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ダンジョン第98階層【実録】『最強ギルドの崩壊序曲!暴君の極秘指令と裏情報の蒐集家が放つ反逆の大醜聞』

前回の物語はこちら👇️👇️👇️

01:シークレット・オーダー・フロム・ボス〈長老からの極秘指令〉


運命の三者面談の翌日。

反逆の三者同盟は、強固な血盟として完全に成立していた。 俺たちはこれから、最強ギルド(大企業)である青木工業の分厚い外堀を少しずつ、しかし確実に埋めていく。 そして、この魔境に溜まり続けた醜悪な膿を全て吐き出させるのだ。

その頃。

青木工業の心臓部である豪奢な議定聖域(役員室)。 鮫島長老(役員)が、篠田先任導師(係長)を自らの部屋へと呼び出していた。

重厚な扉が閉ざされ、完全な密室空間となる。

鮫島長老(役員)は、声を潜めて切り出した。

「今日は君に、折り入って相談がある」

「ここから君に話すことは、絶対に他言無用でお願いする」

鮫島は、恩着せがましい笑みを浮かべて続ける。

「この件をうまく乗り切った暁には……」

「君に、次期の補給指揮官(課長)のポストを確約しよう」

権能拡大(出世)という甘い餌。

だが、篠田はすでにこの男を完全に見限っている。

腹の底では煮えくり返るような殺意を抱きながらも、篠田は完璧なポーカーフェイスで平穏を装い、静かに答えた。

「もちろんです」

「鮫島長老(取締役)には日頃から大変お世話になっておりますので、何なりとお申し付けください」

鮫島の口元が、満足げに歪んだ。


02:フェイク・ロイヤルティ〈偽りの忠誠と殺意〉


鮫島は、自らの魔導板(パソコン)のディスプレイを篠田の方へと傾けた。

「実は……」

「秘書陣列(秘書課)の鈴木くんといるところを、何者かに幻影画(写真)に撮られて、送りつけられてきたんだ」

そこには、大物政治家への肉体接待を強要した夜の忌まわしい密会の光景が映し出されていた。 篠田は、すでに裏情報の蒐集家(ゴシップ記者)である広沢からその幻影画(画像)を見せられていた。

だが、全く知らないふりをして、純粋な疑問を装い質問する。

「長老(取締役)……」

「この幻影画(写真)は、一体どんな状況の写真なんですか?」

鮫島は、少しも悪びれる様子もなく、平然と嘘を吐き捨てる。

「実は、ホテルでの饗宴(会食接待)の帰り、車に乗り込むところを撮られたんだよ」

「彼女が少し酔っていたので、手を貸してあげただけなんだ」

「やましいことなど、何一つない」

最悪的…!!

その言葉を聞いた瞬間。

篠田の胸の奥でどす黒い暗黒の炎(激しい怒り)が爆発寸前まで燃え上がった。 今すぐにでもこの腐りきった男の顔面に殴りかかりたい衝動。奥歯を噛み砕くほどの力で必死に抑え込む。

