ショートショート『月光ヘアカット 月見バーバー』
町の片隅にある深夜営業の床屋「月見バーバー」。
この店の売りは、月をモチーフにした髪型だった。
「三日月ヘアでお願いします」
そう注文した客は、しばらくして鏡を見て絶句した。
額の上から鋭く立ち上がった髪が、三日月のように弧を描いて反り返っている。
「これ、どう見てもヤンキーのツノやないですか!」
「違います。三日月です。宇宙を背負ってるんです」
店主は胸を張り、さらに語り出した。
「髪は月に呼応するんですわ。伸びるのも欠けるのも、ぜんぶ月の仕業。だから切るたびに宇宙に近づくんです」
横では満月ヘアの客が、まんまるアフロを揺らして笑っていた。
さらに半月ヘアの客は、後ろ半分だけ剃り上げられて寒そうに震えている。
奥には新月ヘアの坊主頭が光を放っていた。
「うちの店は、髪で月齢を表現するんですわ」
店主はドヤ顔。
並んだ四人を見て、客は小声でつぶやいた。
「……髪でやる天体観測かい」

あとがき
毎週ショートショートnote、お題「月見バーバー」に参加しました。
最初はまた子どもの舌足らずネタで遊ぼうかなと思ったんですが、さすがにこの間やったばかりなので、今回は素直に「月見バーバー」に乗っかることにしました。
その名も『月光ヘアカット』。
タイトルだけ聞けばクールでカッコイイ。実際にAIが出してきた髪型も「まあ、これはこれでアリか?」と思うくらい悪くない仕上がりでした。……ただし、セットが死ぬほど面倒そうですが(笑)。
三日月ヘア、満月ヘア、半月ヘア、新月ヘア。
床屋に入るだけでプラネタリウムに迷い込んだような、不思議でちょっと馬鹿馬鹿しい世界観になりました。髪でやる天体観測、たまにはこういうバカバカしい発想もいいですね。
🌕 宣伝パート 🌑
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連載中の『配達員ろること2号』も更新中。こちらは月よりも現実的で(?)、フードデリバリーの汗と笑いが詰まった物語です。気軽に覗いてみてください。
Xでは、フーデリ現場の珍事件や小説の小ネタ、そしてAIイラストをポストしています。まるで「新月から満月まで」日々変化するタイムラインを楽しんでもらえればと思います。
※本作はフィクションです。
登場する人物・団体・地名・出来事などは実在のものとは関係ありません。また、一部の描写は実在するX(旧Twitter)ユーザーの投稿や活動に着想を得ていますが、特定の個人・団体との関連性はなく、内容は創作に基づいて構成されています。
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