見出し画像

140字小説 四篇 - 挫折予定者・ほか


挫折予定者

出版社でもない当社に、小説部門ができた。社員の失敗談を顧客に配ると、売上が伸びた。そのうち失敗は、語られるものではなく、設計されるものになった。会議の最後に社長は言った。「で、次の主人公は誰だ?」人事部長が笑って、私に新しい名刺を渡した。肩書きは「挫折予定者」だった。


娘に「花」と名付けた。本当はSAP HANAから取った。由来を聞かれるたびに、私は「花のように育ってほしいから」と答えてきた。嘘ではない。そして今年、娘は小学四年生になった。S/4 HANAである。これから恋もするだろう。変な男にカスタマイズされるな。お前にはClean Coreでいてほしい。


生産性

ノーコード開発ツールが導入された。それまで会社には、業務があった。導入後、会社には、業務を入力するアプリと、アプリを管理する台帳と、台帳を更新するワークフローと、ワークフローの改善要望を受け付けるフォームができた。生産性は可視化された。なお、生産は止まった。


#140字小説

#140字小説 って、なんか川柳というか、スタンダップコメディの小噺みたいな感じになっちゃうな。起承転結を一文ずつ置いて、はいどうぞ、みたいな。もう少し文学としての香りのある、私という人間にしか書けない世界観をこの文字数でも表現したいね。そうプロンプトに打ち込んだ。

いいなと思ったら応援しよう!