見出し画像

ダンジョン第58階層【実録】『15年の属人化を打ち破れ!股間を火傷したおじさんの在宅化宣言』

前回の物語はこちら👇️👇️👇️

01:パラダイム・シフト・プロポーザル〈在宅化の衝撃提案〉



昭和風の純喫茶。

赤いベルベットのソファーに座り、俺はギルドマスター(社長)と対峙していた。

「ギルドマスター(社長)」


「これを機会に、清水さんも含めて構造の刻印(製図)に関わる魂刃(スタッフ)を全員」


「在宅の魔導錬成(作業)に切り替えませんか」

圧倒的…………………………!!


俺の唐突な提案に、ギルドマスター(社長)は目を丸くする。

俺は構わず熱意を込めて言葉を続けた。 

「ギルドマスター(社長)のギルド(会社)は、お世辞にも広いとは言えません」


「多くの構造の聖典(図面)に囲まれ、魔導錬成(作業)をするための物理的な場所も限られています」

「そんな過酷な環境の中で、仮に1人、2人と新しい傭兵(人材)を共鳴招集(採用)して増やしたとしても、業務を劇的に拡大することは非常に難しいと思います」


「であれば、この機会に縛理の書(ルール)を根本から見直して、誰もが在宅できる仕事の仕組みに変えませんか」


驚天動地的………………………!!


ここで極度の緊張から、俺は無駄に大げさなオーバーリアクションという痛々しいルーティンに走った。

「在宅化こそが真理!」


両手を広げて勢いよく立ち上がった結果。


天井からぶら下がるレトロなランプに自らの頭を強烈に強打。

脳天から激痛が走る。

目から火花を散らして床に崩れ落ちる。

ピクピクと痙攣しながらも必死にソファーの脚にすがりつく羽目になる。


『おい、おっさん』

『渾身の提案の最中に自らの頭を粉砕して自滅するとか、ただの自爆テロだ ワン!』

『一人で勝手に痙攣して、純喫茶の空気を野戦病院に変えてる ワン!』

魔犬ツンの容赦なき言語刃が、俺の心臓を鋭く抉(えぐ)る!


痛恨的……………………!!


俺は頭の激痛に耐えた。

一つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!

「発動せよ……! 」


パラダイム・シフト・プロポーザル〈在宅化の衝撃提案〉 ッ!!


「そのために……」


「深掘りしたいことが2点あります」

「1つ目は清水さんの背景」

「2つ目は術式の受諾官(顧客)のチェック項目を正確に知りたいです」



02:ヒストリー・オブ・ベテラン〈古参兵の隠された歴史〉



ギルドマスター(社長)は少し考えながら、重い口を開く。

その顔には、長年抱え込んできたギルド(会社)の業という深いシワが刻まれていた。


「再確認するか………どうかは別として」

「君の質問に答えるよ」

ギルドマスター(社長)がポツリポツリと語り始めた。

15年という重い年月が刻まれた一人の女性の歴史だった。


「清水さんは中級魔導学校(高校)卒業後」

「私の所属ギルド(会社)で元々は内務の書記官(事務職)として入ってきたんだよ」


「最初はただの記録封印(書類整理)だったんだが、構造の聖典(図面)の供物の奉納(納品)がどうしても間に合わなくてね」


「見かねた彼女に手伝ってもらうことをなった」

「それをきっかけに、見よう見まねで構造の刻印(製図)を覚えてもらうようになったんだ」


千載一遇的…………………!!


「彼女もその後結婚し、子供も生まれたんだけど……」


「結婚生活がうまくいかず、5年で孤高の守護者(シングルマザー)になった」


「そこから私も、女手一つで本当に必死に頑張ってくれた彼女の姿を見てきた」


「正団員(社員)として今まで15年間、ずっと働いてもらっていた」

だが、その美談の裏には、組織を深く蝕む理の歪(課題)が静かに潜んでいたのだ。

「しかし、彼女は職人肌というか」


「人とのコミュニケーションがあまり得意ではないのでね……」


「新しく入ってくる人とどうしても上手くやることができずね」


「結果として新しい傭兵(人材)が誰も長続きしなかったんだ」


悪魔的…………………………!!


