私立難関を受ける子は、公立高校対策を急がなくていい
私立難関校を目指している家庭にとって、悩ましいのが公立高校対策です。
附設、ラ・サール、青雲、西大和などを目指している子の場合、年明けから私立難関校の受験が続きます。
一方で、公立高校も受ける予定がある家庭は、
「公立の対策をまだほとんどしていないけど大丈夫なのか」
と不安になると思います。
これは、かなり多くの親が感じる不安です。
特に公立トップ校を併願する場合、内申点もあります。
独自の答案の書き方もあります。
記述の型もあります。
理科や社会の出題形式も、私立とは違います。
そう考えると、
「私立ばかりやっていて、本当に間に合うのか」
と思ってしまうのは当然です。
しかし、結論から言えば、私立難関校を本気で目指している子であれば、公立高校対策を今から焦る必要はありません。
まずは、私立難関校の受験に全力で向かうべきです。
中途半端に公立対策へ逃げる必要はありません。
英進館でいえば、TZ以上の子は、私立難関校の受験が終わった後、TSの子たちと一緒に公立対策へ入っていく形になると思います。
TSの子たちは、すでに公立高校対策を進めています。
そのため、最初は公立型のテストで、TZ以上の子がTSの子に点数で負けることもあるようです。
これを聞くと、親は不安になります。
「やっぱり公立対策を早く始めた方がいいのではないか」
「今のままで大丈夫なのか」
「私立がダメだった場合、公立まで失敗するのではないか」
そう考えてしまいます。
でも、そこは慌てなくていいと思います。
私立難関校を目指してきた子は、学力そのものはかなり鍛えられています。
公立高校入試の問題で、まったく分からないという問題は、基本的にはそれほど多くないはずです。
問題は、学力不足ではありません。
公立高校入試に合わせた答え方に慣れていないだけです。
つまり、
「知識がない」
のではなく、
「公立型の答案の書き方に慣れていない」
という状態です。
ここを混同しない方がいいです。
私立難関校の問題は、難度が高いです。
思考力も必要です。
処理能力も必要です。
難問への対応力も必要です。
それに対して、公立高校入試は、問題そのものは標準的なものが中心になります。
もちろん、トップ校を狙う場合は高得点勝負です。
ミスも許されません。
ただ、私立難関校を目指してきた子にとって、公立高校入試は、問題の難しさよりも、答案作成の作法が重要になります。
記述の書き方。
資料問題の処理。
理科・社会の用語の出し方。
国語の記述のまとめ方。
数学の途中式の見せ方。
英語の英作文の型。
このあたりをつかめば、点数はかなり早く上がります。
答え方のコツをつかめば、85%から90%程度までは比較的早く届く子も多いと思います。
もちろん、内申点によって必要な当日点は変わります。
内申点が高い子と低い子では、戦い方が違います。
ただ、内申点の最低ラインをクリアしているのであれば、私立難関校を本気で目指してきた子が、公立高校の当日点で大きく苦戦する可能性は高くないと思います。
よく、
「内申点が40以上ないと厳しい」
と言われる学校があります。
しかし、実際には36や37くらいの内申点でも合格する子がいると聞きます。
もちろん、その分、当日点でしっかり取る必要があります。
でも、私立難関校を目指して勉強してきた子なら、その当日点勝負に持ち込める力はあります。
だからこそ、今の時期に親が焦って、公立対策へ軸をずらす必要はありません。
私立難関校を目指すと決めたなら、最後まで私立難関校に全力投球した方がいいです。
特に、年明けの私立受験が近づいてきた時期に、
「公立も心配だから、そろそろ公立対策もやった方がいいのでは」
と考えるのは危険です。
その結果、私立難関校の仕上げが中途半端になる。
私立にも届かない。
公立対策も浅い。
これが一番よくありません。
受験では、切り替えが大事です。
私立難関校を受けるなら、まずは私立難関校に集中する。
受験がすべて終わったら、そこから公立高校対策に一気に切り替える。
この方が、子どもも迷いません。
親も腹をくくりやすいです。
もちろん、公立高校を受ける以上、完全に何も知らない状態でよいわけではありません。
今の時期から確認しておくべきことはあります。
志望する公立高校の内申点の目安。
合格者の当日点のイメージ。
出題形式。
記述量。
リスニングや英作文の有無。
理科・社会の配点。
過去問に入る時期。
私立受験後から公立本番までの日数。
このあたりは、親が把握しておいた方がいいです。
ただし、実際の勉強の軸を今から公立に移す必要はありません。
今やるべきことは、私立難関校に向けた勉強です。
難しい問題に食らいつく力。
数学・英語で勝負する力。
国語で崩れない力。
理科・社会で取りこぼさない力。
こういう力は、公立高校入試にも必ず生きます。
私立難関校の勉強は、公立高校入試に対して無駄ではありません。
むしろ、かなり大きな貯金になります。
公立型に変換する作業は、後からできます。
しかし、学力そのものを高いところまで引き上げるには時間がかかります。
だから、今は学力を上げる。
私立難関校の本番まで、限界まで仕上げる。
その後、公立型の答案に切り替える。
この順番でいいと思います。
親として一番避けたいのは、不安から子どもの軸をぶらすことです。
「私立もやれ」
「公立もやれ」
「内申も心配」
「過去問も心配」
「もし私立がダメだったらどうするの」
これを言い出すと、子どもは混乱します。
受験生に必要なのは、今やるべきことがはっきりしている状態です。
私立難関校の受験が終わるまでは、私立難関校に集中する。
終わったら、公立高校対策に切り替える。
これで十分です。
特に私立難関校の結果が思うように出ていない時ほど、公立対策へ逃げたくなります。
「このまま私立に全力で行ってもダメかもしれない」
「それなら公立対策を早めに始めた方がいいのでは」
そう考える気持ちは分かります。
でも、ここで中途半端に切り替えると、最後の私立本命校で力を出し切れません。
私立難関校を受けると決めたなら、最後まで行く。
全部終わってから、公立に切り替える。
これで間に合います。
時間は十分あります。
私立難関校を目指してきた子なら、公立高校入試に必要な基礎学力はすでに持っています。
あとは、公立高校入試用の解き方、書き方、時間配分に合わせるだけです。
親が今やるべきことは、公立対策を急がせることではありません。
私立難関校に最後まで集中できる環境を作ることです。
そして、公立に切り替える時期が来たら、迷わず切り替えることです。
私立難関校受験は、最後まで全力投球。
公立高校対策は、その後に一気に仕上げる。
この順番を間違えなければ、大丈夫です。
今はまだ、公立高校対策ができていないことを必要以上に心配しなくていいと思います。
私立難関校を本気で目指してきた時間は、公立高校入試にも必ず生きます。
焦らず、まずは目の前の本命に全力で向かう。
それが、私立難関校と公立高校を併願する子にとって、一番ブレない戦い方だと思います。
