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Shoreline Mafiaとは何者か?

Shoreline MafiaはいかにしてLAのストリートから再起し、シーンを揺るがすのか

ウェストコースト・ヒップホップシーンに彗星の如く現れ、そのリアルなリリックと中毒性のあるサウンドで一世を風靡したShoreline Mafia。彼らはLAのストリートカルチャーを体現し、若者たちから熱狂的な支持を得た。しかし、成功の裏でグループは解散という道を辿る。だが、メンバーそれぞれのソロ活動を経て、彼らは再び集結。成熟と新たな決意を胸に、「兄弟」としての絆を再確認し、シーンの最前線へと帰還を果たした。この記事では、メンバーの生々しいインタビューに基づき、Shoreline Mafiaの結成から解散、そして再結成に至るまでの軌跡、彼らがLAヒップホップシーンに与えた影響、そして未来への展望を掘り下げていく。



LAのストリートが生んだ異端児:Shoreline Mafiaの誕生と初期衝動

Shoreline Mafiaの物語は、LAのストリートカルチャー、特にグラフィティシーンと深く結びついている。OhgeesyとFenix Flexinが出会ったのは2010年か2011年頃、タギング(グラフィティ)を通じてだったという。彼らは同じファッションセンス、グラフィティ、スケートボードといった共通の趣味を通じてすぐに意気投合した。グループ名「Shoreline Mafia」の「Mafia」の部分は、彼らが敬愛するThree 6 Mafiaから取られ、「Shoreline」は「波が始まるところ」、つまり彼らが「wavy(イケてる、ノリが良い)」であることに由来する。

彼らの音楽は、初期からThree 6 MafiaやChief Keefといったアーティストからの影響を色濃く受けていた。しかし、単なる模倣ではなく、LAのリアルな日常 ――ドラッグ、パーティー、ストリートライフ―― をフィルターを通して表現することで、独自のスタイルを確立していった。Ohgeesyは「俺たちはグラフィティを通じて出会った。俺たちが育った頃のLAのグラフィティシーンは、本当に主要なものだった。ストリートにいれば、グラフィティをやるかギャングになるか、みたいな感じだった」と語り、その環境が彼らの音楽の根底にあることを示唆している。Fenix Flexinもまた、幼少期にMS-13の縄張りでグラフィティを描けば手を切り落とされるという噂に怯えていたエピソードを明かし、危険と隣り合わせの環境で育ったことがうかがえる。

彼らの音楽は、こうしたストリートのリアリティと、若者特有のエネルギー、そしてどこか享楽的な雰囲気が混ざり合い、多くの若者の心を掴んだ。最初のツアーは2018年頃で、Ohgeesyは「その時からずっとツアーを続けている。別々に活動していた時でさえ、成功したツアーをやっていた」と振り返る。ファン層も幅広く、Ohgeesyは「俺のショーには子供たちも来るし、その親も来る。40代の人もいる。あらゆる年齢層だ」と語っており、彼らの音楽が特定の層だけでなく、広範なリスナーにアピールしていたことがわかる。

Shoreline Mafiaの初期衝動は、まさにLAのストリートそのものだった。飾らない言葉で日常をラップし、仲間たちとの絆を歌い、時には無軌道なまでのエネルギーを爆発させる。そのリアルさが、彼らをシーンの異端児として際立たせ、熱狂的なフォロワーを生み出したのだ。


成功、軋轢、そして解散:栄光と苦悩の中で見つけた個々の道

Shoreline Mafiaは瞬く間に成功を掴んだが、その栄光の裏では徐々に軋轢が生じ始めていた。グループが最初に解散した理由について、Fenix Flexinは「クリエイティブな面での違い、お互いのビジョンが異なっていたこと、そして周りに多くの人がいたことだ。最初は意見が多すぎて、エゴも絡んでいた」と語っている。さらに、「周りのみんなの意見を考慮に入れていたんだけど、みんなドラッグでめちゃくちゃだった。だから、30人分くらいの意見が耳に入ってくるような状態だった」と当時の混乱ぶりを明かしている。Ohgeesyも同様に、「俺たちが若かった頃は周りに100人くらいいた。それはつまり、たくさんの異なる人々の意見やエゴが入り混じっていたということだ」と述べ、多くの人間が関わることで問題が複雑化したことを示唆している。

成功は多くのものをグループにもたらしたが、同時にプレッシャーや誘惑も増大させた。特にツアー中の経費問題は深刻だったようだ。Ohgeesyは、初期のツアーでメンバー以外の人間も同行し、経費がかさみ、最終的に手元に残った金額がわずかだった経験を語っている。「ツアーで稼いだ金が40万ドルだったのに、諸経費や超過料金とかで、俺たちの取り分はそれぞれ1万ドルくらいだった。60日間も家を離れてこれかよって。家で1週間で稼げる額だと思った。もう二度とこんなことはしないと決めた」と、当時の不満を露わにしている。この経験が、後のメンバー構成の見直しや、Rob ViciousやMaster Katoをツアーに帯同させなくなった理由の一つになったと彼は語っている。

