【マンガ】宇宙兄弟 小山宙哉 第31巻
オールカラー版で再読中。
心に響いた素敵な言葉を集めてみます。
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ロシアでの訓練を続けるヒビト。
極寒の地での過酷な訓練だったが、仲間たちと切磋琢磨するうちに、少しずつロシアの環境にも、人にも慣れてきていた。
そんなある日、同じく次のミッションのバックアップクルーを目指しているマクシムから、ふと問いかけられた。
「NASAをどう思ってんだ? そう簡単に許せるもんじゃないだろ」
一度パニック障害を発症したヒビトは、NASAではもう宇宙へ行く道が閉ざされている。
その現実を、誰よりもヒビト自身が理解していた。
だがヒビトは静かに首を振った。
「なんとも思ってないよ」
そして続けて、はっきりと言った。NASAのことは、今でも好きだと。
ただ、諦めただけだ。諦めきれないことのために、諦めることもあるんだよ ~南波 日々人~
NASAで宇宙に行くことは諦めた。
けれど、ムッタと一緒に月に立つという夢は、どうしても諦めきれない。
その想いだけは、どんな環境にいても、どんな国にいても、揺らぐことはなかった。
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次のミッションのバックアップクルーに選ばれるための試験が始まった。
ロシアではテストは基本的に口頭試験で、紙の試験は行われないらしい。
そして次に行われたのは、酒の席でアルコールを飲みながらの面談だった。面談を行うのはボルシュマン室長である。
呼ばれたヒビトは、室長に酒を注ごうとした。
しかしボルシュマンはそれを断った。
選ばれる側の者が注いだ酒には、不要な含みを感じてしまうという。
人を選ぶ立場にあるボルシュマンは、何よりも公平であることを大切にしていた。
ボルシュマンは、ヒビトの過去を知っていると話す。
もちろん、パニック障害のことも含めてだ。
そしてこう言った。「知ってはいるが知ったことではない」
さらに続けて、これだけは覚えておけと前置きし、こう告げた。
もし君が月行きに選ばれなかったとしてもそれは君の過去のせいではない ~ボルシュマン~
ボルシュマンにとって、NASAでのヒビトは関係がなかった。
ロシアでのヒビト、その今がすべてだったのだ。
今の自分を見てくれている。
その言葉が、ヒビトには何よりも嬉しかった。
そして数日後、ヒビトはバックアップクルーに選ばれた。
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月での活動を続けるムッタたち。
しかし太陽フレアの影響で放射線量が増加し、船外活動は中断を余儀なくされていた。
このままではシャロン天文台の建設が進まない。
焦るムッタだったが、今はどうすることもできない。
そんな中、NASAから連絡が入る。
月での滞在日数を3〜5週間延長するという知らせだった。太陽活動を注視する必要があるためだ。
宇宙飛行士にとって地球帰還の延期は決して楽なものではない。
しかしその一方で、今回のミッション中にシャロン天文台を完成させられる可能性が広がったのも事実だった。
仲間のフィリップがムッタに尋ねた。
「シャロン天文台、やっぱ完成させたい?」
もちろんだとムッタは答える。
今回が無理でも、次のチームがきっと完成させてくれる。
それでも、できるなら自分の手で完成させて、シャロンに直接報告したいのだと話した。
その言葉を聞き、フィリップも一気にやる気に火がついた。
今度はムッタがフィリップに質問した。
なぜ宇宙飛行士になったのか、と。
実はキャプテンのエディに憧れていたのだという。
フィリップは、父がジャマイカ人、母がアメリカ人、生まれはアルゼンチン、さらにブラジルにも6年間住んでいた。
子どもの頃は、どこへ行っても「お前何人だよ?」と聞かれ、常によそ者だった。
そんな時、テレビでエディを見た。
ISSと地上の通信が長時間途絶えた事故の際、エディが発した言葉に心を打たれたのだ。
我々は孤独だ だが一人ではない ~エディ・ジェイ~
その言葉を聞いた瞬間、フィリップはエディと同じ景色を見たいと思った。
そして今、宇宙から見た地球は想像を超えるほど美しかった。
これが、エディの見ていた景色なのだ。
フィリップは思った。
俺もう "地球人" でいいや ~フィリップ・ルイス~
何人かなんて、もうどうでもいい。
この景色の前では、そんなことはあまりにも小さなことだった。

