舞踏転生
「 それでは、わたくしの、ダンスをご覧ください 」
了。
『舞踏転生』完結済み。
…………
か、かわいい……。
とうとすぎる。
っっはぁ〜〜〜〜〜!?!?
なんやこのかわゆは。わしのヨエルたん、可愛すぎんか?!?
これよ、これなんよ、このキャラはほんまかわいい。わしが求めたものが全て詰まっとる。追い求めた……しこうのかわゆさよ……。
よくやった、よくやったよ、わし。よく頑張って書いた。何もできないのに、誰にも褒められたこと無いのに、ラノベだけはちゃんと書いた。それだけで、もう、十分ちゃうんけ? このキャラ生み出しただけで、わしはもう、アガリなんやないけ? なあ? ふぃ〜〜〜〜っっ。つかれたっ。つかれったなぁっ。ふぃ〜〜〜〜〜〜っっ。
なぁ? もうアデコで職探さなくてもええんとちゃう? 派遣はやっぱ厳しいって、正社員はもっと厳しいって。なあ、わし、この何にも勝るかわゆなキャラを生み出せたから、もうよいのでは??? それってようはさ、プリミティブっつーか……あれよ、存在する価値ここにありってことなんじゃ???
ピキリリリリリーーーン!
んおっ、あたたた、張り切ってコーフンしたらヨーツウがまろびててしもったわい。これだけはよぉ、現実だっちゃ。のがられられないンゴねぇ。さいっきょなお小説のキャラつくっても、わしは、ヨーツウからのがれられ無いンゴねぇ。ほれい、見てみいや。マッマが今朝干してくれたマクラには髪の毛がぎょーさんあるたい。おちてるたい。抜け毛んごネェ。ねぇ? でもこの一本一本が! ヨエルたんに捧げられてると思えばさ!
プルルルるる! プルルルるる!
あっ、一階のマッマから子機に電話ですたい。
「かーちゃん、なんですか?」
「午後から仕事いくから留守番よろしくね!」
「うん」
「ねえ、あんた、就活ちゃんとしてるの?」
「してるしてる、あー、このあと面接行くよ! だから大丈夫!」
「ほんと? ならいいんだけど。あたしも年金とバイトで細々やってる訳だから、あんたが働いてくれないとキツいのよ。パパもね、キツいキツいって言ってるよ。あんた、どうしてこうなっちゃったのかねえ……」
「わかった、わかった、行ってらいしゃいね」
ウーム、マッマはこれからお仕事ンゴねぇ。したらば、わっしはどうすりゃええか。どないせいか。午後うちにいたらあかんからね。したらば、面接行くフリ、しましょか。わっしはリュックをそろえって、なんか書類を詰め込んで、着替えて、出かける準備をすりゅ。マッマやパッパを安心させるのは大変やで、ほんまになぁ。面接やおちごとに行くふりするのもおちゅかれるなんすわ。部屋のみんなにバイバイ言わないとね、バイバイPS5、バイバイ、魔法先生ネギま! バイバイ、スコッティ。あっ、枕元には使いたてほやほやのオナホたん。やべっ洗うの忘れてもうたわ、昨日から洗ってないんよな。かっぴかぴのおせーしの匂いがここまで立ち上ってくらーね。わっしはお仕事してくれたナホちゃんに手ぬぐいをかぶせる。これは元カノが江の島でくれたハンカチーフよ。どうせならおぱんつよこせや! ほれ、ナホちゃん。この、江の島おふとぅんでしっかりおやすみな。
階段おりおり〜お〜りおんをなーぞるっ。
パッパがパソのコンで仕事しとった。
「行くのか?」
「うん、面接に行ってくるよ」
「おお、そうか。しっかりやってきなさい。母さんはああ言うが、おれはな、お前はやればできると思ってる。そうだな、事務の仕事とかどうだ。小さい会社でもいい、優しい人がいるようなところで、薄給でもいいから長く続けてくれればな。もう三十三なんだ。定職につかないとな。お前、今なんの仕事探してるんだ?」
「コールセンターだよ」
「電話交換手か。やめろそれは。先がないから。お前には事務があってる。おれはそう思う」
「行ってくる!」
わっしは元気よく挨拶して太陽の下、駆け出すんや。
チャリンゴに飛び乗って、アジカンを歌うで!
