ダンジョン第115階層【実録】『狂乱の醜聞と崩れゆく同盟!大魔女の冷徹なる慰労と残されし希望の風』
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01:シャドウ・スキャンダル・ストライク〈影の醜聞の直撃〉
王都の喧騒を切り裂くように放たれた情報の巻物(週刊誌)。

『週刊慎重』の暴走は、最強ギルド(大企業)青木工業の闇を暴くだけでなく、俺の足元にも容赦なく延焼してきた。 翌週の紙面には、目を疑うような活字が躍っていた。 外郭盟約の補給陣列(購買部)との不可解な交渉。 最前線の因果防波堤(下請け企業)を束ねた水面下で事前に情報を入手し、最強ギルドへ不当な要求を突きつける謎の魔導師(指導者)の存在。
絶望的…!
完全に俺の動きが特定され、悪意を持って書かれている。 連日、俺が所属する魔導指導学校(資格学校)には、真相を暴こうとする裏情報の蒐集家(ゴシップ記者)たちが群がっていた。 建物の外にはカメラのフラッシュが瞬き、怒号が飛び交っている。 不用意に動くことすらできない俺がいた。

致命的…!
完璧と思われていた復讐のシナリオ。 俺たちは、ほぼ頂上までたどり着いていたはずだった。 しかし、自分たちが知らないところで、物事は確実に別の方向へと動いていたのだ。 想像もできない状況下の中で、誰かのどす黒い思惑によって、俺たちは想像もしない奈落へと落ちていった。
この騒動により、青木工業の宝物庫(売上)は当初の3割も減少した。 そして、その煽りを一番に受けたのは、俺が救おうとした互助陣列(互助会)のメンバー企業たちだった。

青木工業に発足したギルド再生評議会(再生委員会)により、不当に下げられていた一閃価(価格)は確かに元に戻された。
しかし、そもそもの因果受託の血盟(発注)が激減してしまったのだ。 青木工業一社に命脈を頼っていた因果防波堤(下請け企業)は、軒並み苦しい状況に立たされることになった。
俺が泥臭く支えてきた企業のギルドマスター(社長)たちからも、容赦ない苦情が噴出する。

「こんなはずではなかった!」
「どうしてくれるんだよ!」
「因果受託の血盟(発注)が減るくらいなら、前の方がまだマシだった!」
「仕事が減るから、誓約の構成員(従業員)を辞めさせなければならないんだ!」
悲壮的…!
俺はただ、唇を噛み締め、彼らの怒りを受け止めるしかなかった。
02:レガシー・サバイバル・ルート〈過去遺物の生還経路〉
そんな地獄のような状況下で、唯一の救いもあった。 最初のきっかけであった田中工業だ。 彼らは、不可逆の盟約(契約解除)を突きつけられた絶望の中から、俺が駆け回って構築した他社からの外郭陣列との局地盟約(分散受注)が順調に進んでいた。 そのため、他のギルド(企業)ほどの致命的な影響は受けずに済んでいたのだ。

そして、田中工業も以前ほどではないが、互助陣列(互助会)メンバーに復帰することができた。 細々ではあるが新たな盟約(契約)を結び、以前のような構造の聖典(図面)の依頼が舞い込んでくるようになったのだ。
奇跡的…!
俺が進めてきた田中工業との遠隔防壁の分散陣列(在宅システム)。 これもなんとか軌道に乗り、細々ではあるが信徒(生徒)たちがジョブ(仕事)を受ける環境は整ったのである。 しかし、事態はそれで収まらなかった。
今回の醜聞が魔導指導学校(資格学校)に及ぼした影響の責任を問われることになったのだ。 俺は、東都校の魔導指導団長(教務主任)の座を解任された。 そして、古巣である西都校へ戻るようにと非情な命令が下されたのだ。

破滅的…!
俺は極度のストレスと絶望をごまかすため、無意識に痛々しいルーティンに走った。
記者たちの目をごまかすために、近くにあった虚無の裁断箱(シュレッダー)の紙屑を頭から被り、「私はただのモップだ」と呟きながら床に這いつくばる。
だが、勢いよく紙屑を被りすぎたせいで、微細な紙粉が鼻に入り、盛大なくしゃみを連発。

その反動で目にも紙粉が入り込み、激痛で白目を剥いて床をのたうち回ったのだ。

『おい、おっさん!』
『紙屑を被ってモップに擬態して自爆するとか、ただの産業廃棄物だワン!』
『一人で勝手に紙粉にまみれて、完全に執務室をゴミ捨て場に変えてるワン!』
魔犬ツンの容赦なきジャッジメント・サタン〈魔犬の正論〉が、俺の心臓を鋭く抉る!
痛恨的…!
俺は痛む目を擦りながら、現実へと引き戻された。
03:アブソリュート・サルベーション〈絶対的救済のねぎらい〉
西都校へ戻る前日。
俺は大魔女から応接室へと呼び出しを喰らった。 アブソリュート・テリトリー・インビテーション〈絶対領域への誘い〉だ。
重い扉を開けるとそこには先に座っている大魔女の姿があった。 いつものように完璧な漆黒のレースドレスを纏い、氷のような視線を放っている。 俺もゆっくりと対面のソファに腰を下ろした。