解散後、メンバーはそれぞれソロ活動へと移行する。Fenix Flexinにとってソロ活動は「仕事のように感じた。スタジオに行くのが9時から5時の仕事みたいだった」と語り、グループとは異なるプレッシャーがあったことをうかがわせる。しかし、この期間は彼にとって精神的な成長の機会でもあった。「ソロになって良かったのは、自分のメンタルヘルスに取り組むようになったことだ。それまでメンタルヘルスなんて知らなかった。一人で過ごす時間が長かったから、ワークアウトしたり、ポジティブなことをしたり、食事に気を遣ったりした。コロナ禍だったから他に選択肢もなかった」と振り返っている。

Ohgeesyもソロ活動について、「自分のラップにこれまで以上に向き合っている。自分自身と調和していて、より集中している。目標があるんだ。達成したい目標がたくさんある」と語り、ソロアーティストとしての自覚と向上心を示している。彼はソロプロジェクトを「本当の仕事日のように扱っている。スタジオには誰も入れず、集中して目標に取り組んでいる」と述べ、よりストイックな制作スタイルを確立したようだ。

解散とソロ活動は、Shoreline Mafiaのメンバーにとって試練であったと同時に、個々のアーティストとしての成長を促す重要な期間となった。彼らはそれぞれの道で苦悩し、学び、そして新たな視点を得た。この経験こそが、後の再結成をより意味のあるものにしたと言えるだろう。


再び集結した「兄弟」:Shoreline Mafia復活の舞台裏と成熟

一度はそれぞれの道を歩み始めたShoreline Mafiaのメンバーだが、彼らの間には断ち切れない絆が存在した。再結成のきっかけについて、Fenix Flexinは「結局のところ、俺たちは兄弟なんだ。昔からの仲間と久しぶりに会うようなものさ。一緒にいると、ただただ雰囲気が完璧なんだよ。『またこれをやらなきゃ』って感じだった」と語り、自然な流れでの再合流だったことを強調している。Ohgeesyも「俺たちは実生活でも本当に兄弟みたいなもんだ。誰かと本当に強い絆で結ばれていれば、音楽活動とは別に、他の側面でも話せる相手がいることは間違いなく新鮮だ」と述べ、互いへの信頼感が再結成の原動力となったことを示している。

具体的な再結成の話し合いは、寿司屋で行われたという微笑ましいエピソードもある。Ohgeesyは「最初に集まったのは、寿司屋だった。俺とブロ(Fenix)とベンジー(マネージャー)で、パズルのピースを組み合わせ始めたんだ。アイデアを出し合って、どう進めていくべきか話し合った。それが全ての土台となった」と明かしている。そしてスタジオに入ると、すぐに「マジック」が起こり、最初の曲「Heat Stick」はゴールドディスクを獲得するほどのヒットとなった。Fenixは「離れていた時間が、俺たちを本当に成熟させてくれたと思う。自分自身から音楽まで、あらゆる面でね」と語り、この再結成が単なる過去の再現ではなく、成長を経た上での新たなスタートであることを示唆している。

再結成後の彼らは、明らかに以前よりも成熟した姿を見せている。過去の失敗から学び、コミュニケーションの重要性を再認識したようだ。Fenixは「コミュニケーションが格段に良くなった。昔は周りの意見を気にしすぎていたけど、今は違う。多くの友人を失ったし、俺たちも成長したんだ」と語る。Ohgeesyも「今は二人とも本当に良い精神状態にあるから、音楽も良くなっている。二人が一つの目標に向かって進むことで、物事が2倍の速さで、2倍の大きさで実現していくんだ」と、現在のポジティブなマインドを強調している。かつて多くの人間が関与し混乱を招いた反省から、現在は周囲の人間を絞り、より集中できる環境を整えている。

ソロ活動とグループでの活動の違いについて、Fenixは「ソロでの作業はもっと仕事っぽく感じる。でも一緒にやると、自然に流れていく。簡単で楽しいんだ。彼が何か言ったら、俺がそれに乗っかる。お互いを高め合っている感じだ。時にはお互いの文章を完成させることさえある。まるで双子みたいだ」と、グループでの化学反応の楽しさを語っている。Ohgeesyも「プレッシャーがない。簡単なんだ」と同意する。

彼らは過去の経験を糧に、より強固な絆と成熟した視点を持って再始動した。それは単なるカムバックではなく、Shoreline Mafiaというコレクティブが新たなフェーズへと進化したことを意味している。ファンは、彼らが再び生み出す「マジック」に大きな期待を寄せていることだろう。


