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【社長の 結婚式のスピーチだ! 伝説】

いつもの、あの社長とのエピソード。
”幻の名スピーチ事件”
余計な助言が、まさかの展開に。
ハプニング満載の社長シリーズ第8弾。


社長の会社で、ある女性社員の方との、
何気ない会話から”あの事件”を思い出した。

「もう結婚して7年目になりますよぉ」
「へぇ~ もうそんなになるの」
「7年目のなんとか~♪ は、大丈夫~?」
「いまのところ、大丈夫みたいです(笑)」

いま思えばセクハラぎりぎりの会話だった。

そのとき思い出した…”あの事件”とは…。

そういえば、あの結婚式だったなぁ…。

7年前、
その女性から社長に、
結婚式への出席とスピーチの依頼があった。

結婚式のスピーチはあまり経験がないらしく
さっそく原稿の作成を始めたらしい。

数日後、
社長が、その原稿を持参して会社に来た。

「忙しいところ申し訳ないんだが…」
「内容をちょっと見てくれないか?」

今でこそ、チャッピー君に聞けば、
かなりいい文章をだしてくれそうだが、
当時はそんな先生はいなかった (笑)

読ませてもらうと、
実に立派。模範解答のようなスピーチ。

「いいですねぇ」
「でも、よく聞くような内容ですよねぇ」

これが余計だった…。

「確かになぁ、わたしもそう思うんだよ」
「どんな感じがいいんだろうなぁ」

エピソード的なことで、
採用面接のことや、社員旅行のことなど、
そんなことを ”少し” 入れたらと言った気がする。

「 そういうのもいいなぁ... うん!うん!」


数日後、
再び持参された原稿は…。
結婚式のスピーチの領域を完全に超えて、
もはや講演会レベルだった (笑)

新婦の話題までに触れるまで1ページ!

「長いですよ!」
「3~5分くらいでいいですよ」

社長はすこし考えて言った。

「早口でしゃべれば、なんとかいけるぞ!」
(いけるかッ! 本気か?)

「しかも、エピソード入れすぎですよ…笑」

「このエピソードより、こっちがいいか?」
(どっちでもいい!削れッ!)

「この旅行のゴルフ場はすばらしかった!」

「いや、それ結婚と関係ないですよ」

「いやいや、あのフェアウェイがなぁ…」
(知らん! 編集しろッ!)

こうして、苦労して完璧な原稿に仕上げた。
(編集作業=わたし:割 社長:割)ツライ!

ここで、また余計なことを言ってしまった。

「原稿を見ないで、しゃべったら
         カッコイイですよねぇ」


「そうだよなぁ…よし!覚えてみるか!」
「この長さかぁ… なんとかやってみよう!」

イヤな予感…。(笑)

そのまた数日後、
社長の奥さんに会った。
「〇〇君、主人に変なこと言ったでしょ」

「ん?・・・・? なにをですか?」

「毎日、暗記に付き合わされて大変よ」
(イヤな予感…的中!)

なんと家で猛練習をしていたらしい…(笑)
完全にわたしのせいである…。反省した…。

そして結婚式当日を迎える。
わたしは出席しないので、成功を祈るのみ。

次の日、衝撃的なことをきいた。

新郎の上司の方が、
主賓のすばらしいスピーチをされたらしい。
(かなり長めに、ゆっくりと、原稿も見ないで)

社長曰く、この時点で緊張度MAXだったらしい。
(でも私にも、完璧な原稿がある!うん)

そして、社長の役目はーーー

乾杯の挨拶だった。しかも簡単なやつ。
ここが長いと、逆に迷惑なところだ。(笑)

白いクロスのテーブルが並ぶ会場で、
出席者たちが一斉に立ち上がる。

グラスを片手に起立している人たちをみて、
「早く座らせてあげないと…」
と、ひと言だけ挨拶して即 、

「乾杯~ッ」

あの原稿…。
一文字も使わなかったらしい。(笑)

できたなら、
最初にそう言って、依頼してあげてほしかった。
まあ、会場で酒の量が増えたのも、うん!うん!

「まあ、幸せになってくれればいいんだよ」

そう言って、笑った社長の横顔がわすれられない。

いまでも、この夫婦が幸せそうで何よりだが、
こんな苦労があったことを、
今も、あの時も、新郎新婦は知らないだろう…。

それを知っているのはーーー
わたしと社長夫婦だけである。

もし、結婚予定のある社員の方がいたら、
もう社長にスピーチは依頼しないでほしい!

わたしや奥さんのためにも…。(笑)









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