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ダンジョン第121階層【実録】『無益なる金貨の浪費を撃ち抜け!老舗ギルドを魅了する悪魔的等価交換と生還への道筋』

前回の物語はこちら👇️👇️👇️

01:アブソリュート・タレント・ショートエイジ〈絶対的傭兵不足〉


通信魔導具(携帯電話)の向こう側。

老舗のギルドの専任執行官(担当者)である酒井に対し、俺は確かな自信を持って言い放った。

「その深刻な人材不足、私どもが完全に解消します」

だが、酒井は呆れたような声で冷たく返してくる。

「だからさ、うちは実務経験のない傭兵(人材)は取ってないんだよ」

拒絶的…!

俺もそこは一歩も譲らない。 泥臭い物理刃(自分軸)を言葉に乗せて、畳み掛けるように話を続ける。

「酒井さん。このご時世、経験者が見つかるほど世の中に異世界転生者(転職者)が溢れていないことは、薄々お分かりではないですか」

「仮に経験者が来たとしても、社会人として致命的な欠陥を抱えているような人物だったりしませんか」

ここでオレ様、魔王ツンが当時の魔境(時代背景)について解説してやるワン。

『当時の構造の刻印(パソコンでの製図・CAD)は、一部の経験者しか使えない特殊な魔法(技術)だったんだワン。』

『そのため、技術を持つ傭兵(人材)は著しく不足し、経験者は最強ギルド(大企業)が好待遇で奪い合う状態だったワン!』

『だからこそ、中小ギルドにとっては、情報の巻物(求人誌)で募集をかけても、まともな人材が集まること自体が困難な状況だったんだワン!』

俺は、酒井の痛いところを突きながらさらに続ける。

「それであれば、社会人経験があり、自己努力を惜しまない信徒(生徒)の方が確実です」

「私たちはある程度の長期期間、信徒と接しています」

「彼らの人物像や性格、ジョブ(仕事)への取り組む姿勢も、個人別で魂の臨床録(カルテ)を作成しておりますので、事前に確認することもできます」

「ジャッジメント・ルーム(面接)を1回、2回行っただけでは決して分からない人物像も、我々ならはっきりと理解できているのです」

その言葉に、酒井も少しだけ耳を傾ける気配を見せた。 だが、彼の中にはまだ

「素人を雇い入れて一から育てるほどの余裕がない」という強固な認識があった。


02:アルティメット・スポンサーシップ・オファー〈究極の重装盟主提案〉


俺は満を持して、核心に迫る提案をぶつける。

「それであれば、今、無駄に人が集まらない情報の巻物(求人誌)に金貨(お金)を払っているぐらいなら……」

「自分たちの『欲しいスキル』が身についた傭兵を、直接育てる気はありませんか」

俺の頭の中には、冷徹な計算式が弾き出されていた。

情報の巻物(求人誌)には、1ヶ月毎週掲載するだけで金貨30枚から40枚(30万〜40万円)の費用がかかる。 それを3社掲載すれば、すでに金貨100枚(100万円)以上を支払っていることになる。 このギルドの場合はそれを3ヶ月続けている。 つまり、金貨300枚(300万円)以上の無駄な金貨を虚空に費やしている計算になるのだ。

そして、これを奇跡的に人材が見つからない限り、永遠に払い続けることになる。

その無間地獄に終止符を打つ、甘い囁き。

ここで俺は極度の緊張から無駄な情熱をアピールしようとする痛々しいルーティンに走った。

熱弁を振るうあまり手元にあった魔導結合器(ホッチキス)を通信魔導具だと勘違いして耳に強く押し当ててしまい、「ガチャン!」と自らの耳たぶを貫通させてホールドしてしまう。

「ぎゃあぁぁッ!」

耳から鮮血を流し、激痛で白目を剥きながら床をのたうち回る。

『おい、おっさん!』

『熱血営業の途中で自分の耳にホッチキスを打ち込むとか、どんな苦行だ ワン!』

『一人で勝手に耳にピアス(物理)を開けて、電話口の空気を完全に拷問部屋に変えてる ワン!』

魔犬ツンの容赦なきジャッジメント・サタン〈魔犬の正論〉が、俺の心臓を鋭く抉る!

痛恨的…!

俺は耳の激痛を丹田の底に封じ込め、全身の血脈を沸騰させた。 周囲の空気が重く歪み、パチパチと青白い紫電が弾ける。

俺は心の中で高らかに詠唱した!

「放て……!」

アルティメット・スポンサーシップ・オファー〈究極の重装盟主提案〉ッ!!

