ダンジョン第1.3階層【箸休め】AI至上主義の魔境で失われた「アナログのぬくもり」を取り戻すために
日頃から『異次元おじさん』の泥臭い冒険譚を応援してくださっている読者の皆様。
心から感謝を申し上げます。
ありがとうございます。

今回は、物語の執筆者である私、サイコードンが直接言葉をお届けしたいと思います。
『異次元おじさん』の執筆を始めてから、はや76日が経過しました。
構想こそ前からあったものの、これほど多くの方にご覧いただけるとは到底思っていませんでした。
間もなく40,000PV、そして3,000スキを迎えようとしています。

皆様の温かい応援が、日々の執筆の何よりの原動力です。
そこで今回は、私がなぜこの『異次元おじさん』という物語を書くに至ったのか。
その背景と作品に込めた本当の理由についてお伝えできればと思います。
■ 冷徹な「正論」が切り捨てる現場の痛み
その時期の詳細は自己紹介の記事でお伝えしましたので割愛しますが、今から約一年前のことです。
※詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
私は外資系の総合コンサルティングファームに身を置き、大手企業が抱える「大規模な業務改善」の最前線にいました。

その中でも、私はオペレーション領域に特化し、現状の課題抽出と今後のオペレーションの再構築を担っていました。
クライアントの希望から会社の方針は契約の段階で決まっています。
それは「現状の業務量を90%削減する」といった、大風呂敷を広げた極めて大胆な改革提案です。
そんな圧倒的なロジックで組まれた提案内容を、実際の現場に落とし込み、実現させるのが私の役割でした。
当然、経営層はそのプランに大いなる期待を寄せます。

しかし、エクセルやパワーポイントで美しく描かれたその計画の中には、「現場で働く従業員の思惑」が入っていないことがほとんどです。
だからこそ、現場の従業員の方々はその行き場のない思いや強い怒りを、実動部隊である私にぶつけてきます。
「なぜ、これをしなければならないのか」

無理もありません。
彼らが長年必死に守り、慣れ親しんできた業務と誇りを、どこの馬の骨とも分からないコンサルタントが土足で踏みにじっていくのですから。
当然、そのような切実な思いを持つ現場に対して、私たちは「コンサルの正論」をぶつけることになります。
その正論はあまりにも合理的で冷徹であり、人の気持ちや感情が入る余地など微塵もありません。
若手のコンサルタントなどは「経営者の判断」という強力な免罪符を持ち、大鉈(ナタ)を振るうことに快感さえ覚えることもあるでしょう。

彼らも決して悪気はなく、正論という名の正義感に基づいて、情熱を持って対応しているのだと思います。
しかし、組織が長年培ってきた空気感や、従業員一人ひとりの思いを大切にしながら、同時に冷酷な改革を実現させていくことは、非常に難易度が高いことです。
外資の突きつける正論は、常に人の痛みを伴います。
私はその現実に、日頃から強い違和感を抱き続けていました。
■ AIに支配された無機質な「未来の職場」への恐怖
昨今、どの業界にも外資の波が押し寄せ、効率化という名の「当たり前」を強要してきます。
動画配信からインターネットサービス、そしてAIに至るまで、そこには日本独自のローカライズ(地域事情)や、人間的な配慮などは存在しません。
当時の私の職場でも、AIを活用した仕事の割合が80%を超えていたと思います。
プロジェクトごとに知らないプロフェッショナルたちが集まり、互いの「人となり」を知ることもありません。
分からないことがあれば、人ではなくデータが蓄積されたAIに質問し、仕事もAIと共に進めていく。
ミーティングがあっても、交わされるのはテンプレート通りの無機質な会話だけ。
他のメンバーへの人間的な配慮や雑談もなく、時間が来れば各々が淡々とPCを閉じ、職場を離れていきます。
私はこの時、強烈に思いました。
「この職場では、生きている気が到底しない」と。
効率を極限まで追求した結果。
心身ともに疲弊し、魂がすり減っていく感覚。

この無機質な恐怖は、決して他人事ではありません。
私は断言します。
これは、皆さんの「ちょっと先を行く未来の職場」の姿かもしれないのです。
私は、外資がリードするAIを中心とした未来に、何の希望も感じることができませんでした。
■ 真の「AX(アナログ・トランスフォーメーション)」の提唱
そんな絶望と自己再生の過程で、私は「アナログの大切さ」を痛感しました。
いや、正確に言えば“思い出した”のです。

コンサル業界という魔境に足を踏み入れる前のかつての自分の姿を。
誰よりも人に寄り添い、メンバーの痛みを思いやり、泥臭く一緒に理想を紡いでいく。
そんな非効率だけれど温かい生き方を。
世間では、これからの時代は「AX(AIトランスフォーメーション)」だと言われています。
AIを使って極限の効率を求める考え方です。
誤解しないでいただきたいのですが、私はAIのすべてを否定しているわけではありません。
しかし、人間がAIに依存しすぎる世の中に、強い危機感を感じているのです。
だからこそ、私は独自の「AX」――すなわち『アナログ・トランスフォーメーション』を提唱したいのです。
人と人との生身の繋がりや、自分の五感から得られるぬくもりを大切にする世界観。
過去の私(異次元おじさん)の歩みは、まさにそのアナログによる生き方そのものです。
そしてその不器用な生き方の中にこそ、これからの時代を生き抜くための大切なメッセージが隠されていると信じています。
■ 異次元おじさんに込めた「原点回帰」の願い
AIが生活やビジネスの隅々にまで浸透していく、先の見えない時代。
だからこそ、人は今一度「原点回帰」する必要があると思っています。
『異次元おじさん』は、そんな息の詰まるような環境の中で必死にもがき、理不尽に打ちのめされても決して希望を忘れず、時には敵に対してすら愛情を持って接することを大切にしています。

この物語を通じて読者の皆様に知っていただきたいのは、世の中に溢れるAI至上主義に飲み込まれるのではなく、己の「自分軸」を見つけ、自分らしく、研ぎ澄ました五感で生きていく人間の美しい姿です。
■ 最後に
……と、少し熱く語りすぎてしまいましたが、本編をそんな重苦しい説教じみた話にするつもりは毛頭ありません。
本編ではこれからも、痛快でシュールなポンコツおやじが、もがき苦しむ姿をどうかリラックスしてご堪能ください。
ちなみに、本編で出てくる異次元おじさんの過剰なボケやリアクションは、物語の中で実際に展開されているわけではなく、あくまでおじさんの「妄想」の範囲を超えておりません。


当然、相棒である魔犬ツンも彼が生み出した幻影ですので、周りの人には一切見えていません。

初めて読まれた方は「急におじさんが気が狂ったのか?」と驚かれるかもしれませんが、何卒ご了承くださいませ。
これからも、皆様に心から楽しんでいただけるような物語を紡いでまいります。
少しでも気になった方、おじさんの生き様に共感してくださった方は、ぜひ「フォロー」と「スキ」を押していってくださいな。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
引き続き、『異次元おじさん』の冒険をよろしくお願いいたします!

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