よっかっぜがかっおっる〜♫
淡い希望……ああ、ヨエルたん……。
なんであんな結末になったのか。ほんとはダンスを踊りたくなかったんじゃ???? ああ、悲しいねえ……わっし悲しいよ。ヨエルたん、どうしてあはあなっちゃったの??? ああ、ヨエルたん。なんてかわゆ人生。かわゆな、生なんでせうか! わっしはいつまでもそうおもゆよ。
わっしはしゅごい、キャラを生み出してしまった。こんな、誰にもできることじゃないよ。正直、すごいと思ってる。誰にもできないよこんなこと。
めんせっつ♫
キラッ♫
めんせっつ♫
キラッ♫
そんなもんはなーいっ! あちし、めんせつ、きらーい! でんぐり返しで、おぱんつ、ちらっ。ちらってすりゅの〜。はわわ、み、見ちゃいましたか? はわわ〜。
よい、キャラや! 着想や! これ、これっだっ!
わっしはチャリリン・モンローから飛び降りて、ひっしこいてグーグルキープに着想を打ち込む。フリィィィィィック! フリイイッッック! しゅまほをかたかたしてわっしの源泉たるキャラの変遷を描くんや。ここに刻む。それしかねえンゴ! 思いついたときに書くんや! がんばれわっし! そこだけは怠るなや!
キキキキキキッッッーーー!
ドウォォォーーーン!
「ぬわーーーー!!!ー!ー!???」
な、なんですか!?!? ひ、轢かれたんですか、あちし、もしかして交通事故ですか?
や、やばいよぉ、いたいよぉ、身体がいたいよぉ……ん? あれ、いたくない? ほ、ほんまか? い、痛くないぞね?
「は、はわわ、ご、ごめんなさ〜い」
わっしを轢きおった、トラックからわたわたと飛び降りたおしょうじょ。わ、銀髪碧眼、運動神経ゼロの三白眼四百歳ロリバンパイアっ! こ、このこはっ。
「よ、ヨエルたん……?」
「は、はわわ、な、なんでわたしのことしってるんですか〜〜? あ〜〜もしかして、あたしがやらかし過ぎて、俗世にもあたしの失態が轟いてるのっ!? いやぁっ!」
『それはまさにトラックに頭をゴンゴンぶちゅけてプシュケー、バンパーがバンパイア』
う、うわぁぁぁぁぁ!!!
このサーカムスタンスはぁぁぁ! まさに、わっしが昨日書いた『舞踏転生』の地の文やないかぁぁぉぁい!!!
すげえ!
これって、まさか現実に起きてるの?
おきてゆの?
わっし、ががんばったから。
がんばったから、こんなことになってるの?
いちばん、このよで、かわゆな。おまんごペロペロしたくなるような、せかいでいちばんおまんごペロペロしたくなりゅような、おキャラがっ、ここに顕現せりってこと???
う、うえぇぇん。
「う、うえぇん。うええぇん。う、うわぁぁん」
「ど、どうしたんですか? 三十三にもなってそんなに泣いちゃって。は、はわわ、ごめんなさいあたしがトラックで轢いたからですよね。ご、ごめんなさい」
い、いいんだ。いいんだゆの。いいいの〜。トラックが、なんぼのもんじゃい。気にするなかれ。わっし、は、いましゅごい、嬉しいのら。心から、歓びを、噛み締めてるのら。
「よ、ヨエルたん、かわいいねえ」
「えっ、えっ、なんですか? どういうことですか?」
わっしは凹んだチャリンゴを立て直し、ヨエルたんの側まで寄って、ヴァイブスあげてわりゃう。
「うしろ、乗りなよ」
「え、ええっ? いいんですか? トラックで轢いちゃったのに、いいんですか? そんなすごいことしてもらって」
「いいんだ、ほんのおれいだよ。ほら、いこう」
うおおおお!
よっかっぜが!
よっかっぜが!
よっかっぜ↑よっかっぜ↑
うしろに、あんなにもかわいいキャラであるヨエルたんを乗せて、チャリリンモンローで爆速爆進!
これや、これがしたかったんすわ。
これこそが、わっしの生きる意味だったんすわ!
今見つけました、わっしの生きる意味! わっしの生きる意味、すげえ速い! ぐんぐん進むぞ! 前に行くぞ!
「は、はわわ〜」
「しっかりつかまりな!」
かっおっる!
かっおっる!
ハッ!!! も、もしかして、ヨエルたんはおスカートをお履き思し召してたから、今頃、おめくれになって、お、おぱんつがまるの三重県なのでは?!?!?
うおおおおおおぉ、コーフンだ! コーフンしてきましたよ!
わっし、生きててよかったなぁ。
ちゃんとしょーせつかいてると、こんないいこと、あるんやなあ。
トラックに轢かれても無傷やし、身体もすんごぉい、軽い。かわゆな、わっしが誰よりも知ってるかわゆっ子をさ、後ろに乗せて、走れるってこと。これが、これが、わっしのやってきたことやったんだなあ。
「は、はわわ〜法定速度守ってくださぁぁい!」
「ウーン、拙者、スピード・キングなり!」
時速百キロだしちゃうぞ〜〜!
とりあえず、江の島にでもいってみっか!