LAヒップホップへの刻印と未来:Shoreline Mafiaがシーンに与える影響と次なる航海

Shoreline Mafiaの功績は、単にヒット曲を生み出したことだけに留まらない。彼らはLAのヒップホップシーン、特にヒスパニック系コミュニティや若手アーティストに計り知れない影響を与えてきた。Ohgeesyは「俺たちはヒスパニックのラップミュージックを変えたと思う。ドアをぶち破ったんだ。人々がそれを聞きたがらないかもしれないけど、俺たちはゲームを変えたんだ。スタイルからサウンド、全てにおいてね。俺たち以前は、あんな風にラップしようとするやつなんていなかった。でも今は、どこにでも100人くらいラッパーがいる。俺たちは多くの人々にインスピレーションを与えたんだ」と自負を込めて語る。実際に、彼らの登場以降、LAからは多くのヒスパニック系ラッパーが台頭しており、その道筋をShoreline Mafiaが切り開いたと言っても過言ではない。

その影響力は音楽シーンだけに留まらず、ファッションやカルチャーシーンにも及んでいる。Supremeとのコラボレーションはその象徴だ。Ohgeesyは「Supremeのルックブックのモデルをやらないかと話があった時、何かリリースしないわけにはいかないと思った。だから『Heat Stick』をドロップしたんだ。Supremeのためにキャンプアウトして商品を買おうと必死だった頃から、モデルをやるなんて夢のようだ」と語り、ストリートブランドの頂点からの評価が彼らにとって大きな意味を持つことを示している。Fenixも「Supremeは誰とでも仕事をするわけじゃない。彼らは本当にセンスがいいんだ」と付け加える。

現在のLAのラップシーンについて、Fenixは「新しいドリル系のシーンがあって、若い世代はそれに夢中みたいだけど、俺はすごくネガティブだと感じる。もっと楽しむべきだ。人々は楽しむことを恐れている。俺たちはパーティーミュージックを作る。ヴァイブできる音楽を作る。それが俺たちを他と区別するんだ」と述べ、自分たちのスタンスを明確にしている。彼らはトレンドに流されるのではなく、自分たちのルーツである「楽しむ」ための音楽を追求し続ける。

グローバルな視点も彼らの特徴だ。Ohgeesyは「俺たちのインスピレーションは世界中から来ている。だからウェストコーストのビートでラップしていても、その日アトランタの音楽を聴いていれば、その要素が入ってくる」と語り、様々な地域の音楽を吸収し、自分たちのサウンドに取り込んでいることを明かした。また、他の地域のアーティストとのコラボレーションの重要性も認識しており、「それは失われたゲームのアートのようなものだ。人々はお互いに愛を示したり、受け入れたりすることを好まない。だから多くのキャリアが停滞しているんだと思う」と指摘している。

メキシコのスーパースター、Peso PlumaがShoreline Mafiaからの影響を公言し、ライブで共演したことは、彼らの影響力の広がりを証明する出来事だった。Ohgeesyは「彼が俺たちをリスペクトしてくれて、俺たちを見て育ったと言ってくれたのはクレイジーだ。俺とFenixは、自分たちより偉大な人々、これから偉大になるであろう人々にインスピレーションを与えてきたんだ」と、その感慨を語っている。

再結成後の彼らは、Coachellaへの出演やニューアルバム「Back In Bidness」のリリースなど、精力的に活動している。父としての顔も持ち、精神的な成熟は音楽にも反映されているようだ。Fenixは「世界にはネガティブなことが多すぎる。人生は短いし、良いものだ。健康で、良い場所にいて、屋根があって、寝るベッドがあって、冷蔵庫に食べ物があるなら、人生を楽しむべきだ」と、ポジティブなメッセージを発信する理由を語っている。

後進へのアドバイスとして、Ohgeesyは「自分らしくいること。自分に忠実でいること。そして一生懸命努力し、粘り強く続けること。諦めるな」と語り、Fenixは「ディールをオファーされたら、すぐにサインするな。もっと自分を売り込め。もし彼らがすでにオファーしてきているなら、それは君にポテンシャルがあるということだ」と現実的な助言を送っている。

Shoreline Mafiaの次なる航海は始まったばかりだ。彼らの目標は「再びカルチャーを動かし、より多くの人々にインスピレーションを与え、このライフスタイル全体(グラフィティ、スケートボード、ファッション)に人々を興奮させること」。彼らはLAのストリートから生まれ、一度は離れ離れになりながらも、より強く、より成熟して再び集結した。その物語と音楽は、これからも多くの人々を惹きつけ、ウェストコースト・ヒップホップシーンに新たな波を起こし続けるだろう。


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