ダンジョン第112階層【実録】『暴かれた血脈の禁忌!法の執行者の完全なる裏切りと最強ギルド崩壊の狼煙』
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01:ブラッドライン・リベレーション〈血脈の暴露〉
翌週の火曜日。 王都の店頭には、大衆活字束(週刊誌)の最新号が一斉に並んでいた。
見出しには、最強ギルド(青木工業)の闇を徹底追求する第三弾が躍る。
『外郭防波堤(協力企業)の涙ながらの訴え。90分の魂の叫び』

そこには、5人のギルドマスター(社長)たちによる因果天秤の重装物理折衝(条件交渉)での因果を歪める汚濁供物(賄賂)の要求の実態が、包み隠さず描かれていたのだ。
今回の真実の吐露(インタビュー)は実名報道ではない。しかし、多くの互助陣列(互助会)メンバーのギルド(企業)にとっては、自分たちの体験を象徴した生々しい中身になっていた。 大々的な宣伝効果もあり、店頭では売り切れも出ているような異常な状況となっている。
圧倒的…!
そんな激しい嵐が吹き荒れる中。 最強ギルド内部での波紋は、想像以上に深く広がっていた。
法の執行陣列(法務部)の金子は、顔面を蒼白になって急いでいた。 彼は、篠田先任導師(係長)から仄めかされていた秘書陣列の鈴木渚の暗部因果の照会〈身辺調査〉を行い、極秘裏にある書類を取り寄せていたのだ。
金子と情報伝達陣列(広報部)の栗林は、誰も入ってこない薄暗い密室である法理交差の議定聖域(会議室)に鍵を掛け、震える手でその分厚い書類に目を通す。
驚愕的…!
ブラッドライン・リベレーション〈血脈の暴露(戸籍の確認)〉 の瞬間だった。

その文字列を目で追った途端、二人には凄まじい衝撃が走った。
「そ、そんなことが…………」
二人はようやく、篠田が言っていたことの意味を完全に理解した。
戦慄的…!
自分たちの犯そうとしていた過ちに気づく。
鈴木渚の正体。 それは、現ギルドマスター(斉藤社長)の実の娘である。
しばらく二人は呆然としていた。絶対に踏んではいけない虎の尾を踏んでいた過ちに気づいたのだ。

そして、これ以上鈴木渚を貶める工作行動をとらないと二人で固く誓い合った。
02:プロファイリング・リサーチ〈深層分析〉
その日。 重苦しい瘴気(息苦しい空気)の中、緊急の戦術評議(役員会議)が招集された。
長老(役員)のメンバー及び領域の統治官(部長)級のメンバーが揃い、現状への報告がなされていた。 当然、鮫島長老、伊藤統括導師、金子、栗林も参加している。 ギルドマスターも上座に同席する中、胃が捻り潰されるような重い空気が場を支配する。
まず、現状報告として法の執行陣列の金子から調査報告がなされた。 ギルド側の調査では、第一弾の魔導書(記事)で報じられた鮫島長老の大政治家への肉体接待と不倫疑惑についての報告がなされる。

「大政治家への饗宴(接待)は事実として認められました。しかし、同席していた鈴木について、そのような趣旨での臨席ではなく、秘書としての同席でした。そして、大政治家の不誠実な対応によって、不適切な関係への未遂に至りました」

「その後、精神的不安定になった鈴木をホテルのラウンジで相談に乗っていた鮫島長老とのツーショットの幻影(写真)が出回ったという結果です」
組織を守るための表面的な社内調査結果報告がなされた。
一方で、第二弾と第三弾の最前線の因果防波堤(下請け企業)への一閃価(単価)交渉における因果を歪める汚濁供物疑惑に関しては、現在調査中という報告がなされた。
情報伝達陣列の栗林からは、外部からの批判の状況が報告される。
「苦情の念話口(電話口)への精神攻撃(迷惑電話)が1日50件程度集まっております。その上で、命脈投資の重装盟主(スポンサー)からの不安の声も多数集まっており、業績への心配の声も届いております」
絶望的…!
一方その頃。
俺は遠く離れた東都校で、王都の中枢から届くであろう吉報を息を殺して待っていた。
極度の緊張とプレッシャーに耐えきれず、俺は無意識に耳の裏を指で強くこすり、その指を鼻に近づけて深く嗅ぎ込むという痛々しいルーティンに走った。
精神を落ち着かせようとしたのだが、自らの発する古の魔導師の残り香(加齢臭)の想像を絶する悪臭に脳がパニックを起こす。

勢いよく後ろにのけぞってしまい、椅子ごと後頭部から床に激突。 白目を剥きながら、足を引きつらせて痙攣してしまった。

『おい、おっさん!』
『自らの悪臭を直嗅ぎして自爆するとか、最底辺の生態系だ ワン!』
『一人で勝手に気絶して、暗黒の休憩室を完全に異臭騒ぎの現場に変えてる ワン!』
魔犬ツンの容赦なきジャッジメント・サタン〈魔犬の正論〉が俺の心臓を物理的に抉る!
破滅的…!
俺は後頭部の激痛を腹の底に抑え込み、己の全存在を懸けた漆黒の魔力を練り上げた。 一つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!
「発動せよ……!」
プロファイリング・リサーチ〈深層分析(事前調査)〉 ッ!!
俺の描いた悪魔のシナリオが、今まさに王都の戦術評議で機能しているはずだ。
03:サイレント・プレッシャー・インターロゲーション〈静寂の重圧尋問〉
場面は再び、青木工業の重苦しい戦術評議へと戻る。 報告が終わった直後。 ギルドマスター(社長)から、低く、しかし鋭い刃のような質問が出る。
「鮫島君。なぜ、鈴木君がそのような饗宴の場に出席しなければならなかったのかね」