静寂的…!
俺に向かって、大魔女が冷たい声で皮肉を言う。
「何、辛気臭い顔してるのよ」
「あなたのせいで学校の周りがうるさくて、集中して仕事ができないわ」
「どうしてくれるのよ」
俺は慎重な面持ちで、深く頭を下げた。
「この度は、大変ご迷惑をおかけしました」
「今回の責任を取って、辞職したいと思います」
全てを失い、自ら身を引く覚悟だった。 しかし、大魔女は不敵な笑みを浮かべて、俺を鼻で笑った。

「あなた、何言ってるの」
「あなたの責任って何?」
驚愕的…!
「今回、私から指示したのは、東都校の業務改革と遠隔防壁の分散陣列(在宅システム)の構築を依頼したのよ」
「それはすでに完了してるじゃない」
「終わったんだから、とっとと西都校に帰るのよ」
俺の背筋に電流のような動揺が走った。
「でも、それは……」
大魔女は呆れたように言葉を遮る。
「あなた、何言ってるの」
「会社は組織で動いているの」
「あなたが単独で動いてきたことについて、会社に直接的被害はないわ」
「むしろ、騒動になったことで、ちょっと有名になったじゃない」
俺は心の中で、強烈な魔法を練り上げた。 丹田の奥底で燻っていた暗黒の魔力が、全身の血管を駆け巡る。
圧倒的な熱量となって、俺の魂を震わせ、空気がパチパチと焦げるような臨場感と共に詠唱した!
「発動せよ……!」

アブソリュート・サルベーション〈絶対的救済のねぎらい〉ッ!!
俺にはわかった。
これは、冷徹な大魔女なりの不器用なねぎらいの言葉なのだと。
俺が全てを背負い込もうとしているのを見透かし、組織の論理で俺の退路を塞ぎ、守ってくれたのだ。
大魔女は立ち上がり、最後に一言だけ告げた。
「あなたがここに残したものは、人の気持ちを前向きな方向に変化させたことよ」
「ちょっとは、自信を持ちなさい」
その言葉を放つと大魔女は静かに部屋から離れていった。
04:シード・オブ・ホープ〈希望の種子〉
東都校の最後の日。
俺は退任が決まった東都校の教務メンバーたちを、プリズン・ブレイクルーム(暗黒の休憩室)に集めた。 最後の挨拶をするためだ。
「皆さん」
「今日まで、私の無理難題に向き合ってくれて、本当にありがとうございます」
俺は一人一人の顔を見渡した。
「これからは、皆さんが主役です」
「今、作られ始めた新しい流れをみんなで一緒に作っていってください」

そこには、俺と反発し合い、そして和解した佐藤の姿があった。 過酷な深夜労働を共に乗り越えた、平野や山口の顔もあった。 他の魔導女師(女性講師)たちの目には、微かに光る涙が見えていた。
俺は、各メンバーに詳細な引き継ぎをまとめた情報の巻物(資料)を手渡した。
「今後の参考にしてください」
当初、この絶望の東都校に出会った頃では、全く想像もできなかった光景だ。 生気を失い、労働屍鬼(社畜)のようだった彼女たち。 その全てのメンバーの瞳に、確かな希望の光が芽生えているように感じた。
奇跡的…!
俺は、今回の反逆劇の全てが失敗に終わり、絶望の淵にいるとばかり思っていた。 しかし、確実にこの東都校には、新しい風が流れていたのだ。
泥臭く、失敗の連続だった。 全てが崩れ去ったように見える瓦礫の中においても。 俺が魂の血(本音)を削って残した物理刃の痕跡は、必ず何かの形で残っていくのだと、改めて知ることができた。

俺は一つ、深く息を吐き出した。 異次元おじさんは、失意とほんの少しの希望を胸に涙を流す魔女たちに見送られながら、東都校をあとにするのであった。
【次回予告:第二章(総集編)】
怒涛の東都校改革編、完結! 全てを失い、西都校へと戻ることになった異次元おじさん! 最強ギルドとの死闘、そして魔女たちとの泥臭い絆を、魔王ツンが毒舌全開で総括する! クソゲー社会を生き抜くための、泥と汗にまみれた物理刃の軌跡を振り返れ! そして、休む間もなく迫り来る、次なる絶望の修羅場とは!? 次なる死闘へ向けて、心して読め! 次階層を見逃すな!
最後までお付き合いありがとうございます。
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