文徳高校文芸部大喜利研究会ーー投稿20回記念漫才ライブ
出囃子
Creepy Nutsの「中学12年生」が軽快に流れる。
つむぎ、両手を大きく振りながら元気よく登場。

つむぎ
「どーもー!
人生、三回目悟った気分の
白井つむぎでーす!」
拍手。
つむぎ
「そして、相方!——」
つむぎ、勢いよく隣を指さす。
つむぎ
「あ?」
一拍。
つむぎ
「……あれ?」
もう一度見る。
つむぎ
「心春?」
客席、クスクス。
つむぎ
「なんでおらんねん」
つむぎ、舞台袖をのぞく。
舞台袖。
心春が半分だけ顔を出し、もじもじしている。

つむぎ
「なにしてんの?」
心春(袖から)
「……心の準備が、できてなくて……」
つむぎ
「舞台やで?」
心春
「“出る”って、
結構なイベントですから……」
つむぎ
「しゃあないなあ……」
一拍。
つむぎ
「大喜利する?」

心春
(目をキラキラさせて、全力でうなずく)
客席、笑い。
⸻
(暗転)
照明がつくと、
心春がほふく前進で登場。

つむぎ
「やす◯か!」
⸻
(暗転)
二宮尊徳スタイルの心春が現れる。

つむぎ
「相方、読書家でして。
すいません」
心春
「謝られる筋合いはないと思います」
⸻
(暗転)
キャピキャピキャンディー衣装で登場。

つむぎ
「……恥ずかしがってたよね?」
心春
「大喜利なら、構いません!」
⸻
(暗転)
顔にモザイクをかけた心春。

つむぎ
「何かやらかしたみたいやな!」
心春
「……でも、この方が落ち着きます」
⸻
(暗転)
『勝訴』の紙を掲げて登場する心春。

つむぎ
「裁判!」
⸻
(暗転)
一輪車で出てくる心春。

つむぎ
「さあ続いては、
大道芸でお楽しみください
ちゃうねん!」
⸻
(暗転)
落語家スタイルの心春。

心春
「毎度、文徳亭心春と申します。
まあ、なんですねぇ〜」
つむぎ
「漫才しろ!漫才!」
⸻
(暗転)
ピンクのセーター姿で、
胸を張りながら、ゆっくり堂々と登場する心春。

つむぎ
「それはそのまんまや!」
つむぎ
「作者がな、
“ピンクのセーターを制服で着せたら
それだけで春日みたいになって
笑いになるやろ”って
考えたみたいやけど……」
つむぎ
「今回収するな!」
心春
「トゥース」
つむぎ
「やかましい!」
⸻
つむぎ、呆れながら
「……もうね、
うちは漫才したいだけなんやけどね」
一拍。
心春、しれっと普通に舞台に出てくる。
つむぎ
「お、出てきた!」
二人、センターマイクの前に並ぶ。
二人
「どうもー!
透明ティラミスです!
よろしくお願いしまーす!」
拍手。
心春
「どうもありがとうございました」
そのまま、
一礼して帰ろうとする。
つむぎ
「待て待て待て!
どないしたん?」
心春、無言で
タイムウォッチをつむぎに見せる。

心春
「五分、経ちました。
出番終了です」
客席、爆笑。
つむぎ
「大物漫才師先生の
審査みたいなことすな!」
一拍。
心春(マイクに向かって)
「出オチの羅列で五分使う漫才は、いけませんねぇ」

(間)
つむぎ
「うぉい!
誰が言うとるねん!!」
つむぎ
「やめさせてもらうわ!」
二人
「どうもありがとうございました!」

つむぎ
「……あ、最後に一個だけ言わせて」

つむぎ
「いつも読んでくれて、
ほんまにありがとうございます」
拍手。
つむぎ
「気づいたらな、
これで投稿、20回目みたいで」
つむぎ
「正直、
ここまで続くとは思ってませんでした」
心春を見る。
つむぎ
「読んでくれてる人がおらんかったら、
うちら、
たぶん部室で止まってます」
心春
(小さくうなずく)
つむぎ
「せやからこれからも、
好き勝手やります」
笑い。
つむぎ
「でもまあ、
よかったらまた一緒に笑ってください」
一拍。
つむぎ
「ほな、これからも
透明ティラミス、
よろしくお願いします!」
二人
「ありがとうございましたー!」
