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【せりふ三題噺】だから、だいじょうぶ

※本作は幼児視点での虐待・ネグレクトを含みます。

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ベランダは、さむい。
じめんは、つめたい。
はだしだと、いたい。

なくと、もっといたくされる。
だから、なかない。
なきそうになったら、
のどの奥を、ぎゅってする。
ほかのことかんがえる。

ベランダの上に、つららがある。
とどくところに、ちいさいのがある。
おって、なめる。
つめたい。
でも、あまい。

ずっとまえ、
パパがいたころに、
かってもらったキャンディーと、
おなじあじがする。

そのころ、
ママも、やさしかった。
お酒、のんでなかった。

なかから、おとがする。
テレビの、わらい声。
まえは、
さんにんで、いっしょにわらってた。
あったかかった。
いま、
わらってるのは、テレビだけ。

ずっとまえ、
さんにんで、レストランにいった。
えきのむこうにある、
ロイヤルホスト。
エビフライが、
さくさくって音がして、
すごく、おいしかった。

ママが、
ちいさく切って、
ぼくのおさらに、もってくれた。

パパが、
ぼくは、もうおおきいから、
ちいさくしなくても、いいよ、
と、いってた。

どっちも、
あたたかかった。


ぼくには、ともだちがいる。
ぼくの、こわれた、
三輪車に、のってくる。

「こっちだよ」

ともだちがいう。
ぼくたちは、
いっしょに、そらをとぶ。
そらは、さむくない。
そらは、しずか。
ベランダが、ちいさくなる。

はい、忘れもの
ともだちが、下のほうを指さす。

まどが、ひらく。
しらない、おとなのひと。
ふたり。
ぼくの、からだを抱きおこす。

でも、
ぼくは、そらにいる。

だから、
だいじょうぶ。
もう、
だいじょうぶ。

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