「そんなこともあり、結局すべてのしわ寄せが彼女にいってしまう」



「彼女に大きな負担をかけつつも、遅くまで超過駆動(残業)して魔導錬成(作図作業)をやってもらうこともしばしばある」


「子供もまだ小さいから、育成結界(保育園)の結界延長(延長保育)ギリギリの時間まで頼ってやってもらっているのが現状だ……」

ギルドマスター(社長)の言葉には、長年見て見ぬふりをしてきた悪魔的丸投げ体質(責任回避の組織文化)への深い後悔と諦めが滲んでいた。

「納品の法理図(基準)については、わしの方で責任を持って書き出しておくよ」

「ギルドマスター(社長)、すべて正直にお話しいただき、ありがとうございます」 


俺は二つ目の物理刃(自分軸)を心の中で高らかに詠唱した!

「いでよ……! 」


ヒストリー・オブ・ベテラン〈古参兵の隠された歴史〉 ッ!!

「しかし、ギルドマスター(社長)」


「清水さんだけにすべての実務術式(業務)と血肉の契(責任)を頼る体質は、今すぐ脱却しなければなりません」



焦燥的………………………!!



03:ディシジョン・オブ・デスティニー〈運命の決断〉



俺の鋭い言葉に、ギルドマスター(社長)は息を呑む。

俺は容赦なく、不都合な真実(隠蔽された真実)をテーブルの上に叩きつけた。

「ギルドマスター(社長)、よく考えてみてください」


「お子さんも小さいようですから、急な発熱などで突然休むことも当然あるでしょう」


「そしてギルドマスター(社長)ご自身も、年齢的に体力的に厳しい局面が訪れることもあるはずです」


「その固有(属人)化の極みは、ジョブ(仕事)をクエスト(依頼)している術式の受諾官(顧客)からすると、いつ供物の奉納(納品)が滞るか分からない巨大なリスクでしかないのです」


一触即発的……………………!!


「そのリスクを根本から解決することこそが、安定した奉納地(納入先)としての信頼を獲得し、今後のクエストの拡張(受注拡大)に直結するのです」


「ですから、ここで誰もが同じ術式の適合(品質)でできる理(基準)を明確に決めて、固有(属人)化を完全に排除し、誰もが在宅でもできる環境を整えませんか」

俺の熱を帯びた提案に対して、ギルドマスター(社長)は腕を組み、深い沈黙に落ちた。

ギルドマスター(社長)の脳内で、パラドクス・デザイアー(背反の天秤)が激しく揺れ動いている。

今のままではいずれ限界が来ると分かっていた。


15年間の重い歴史と清水という聖域を変えることへの本能的な恐怖が彼を縛り付けているのだ。

時計の秒針の音だけが、純喫茶の空間を支配する。


俺は三つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した! 


「発動せよ……!」


ディシジョン・オブ・デスティニー〈運命の決断〉 ッ!!


「ここで勇気を出して変えなければなりません」


「ギルドマスター(社長)の所属ギルド(会社)は近いうちに、致命的なミスを起こします」


「術式の受諾官(納入先)を変更される可能性が高まります」


「それは所属ギルド(会社)の存続に関わる問題です」


「……決断しましょう」


破滅的…………………………!!


長い長い沈黙の中。


ギルドマスター(社長)はふと天井を仰ぎ、そして覚悟を決めたように力強く重い口を開いた。


「……分かった。君に任せるよ」


起死回生的…………………………!!


