【freee×DeepApex対談 Vol.1】なぜDeepApexはfreeeへのグループジョインを決めたのか?DeepApex代表取締役 市川 駿と取締役 小原 史明が語るM&Aの舞台裏
2026年7月、DeepApex株式会社(以下DeepApex)はfreee株式会社(以下freee)へグループジョイン(参画)しました。
これまでDeepApexは、企業のITに関する困りごとや不安をゼロにすることを目指し、情報システム部門の支援やITコンサルティングに取り組んできました。
一方で、事業が広がるほどに、より多くのお客様の期待に応えていくための組織づくりの重要性も高まっていました。
今回のfreeeへのグループジョインは、単なる事業拡大のための選択ではありません。
DeepApexが大切にしてきた価値提供のあり方を、より大きなフィールドで実現していくための意思決定でもありました。
では、なぜDeepApexはfreeeへのグループジョインを選んだのか。
そしてfreeeは、DeepApexのどこに可能性を感じたのか。
今回の対談では、DeepApex代表取締役 市川 駿と、freeeで役員を務め、現在はDeepApexの取締役でもある小原 史明に、グループジョインの背景と、両社が描く未来について話を聞きました。
本企画では、その対談の内容を全5回に分けてお届けします。
第一弾となる今回は、DeepApexがなぜfreeeへグループジョインを選んだのか、そして両社が互いにどのような可能性を感じていたのかを掘り下げます。
DeepApexがfreeeへグループジョインした背景
Q. DeepApexがfreeeへグループジョインする前にそれぞれが抱えていた「課題や悩み」は何だったのでしょうか?

市川
DeepApex側の一番大きなボトルネックは、やはり「採用面」でした。
ありがたいことに、去年(2025年)は本当に多くのお客様から引き合いをいただいたのですが、弊社のようなベンチャー企業だとITコンサルタントの人材採用がどうしても追いつかず、せっかくお声がけいただいたのに「すみません、今はリソースがなくてお受けできません。」とお断りせざるを得ない局面が何度もありました。
困っているお客様が目の前にいるのに、自分たちのリソース不足でお断りしなければいけないもどかしさや悔しさ。
これが本格的にグループ化を検討し始めた一番最初のきっかけです。
そこから検討を進める中で、理由は大きく3つに整理されました。
1つ目は採用課題の解決と加速。
2つ目はお客様の基盤をより広げていきたいという想い。
そして3つ目は、今いるメンバーやこれから入ってくれる社員が、より安心して働ける安定した経営基盤の会社にしていきたい、ということでした。
この3つを同時に、かつ最速で解決するための手段がfreeeへのグループジョインだったんです。
小原
freee側にも、プロダクトの進化に伴う明確な課題感がありました。
私たちは2012年から会計ソフトを中心にスタートした会社ですが、スモールビジネスの経営課題に向き合う中で、提供するサービスも人事労務や人事評価などプラットフォームとしてどんどん増えてきました。
一方で、プロダクトを増やすだけでは解決できない「お客様のリアルな悩み」が浮き彫りになってきたんです。
特に最近はAIの登場もあって、テクノロジーは進化していますが、中小企業のお客様からは「そもそも何から手をつけていいか分からない」「自社にそれを扱える専門のIT人材がいない」という声をものすごく多くいただくようになりました。
freee単体では手が届かない、お客様の「上流の業務設計から泥臭く課題を解決する伴走支援」。
それを高いレベルで体現し、企業のITの困り事をゼロにしているDeepApexは、私たちがまさに求めていたソリューションでした。
なぜfreeeへのジョインだったのか
Q. 課題を解決する方法は他にもあったと思いますが、なぜ数ある選択肢の中から「freeeへのグループジョイン」という形を選んだのでしょうか?
市川
自社単体での採用や拡大にこだわっていると、どうしても時間がかかってしまうと思ったんです。
グループジョインという形を取ることで、その時間を圧倒的に短縮できると考えました。
じゃあ「なぜfreeeだったのか」という点ですが、実は多くの企業様からお声掛けをいただいていました。
その中でfreeeが良いと確信したのは、ミッションやバリューの向いている方向性が、驚くほど似ていたからです。
昨日もうちのバリューを見返していたのですが、一番最初に『お客様へいかに価値を提供できるかを常に考える』と書いてあります。
freeeでも『マジ価値(本質的な価値提供)』を一番強いワードとして大切にされていますよね。
ターゲットとしているお客様の層も300名前後のSMB(中小企業・中堅企業)という中心地が完全に一致していましたし、カルチャーの親和性が高かったのが最大の決め手です。

小原
私たちもミッション・カルチャーへの共感は本当に大切にしています。
スモールビジネスの方々に対して、しっかり『マジ価値』を届け切るというのは、その姿勢を本気で体現している会社じゃないと絶対にできません。
単にシステムを導入して終わりではなく、経営者のビジネスモデルを理解した上で上流から業務を設計し、泥臭く課題を解決しにいくDeepApexのスタイルは、まさに私たちが求めていたものでした。
スタート地点と目指す山が同じだからこそ、組む意味があるなと強く感じましたね。
採用、顧客基盤、経営基盤⋯DeepApexが抱えていた課題と、スモールビジネスの本質的な課題解決に向き合いたいfreeeの想い。
両社の課題意識と目指す方向が重なったことが、今回のグループジョインにつながりました。
次回は、freeeへのグループジョインによってDeepApexの支援領域がどのように広がっていくのか、そしてITコンサルタントにとってどんな挑戦機会が生まれるのかを掘り下げます。
