150.一之江名主屋敷【旧豊臣家臣:田島家住宅】東京都江戸川区

今も江戸川区に残る一之江名主屋敷は、江戸期の名主住宅。
名主とは地域の年貢を徴収し、村の生活を取りまとめた役職。
一帯は江戸川と中川の堆積によって形成された低湿地。
このあたりの開発を進めたのが堀田図書盛重(1576-1643)といい、一之江の田島庄兵衛方に身を寄せていた武士でした。

図書は元豊臣家の家臣で、関ヶ原の戦い後に関東へと逃れ田島家に寄寓。
後に田島図書英丈と名乗りを変えます。
図書の開発した土地は住之江新田と呼ばれ、田島家が名主を務めています。
長屋門を構えた名主邸は微高地にあり、屋敷林(防風林を兼ね、枝葉は燃料や肥料に)や堀も備えています。現存している主屋は1774年頃の再建。
土間の2階部分は水害時の避難場所。また非常用の舟の収納スペース。

住居として使用されていた邸宅は、1989年から1993年にかけて解体修理が施されています。また銅板葺きだった屋根は、2006年に萱葺き屋根へと全面葺き替えられています。
・一之江名主屋敷:東京都江戸川区春江町2-21-20 → マップ

2011年に江戸川区管理となり、2016年には展示室も整備された歴史公園に。

検地帳や水利、治水関係の記録が記された貴重な史料類(673点)も、田島家文書として現存(一部複製が展示室で公開中)。


