kind of & 語調
kind of や sort of が語調を和らげる(マイルドにする)表現として使われるのは、言葉の輪郭をあえてあいまいにすることで、「断定」や「強い主張」を避けることができるから。
言語学では、ヘッジ(Hedge:垣根表現)と呼ぶ。
1.本来の意味「〜の種類(分類)」から来ている
もともと kind of 〜 は「〜の一種」「〜のようなもの」という意味。
It's a kind of fish.
それは魚の一種です。
これを形容詞や動詞の前に入れると、本来的な意味は…
I'm kind of tired.
私は『疲れている状態』の一種の中にいる。
「完全に100%疲れている!」と言い切らない。
「そのカテゴリーに片足を突っ込んでいる感じ」
→響きがマイルドになる。
2.「不完全さ」をアピールして逃げ道を作る
ストレートに言うと角が立つシチュエーションで、kind of は大活躍する。
ストレート: I don't like it. (それ嫌いです)
マイルド: I kind of don't like it. (なんかちょっと、苦手かもです)
kind of の効果
「100%完全に嫌いというわけではないんだけど…」
「私の個人的な、ちょっとした感覚なんだけど…」
という、ニュアンスの余白(逃げ道)が生まれる。
これにより、相手に与えるショックを和らげたり、自分の意見を押し付けない「謙虚さ」を演出したりできる。
3.日本語の「ちょっと」「なんか」と全く同じ感覚
日本語でも、本音や言いにくいことを言うときに、無意識に言葉を濁す。
「ちょっと体調悪くて…」(本当はかなり悪い)
「あの人、なんか怒ってない?」(明らかに怒っている)
英語の kind of / sort of は、まさにこの「ちょっと」「なんか」「〜っぽい」と心理的なブレンド具合がそっくり。
心理的なクッションとして、言葉の衝撃を吸収する座布団のような役割を果たしている。
ネイティブのリアルな響き
日常会話では、さらに崩れて "kinda"(カインダ) や "sorta"(ソータ) と発音されることがほとんど。