「ギルドマスター(社長)、ありがとうございます。必ず形にしてみせます」

俺はギルドマスター(社長)と、互いの魂の熱量と覚悟を確かめ合うように固い握手を交わした。

「それと、次のステップに進むために、私に清水さんと一対一で深層対話(面談)をする機会をいただけませんか」


「……ああ、それも承知した」



04:トゥルー・アンロック〈真実の心解錠〉 



俺たちは喫茶店を出た。

決戦の地である田中産業の拠点へと戻った。

事務所のドアを開けると、そこには鉄と油の結界(製造現場)のような独特の匂いと、張り詰めた重苦しい空気が漂っていた。

早速、ギルドマスター(社長)は作業スペースの奥で一人黙々と魔導鍵盤(キーボード)を叩いている清水を応接スペースに呼び出す。

「お~い。清水さん、今ちょっといいかな」

ギルドマスター(社長)の声に、清水はピタッと手を止め、深いため息をついた。

そして頭をボリボリとかきながら、明らかに面倒くさそうなオーラ(個人の放つ威圧感)を全身から放ちつつ、こちらの方にドタドタと足音を立てて近づいてきた。

怠惰的………………………!! 

「5分でいいんだが、この異次元おじさん(主人公)と、今後の魔導錬成(作業)について打ち合わせをしてほしいんだよ」

ギルドマスター(社長)が気遣うように言うと、けだるそうに清水は冷たく言い放つ。

「……5分だけですよ。私、忙しいんで」

そう言って、彼女は年季の入ったソファーにドカッと深く座り込んだ。

腕を組みして座る。



俺に対して、まるで進入してきた異物を排除するかのようなアブソリュート・ゼロ・アイズ(絶対零度の冷視線)を向けてくる。


拒絶的……………………!!


俺は四つ目の物理刃(自分軸)を心の中で高らかに詠唱した!


「いでよ……!」


トゥルー・アンロック〈真実の心解錠〉 ッ!!

「清水さん…………」


「昨日はうちの魔導女師(女性講師)たちが魔導錬成(作業)の貴重なお時間を妨げてしまったようで、誠に申し訳ございませんでした」

俺は一切の言い訳をしない。

深く頭を下げて昨日の非礼を素直に詫びた。



紳士的…………………………!!


謝罪を終え、顔を上げた瞬間。

俺の目つきが完全に狩人のそれに変わる。

ここから、俺の本気モードが一気に加速していく。


15年間、この小さな事務所で誰にも心を開いていない。


一人で全てを背負い込んできた彼女の分厚い鉄の壁。

その壁を、俺の泥臭いソウルブラッド(本音)でどう打ち破るのか。

決して、後戻りできない。


清水とのヒリヒリとした真剣勝負が今、幕を開けるのである。


いざ、次なる階層へ。



【次回予告:ダンジョン第59階層】


ついに始まった15年古参兵の清水との直接対決!

「5分だけですよ」と放たれた絶対零度の壁!!

おじさんの泥臭い言葉の刃は届くのか!?

閉ざされた心をこじ開けるため、俺が放つ捨て身のコミュニケーション術!

しかし、彼女の口から語られたのは、ギルドマスターへの不信感と想像以上の深い絶望だった!

果たして、この鉄壁の古参兵を味方につけ、在宅化プロジェクトを進めることはできるのか!?

一瞬の隙も許されない息を呑む心理戦に、おじさんのMPは限界突破!

次なる死闘が今、幕を開ける!

次階層を見逃すな!

最後までお付き合いありがとうございます。

一気にこれまでの概要を知りたい方はこちら👇️👇️


【迷宮の深淵へようこそ】


この 「クソゲー(社会)」 から強制ログアウトさせられた、時給1,100円スタートの男の生存戦略。

覚悟がある奴だけ、次のページをめくれ。

まさにこのダンジョンへの現在の最下層までの探索が一気にしたい冒険者はこちら👇️👇️

【お知らせ】異次元おじさんの魔道具店開店セール実地中!!

他では絶対に手に入らない異次元おじさんだけの視点の魔道具が出品中!!

ぜひ、お試しあれ!!👇️

異次元おじさんの自己紹介はこちら👇️👇️


いいなと思ったら応援しよう!

サイコードン 執筆継続のためのMPの回復ポーション受付中!皆様のチップで私のやる気が爆上がりし、供物(生活費)という名の守備力も強化されます。頂いた支援は私の「PPR(個人再構築)」プロジェクトの運転資金として最適に配分され、記事のクオリティを劇的に改善します。ポチッと回復魔法を!