「ある程度基礎的なところが身についていれば、足手まといになることもありません」

「人物的には御社に合った優良な人材に入団(入社)してもらうことも可能ですよ」

酒井は、俺の言っていることが何を意図しているのか、すぐには理解できなかった。

「つまり、ギルドで必要なスキルをこちらの学校で全て指導が完了した時点で、選んでもらうことができるということです」


03:ウイン・ウイン・アライアンス〈共存共栄の血盟〉


酒井にとっては、目を疑うような提案だった。 俺は一気に畳み掛ける。

「ギルド専用の特別な修練の道筋(カリキュラム)を作り、その修練会(講座)の代金を御社が重装盟主(スポンサー)となって支払う」

「そして、気に入った人物にそのスキルを習得させませんか」

「もちろん、基礎的なコースはすでに終了した者を対象とします」

革新的…!

「いかがですか」

「いつ現れるかもわからない状況で無駄な金貨を叩きながら待ち続けるよりも、元々ポテンシャルがある人材に、御社の必要なスキルを最低限身につけさせた上で入団させた方が、戦力に見通しがつくのではないですか」

酒井の胸の奥底に、確信を突く提案が深く突き刺さった。 彼は思わず、本音の言葉を漏らした。

「……こちらは、どうすればいいのですか」

勝利的…!

俺は冷静に提案を続ける。

「いい人材がいなければ、お金を払う必要はありません」

「まずは、私どもの専任執行官(担当者)を派兵(派遣)しますので、ギルドで必要なスキルを直接打ち合わせしてもらえませんか」

「……分かりました。それではお願いします」

「ありがとうございます。後ほど日程の調整をご連絡します」

俺はそのまま、通信魔導具の通話を切った。


04:ネクスト・ジェネレーション・イニシエイター〈次世代の先導者〉


通信魔導具を切って振り返ると背後で聞いていた水谷さんと斉藤さんが、驚きの表情のままでこちらをずっと見つめていた。 水谷が興奮気味に質問をしてくる。

「こ、これって……!」

「ギルド(企業)から選ばれれば、その人は特別なカリキュラムを受けて、正団員(正社員)として入社できるということですよね!?」

俺は静かに、冷静に答える。

「そういうことになるね」

「多少、経験者よりは報酬(給料)は下がるかもしれないけれど、正団員という立場でチャンスをもらうことはできるよね」

「うちの学校にも絶大なメリットがある」

「異世界転生(就職)の実績を積み重ねることによって、奉納の招陣(営業)にとっては『就職に有利な学校』というブランドを宣伝することができる」

感動的…!

「これを積み重ねることによって、君たちにとっても、就職できるより高度な修練会(講座)へステップアップを促すことは、信徒(生徒)にとっても最大のメリットがあることになる」

「将来の相談やステップアップのアドバイスも、これでポジティブにすることが可能になるんじゃないか」

「簡単に言うと異世界転生(就職)という誰もが望む生還の地平(ゴール)をしっかりと築き上げれば、入り口がどうであれ、最終的に希望に向かって、信徒も魔導師(講師)も自信を持って進んでいくことができる」

「その環境こそが、長い意味でも奉納の招陣(営業)活動において必要なピースになると俺は思ってる」

二人の熱い眼差しを受け、ついつい熱く語ってしまう異次元おじさんだった。 だが、俺はあえてここで、冷水を浴びせるように苦言を刺す。

「喜ぶのはまだ早い」

「これは、あくまで一例にすぎない」

「俺たちの本当の意味での『信用を積み重ねる活動』はここから始まるんだ」

「君たちが、自分たちの手でこの活動を広げていくことができない限り、結局は俺の属人的な範囲を超えてはいないんだよ」

厳格的…!

「つまり、まずは水谷さんと斉藤さんがこの魔境調査(市場調査)と実践的な修練の道筋(カリキュラム)の改定を、中心となって進めていかなければならないよ」

「やれるかい?」

二人の目には、逃げ出したいという弱さはなく、確かな希望の光が宿っていた。 大きく頷く二人を見て、俺は次なる一手を打つ準備を始める。

しかし、この壮大な魔導設計書(企画書)を実行に移すためには、絶対に乗り越えなければならない巨大なハードルがある。 あの冷徹なる大魔女の審判(承認)を受けなければならないのだ。

いざ、次なる階層へ。


【次回予告:ダンジョン第122階層】


ついに老舗ギルドから初契約の糸口を掴んだ異次元おじさん! 未経験の生徒を戦力化する悪魔的等価交換のビジネスモデルに、若き魔導女師たちの目にも希望の光が灯る! だが、この革新的な計画を本格稼働させるには、冷徹なる大魔女の厳しい審判を突破しなければならない! 利益至上主義の大魔女に対し、おじさんはこの泥臭い企画書をどう認めさせるのか!? 水面下で蠢く魔女の陰謀とタイムリミットが迫る絶体絶命のプレゼン! 次なる死闘が今、幕を開ける! 次階層を見逃すな!

最後までお付き合いありがとうございます。


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