてた。
「春の菜の花みたいだわ……」なんて、普段なら恥ずかしくて言えないけど、その時ばかりは、毒気たっぷりだった母ちゃんの心も、このうどんみたいにトロトロに溶けちゃったんだよね。

有給まで取って、当日の運転手を務めてくれた父ちゃん。
私の「スッキリ報告(ブツの内容)」を特等席で聞きたいだけかもしれないけれど。
それとも、単にふてくされた私が面倒だっただけかもしれないけれど。
空っぽになったお腹の底から、特大のありがとうを叫んでおくわ!

詳細はまた後日。
まずはこの解放感、みんなも一緒に味わってよ!

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