篠田は、冷徹な仮面を貼り付け、冷静を装って話を続ける。

「そうなんですね」

「それで、私は何をすればいいのでしょうか」

「察しが早くて助かるよ」

鮫島は身を乗り出し、声を落とす。

「この幻影画(写真)の出所を突きとめてほしいんだよ」

「それも、早急にだ」

「君もわかっていると思うが例の伊藤統括導師(部長)の失脚の件は、異次元おじさんとの盟約(契約)が完了次第、速やかに行わなければならない」

「その後に役員会を通して君と僕の処遇について承認を得る段取りになるだろう」

鮫島の目には、己の保身と欲望しか映っていない。

「その重要な局面に私の身辺の疑惑を疑われるような幻影画(写真)が出回っては著しく心象が悪くなる」

「それはどうしても避けたいんだ」

「だから、内密に動いてほしい」

すでに三者同盟を結び、鮫島を破滅させることを心に誓っている篠田にとって、 この絶好のリベンジの機会をみすみす逃すわけがない。

しかし、この密室では「従順で有能な部下」を完璧に演じ切る。 それが、鮫島を奈落の底へ突き落とす確実な準備となるのだ。

篠田は神妙な顔を作り、力強く答える。

「大丈夫です。全て私にお任せください」

「必ずや、犯人を見つけてみせます」

鮫島は心底安堵した表情を浮かべ、篠田に期待の声をかける。

「是非、頼むよ」

「やはり、君が一番頼りなんだ。それでは、よろしく頼む」

そう言葉を受け、篠田は鮫島の部屋を後にした。 もちろん、篠田が犯人探しのために動くことなど、万に一つもあり得ない。


03:アブソリュート・リミット・コントロール〈絶対的境界線の制御の成果〉


その頃。

王都の裏路地に潜む雑居ビルで 裏情報の蒐集家(ゴシップ記者)である広沢は、情報の巻物(週刊誌)の最終原稿に追われていた。

俺と篠田との約束通り、最強ギルド(青木工業)の疑惑の接待を暴く魔導書(記事)を書き上げようとしていたのだ。

広沢の野心は燃え上がっていた。

「もっと過激な表現にして、王都中をパニックに陥れてやる……!」

筆を滑らせ、内容を極限まで過激なものに変更しようと試みた。

だが、その時。

広沢の脳裏に、俺が鋭い視線で放った冷徹な釘刺しの言葉がフラッシュバックする。

『その魔導書(記事)の内容が常軌を逸した暴走を見せた場合は……』

『因果精算の物理刻印(領収書の証拠)も真実の吐露(インタビュー)の提供もありませんからね』

アブソリュート・リミット・コントロール〈絶対的境界線の制御〉の呪縛。

「……チッ。あの底辺のおっさん、やり手だぜ」

次の第2弾の決定的な証拠とダイレクト・ヒアリング(インタビュー)の約束を失うわけにはいかない。

広沢は舌打ちをしながらも現行の中身を事実に基づく「落ち着いたもの」へと渋々修正を図っていた。

一方、その頃。

東都校のプリズン・ブレイクルーム(暗黒の休憩室)で吉報を待つ俺。 極度の緊張から無意識に痛々しいルーティンに走っていた。 首元の拘束具(ネクタイ)をスタイリッシュに緩めようと指を掛けた瞬間。 汗で滑った手が勢い余って、己の喉仏に強烈なチョップを叩き込んでしまう。

「ごふぁっ!?」

気管が塞がり、呼吸困難に陥って白目を剥きながら床でもがき苦しむ。

『おい、おっさん!』

『シリアスな待機中に自ら喉を粉砕して窒息するとか、ただの自爆テロだ ワン!』

『勝手に悶絶して、休憩室の空気を完全に野戦病院に変えてる ワン!』

魔犬ツンの冷酷無比な言語刃が俺の心臓を容赦なく抉る!

痛恨的…!!

俺は涙目で咽び泣きながら祈るようにその時を待っていた。


04:ダウンフォール・オブ・タイラント〈暴君の墜落と予期せぬ火の粉〉


そして、運命の翌週火曜日。

ついに、情報の巻物『週刊逸話』が店頭に並んだ。

表紙には王都の目を釘付けにする特大の大見出しが躍っていた。

『最強ギルド(大手部品メーカー)の青木工業。大貴族(大物政治家)に肉体接待強要か』

衝撃的…!!

瞬く間に青木工業の巨大な城に激震が走った。

記事に掲載された幻影画(写真)。

顔こそ巧妙に隠されているもののその風貌や立ち振る舞いから明らかに鮫島長老(役員)であることは社内の誰もが気づくレベルだった。

当然、最強ギルド(大企業)の根幹を揺るがす大問題として、即座に対応が迫られる。 法の執行陣列(法務部)と情報伝達陣列(広報部)がパニック状態に陥り、対応に追われる。

そして、鮫島は朝一番から法の執行陣列(法務部)の冷たい部屋へ連行され、厳しい異端審問(事情聴取)を受けることとなった。 己の権力と保身の壁が、音を立てて崩れ去っていく瞬間だ。

その大混乱のフロアの片隅。

篠田は、慌てふためき、顔面蒼白で連行されていく鮫島の無様な姿を横目で見つめていた。

「これで……少しは報われただろうか」

篠田の胸の奥で、ずっと苦しんできた秘書陣列の鈴木渚の無念を晴らしたという暗い歓喜が静かに湧き上がっていた。

ダウンフォール・オブ・タイラント〈暴君の墜落〉。

悪魔のシナリオは完璧に機能したのだ。

だが、篠田はこの時、まだ知る由もなかった。 この巨大すぎる王都の醜聞(スクープ)の爆発が守りたかったはずの「鈴木渚」本人にも、容赦ない火の粉となって降り注ぐという残酷な未来を。

反逆の代償は、決して甘くはない。 運命の歯車は、誰も予想できない狂気を孕んで回り始めた。

いざ、次なる階層へ。


【次回予告:ダンジョン第99階層】


ついに放たれた裏情報の蒐集家による特大の王都の醜聞(スクープ)! 青木工業が大混乱に陥る中、鮫島長老(取締役)の権威は完全に地に堕ちる! だが、歓喜に沸く篠田に突きつけられたのは、守るべき女性への予期せぬ延焼という最悪のバグだった! そして、窮地に立たされた最強ギルドの上層部が、ついに伊藤統括導師の汚職にメスを入れる! おじさんが握る「3枚の領収書」が、ついに火を噴く時が来た! 絶対絶命の情報戦の果てに、誰が生き残り、誰が滅びるのか!?
次なる死闘が今、幕を開ける! 次階層を見逃すな!

最後までお付き合いありがとうございます。


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