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創作文(上の空)

心あらずに過ごすことがよくある。
無心と書くと格好良いが、単にぼうっとしているともいう。

今朝は家族を見送った後、食器の片づけ、部屋の片づけ、洗濯、掃除。
合間を挟まず作業をした後、一杯のコーヒーを入れた。

食事後の部屋というのは、どうしてこうも空気が悪いのか。
作業中換気していた窓から、レースのカーテンを揺らして風が入る。
コーヒーの香りを含んだ風がリビングを一周した。

外出すると、秋晴れだった。
春にも似たあたたかさに、冷たくこわばっていた体が溶けてゆくよう。

街路樹のある道には、落ち葉の甘い香りがただよっていた。
深呼吸して肺いっぱいに空気を入れる。

自分の体も空気を入れ替えるように、リフレッシュできれば良いのに。

夕方前の帰り道、八百屋の店頭で梨を手にした。
実はあまり好きではない。
でも今日はあたたかいからか、喉が水を欲したのだ。

白には神聖なものが宿っていると思う。
夕飯のデザートにするため、くし切りに切っていく。
梨の、水をたたえた白い表面をじっと見つめていると、
無心を装いながらも、わずかにある意識を吸い込まれそうになる。

無意識と意識の間で今日も揺れている。
習慣と能動の差は、自分以外から見ればきっと変わりない。

暗くなってきた室内に明かりをつけた。
私の動く後を追って、香りがただよう。
梨が自身を香らせるのは無意識だろうか。

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