REASONのビーフ観
ヒップホップにおける「ビーフ」(アーティスト間の論争)は、時に深刻な対立に発展することもあるが、ラッパーReasonはそれをあくまでエンターテイメント、そしてラップスキルを競い合う場として捉えているようだ。彼が過去にラッパーLogicとの間で経験した一連の出来事は、そのスタンスをよく表している。
事の発端は、Reasonが自身の楽曲の中でLogicに言及したことだった。Reason自身はそれをディスとは捉えていなかったが、Logic側はそう受け取り、TwitchでReasonを軽んじるような発言をしたという。これに対しReasonは、一人の人間として直接Logicに連絡を取り、話し合いでの解決を試みた。しかし、そのダイレクトメッセージはLogicに読まれたものの、無視されてしまった。さらにLogicは、その後もライブ配信などで同様の言動を繰り返したという。
この状況を受け、ReasonはLogicに対して公式なディス曲をリリースすることはなかった。その理由として彼は、「まるで自分がいじめている相手と喧嘩するようなものだ」と感じたからだと語る。つまり、相手にする価値がない、あるいは格が違うという認識があったようだ。
しかし、面白いことに、ReasonはLogicへのディス曲自体は「書いていた」と明かしている。それは、スタジオでポッドキャスト「Rory & Mal」のRory(ロリー)と冗談を言い合っている中で、「15分でディス曲を書いてみろよ、どんな感じになるか見てみたい」とリクエストされたのがきっかけだった。あくまで楽しみのため、自身の作詞能力を試すための内輪の遊びであり、公式に発表する意図はなかったという。
Reasonは、現在のヒップホップシーンにおけるビーフが、時に過剰に深刻化し、ファン同士の憎悪にまで発展することに疑問を呈している。「これはエンターテイメントであり、ラップなんだ。そんなに深刻になるべきじゃない」と彼は語る。彼にとってビーフとは、互いのスキルをぶつけ合い、リスナーを楽しませるものであり、個人的な恨みや憎しみにまでエスカレートすべきではないと考えている。Logicとの一件も、彼にとっては「そんなに深いことじゃない、ラップなんだよ」という程度の認識なのだ。
このエピソードは、Reasonがビーフという文化を、あくまでヒップホップのエンターテイメント性の一部として捉え、冷静かつ成熟した態度で向き合っていることを示している。彼の言葉は、過熱しがちなビーフの議論に一石を投じ、その本来あるべき姿について考えさせられる。
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