娘を傷つけられた父親としての怒りの炎が、部屋の空気を極限まで重くしていく。 サイレント・プレッシャー・インターロゲーション〈静寂の重圧尋問(沈黙の追及)〉 のように、語気を強めて鮫島へ投げかけられる。
当時の饗宴の場で、客人をもてなす女性社員の存在は特に珍しいことではなかった。 むしろ、鮫島の担当である鈴木は、当然同席してもおかしくない状況ではある。 その同席したこと自体にギルドマスターが激怒していることを、真実を知らない鮫島は少し困惑していた。
滑稽的…!
鮫島は恐る恐る回答をする。

「今回の件については、かねてから成長分野である鋼鉄の箱舟工廠(旅客機開発企業)の外郭防波堤(協力企業)としての参入のためでした」
「その分野の企業に精通されている大政治家との交流を図っておりました」
「その内容とスケジュールの調整、情報の巻物(資料)の作成等をフォローしていた秘書が同席することに違和感は持っておりませんでした」
ギルドマスターはさらに語気を強め、激しく追及を続ける。

「当社の誓約の構成員(社員)が暴行を受けるような人物との接触を、なぜ認めたのかな。私が知ってる限り、あの大政治家はそちらの方面の噂は決して良くない」
「君は意図的に鈴木君をその場に居合わせて、大政治家のご機嫌をうちの女性社員で確約を取ろうと画策したのではないか」
俺は二つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!
「発動せよ……!」

ステータス・アノマリー・スキャン〈魔法状態検知(空気読み)〉ッ!!
遠く離れた場所からでも、社長の放つ圧倒的なオーラが鮫島を完全に追い詰めていくのが手に取るようにわかる。
鮫島は慌てて反論し、説明に翻弄する。
「先ほど申し上げましたが、同席での経緯については問題がないと思っています。ただし、自分が離席している状況下の中で、そのようなことが起こるという危機管理および部下の保護については、不備があったと思っております」
04:イーグル・イア・インターセプト〈遠隔探知〉
見苦しい保身の言葉が響く中。
ここで、内部調査での詳細について、さらなる報告が金子からなされる。
「私は審問〈監査〉を鈴木からもしております」
金子の目が冷酷な光を放つ。
「本人からは、大政治家が乱暴を働こうとする際に、鈴木へこう告げたそうです。『鮫島君はもう帰ってこない。その意味わかるよね。君たちが望んでいる参入への便宜は今晩の君次第なんだよ』と」

「そう明確に告げられたと報告を受けています。その状況を彼女は決死の覚悟で振り切って料亭を出ています」
致命的…!
「そして後日、鮫島長老は大政治家への謝罪を行い、今回うまくいかなかった感情の怒りを、鈴木への腹いせでホテルの個室に呼び出しています」
「激しい叱責の後に乱暴を働こうとした経緯が見受けられます」
鮫島の顔色が一瞬にして土気色に変わる。

「彼女からの証言によって、この二つのことについては、ほぼ実態が見えています」
「法の執行陣列では、実際のそのホテルを、鮫島長老の名義で予約されていることを確認しております」
因果応報的…!
その報告がなされた瞬間。 鮫島の脳天に激しい衝撃が走る。 金子と栗林の完全な裏切り。先日の審問で固めたはずの隠蔽工作の、完全なる無効化。
イーグル・イア・インターセプト〈遠隔探知(聞き耳)〉 で情報を集めていた俺の思惑通り、鮫島からは完全に生気が抜け落ちていた。
絶対的な権力を持っていた暴君が、ほぼ完全に陥落したのであった。
驚天動地的…!
俺は再び、三つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!

「発動せよ……!」
ダーク・リベンジ〈復讐の戦術(兵糧攻め)〉ッ!!
だが、この会議はまだこのままでは終わらなかった。 血塗られた粛清劇は、次なる生贄を求めてさらに深く進行していくのである。
【次回予告:ダンジョン第113階層】
鮫島長老が陥落し、最強ギルドの戦術評議は大混乱に陥る! 法の執行陣列の完全な裏切りにより、暴君たちのシナリオは完全に崩壊した! しかし、死の会議はまだ終わらない! 次なる標的は、数々の汚濁供物を強要してきた伊藤統括導師! ついに暴露される悪魔的錬金術の全貌と、絶体絶命の窮地に立たされる伊藤の運命は!? 俺たちの放った泥臭い物理刃が、巨大な城を完全に崩壊させる瞬間が迫る!次階層を見逃すな!
最後までお付き合いありがとうございます。
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