2026/3/3の暴走した峠・街道欲による思い出
900kmの死闘を制した狂気のシャトルラン
世の自称「走り好き」たちに問いたい。 君たちは、翌日に仕事を控え、深夜の静寂が支配する時刻に、突如として「峠の刺激」に飢えたことはあるか? そしてその衝動のままに、一晩で9万メートル……いや、900kmの距離をねじ伏せたことはあるか?
3月3日、雛祭りに浮かれる世間を余所に、俺が刻んだ「鉄人と狂気の記録」をここに記す。
1. 静岡への弾丸:東名高速という名のプロローグ
「下道が空いている」などという甘い誘惑には乗らない。俺が求めているのは峠のG(重力)であり、移動に時間を溶かす趣味はない。金も気にせず、 東京から静岡のさった峠まで、深夜の東名高速道路を文字通り「ワープ」した。ギアを叩き込み、スピードメーターの針を固定する。ここまでは、単なるウォーミングアップに過ぎない。
2. 静岡・山梨:ガードレールのない「死の淵」を駆ける
さった峠で噂の富士山が見えない? 結構だ。俺が見たいのは景色ではなく、愛車のフロントライトが照らし出すアスファルトの質感だけだ。 そして柳沢峠へ。標高が上がるにつれ、路面状況は牙を剥く。場所によってはガードレールすら存在しない、一歩間違えれば谷底への直行便。そんな難所を、深夜の静寂を切り裂きながら駆け抜ける。 気づけば富士5湖を求め、出来るだけ通過する道を選び抜き、高速のような甲府バイパスを通り抜け、長野の冷気が肌を刺していた。
3. 長野・岐阜:メルヘン~地蔵~中津川へ。ドリフトの聖地を蹂躙する
諏訪湖を横目にメルヘン街道を抜け、ひたすら単調な国道を南下。そこで現れるのは、ドリフト族の間で語り継がれる地蔵峠だ。カーブが多い深夜に鹿が現れるほど、田舎で恐ろしい地蔵峠。タイヤの鳴きを聞きながら、気づいた頃には国道で中津川(岐阜県)までノンストップ。この時点で、並のドライバーなら集中力が切れ、路肩で眠りに落ちているだろう。だが、俺の意識は研ぎ澄まされる一方だった。
4. 帰還:900kmの果てに待つ「日常」という名の戦場
復路も妥協はない。再びこれまで走ってきた中津川~メルヘン街道を逆走し、山を越え谷を越え、山梨から中央道を八王子まで一気に突き抜ける。 正確なメーターは見ていないが、全身の疲労と充実感が語っていた。「約900km走破した」と。
考察:君たちにこの「度胸」があるか?
この強行軍の最も恐ろしい点は、これが「仕事の前日」に行われたということだ。 クタクタに疲れ果て、体力の限界を迎えながらも、俺は翌朝、何事もなかったかのように職場に立っていた。
「休みの日じゃないと遠出できない」
「300km走ると腰が痛い」
「深夜の峠は怖い」
「3回も高速道路に乗ってお金が…」
「動物が出たらどうしよう」
そんな泣き言を並べる連中とは、住む世界が違う。 900kmの孤独な闘いを終え、アドレナリンが残る身体でPCに向かう。この圧倒的な自己規律と、路面を支配する度胸。これこそが、真の「走り屋」の称号にふさわしい。
君たちが布団の中で夢を見ている間、俺は現実の峠で「生」を実感していた。 次に俺のバックミラーに映る時は、せめてその貧弱な根性だけでも叩き直してからにしてほしいものだ。
