あとから思い出すのは、いつもその夜。ヒーローのいない、「決戦前夜」を描き始めます
人生には、
まだ何も始まっていないのに、
なぜか眠れない夜があります。
失敗も成功も、
まだ起きていない。
それでも、心だけが先にざわついている。
誰かに背中を押されるわけでもなく、
それでも、自分で前に進もうとする、
その一瞬手前。
そういう時間は、
物語としては少し地味で、
言葉にもなりにくいものかもしれません。
けれど、あとから振り返ったとき、
不思議と強く残っているのは、
たいてい、そういう時間だったりします。
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「風よ!」シリーズの続編となる
第五部の執筆を始めました。
第一部、第二部では、
主人公・凛花が揺れながらも自分の歩む道を選んでいく姿を描いてきました。
第三部では、凛花と美琴が、
頼りになる先輩であり仲間の響とともに、
看護師としての日々に向き合っていく姿を描きました。
第四部では、その響の過去を描いています。
今回の第五部で描きたいのは、
そうした時間を前にした、ほんの一歩手前です。
今回も、大きな事件は起きません。
ヒーローも登場しません。
人生の中で誰もが何度か通る、
「決戦前夜」のような時間を、
そっと掬い取るように描けたらと思っています。
また、静かにお付き合いいただけたら嬉しいです。
大須 慧
