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2026年5月2日【レゾナンス_#41】突如行われた「為替介入」の違和感と、私たちが直面するインフレの真実

1. 誰もが意表を突かれた、その「タイミング」

4月30日、マーケットを震撼させる出来事が起こりました。政府・日本銀行による「為替介入」です。

少し前から介入の噂自体は囁かれていましたが、正直なところ、私自身は完全にノーマークでした。なぜなら、今回の動きはこれまでの「定石」から大きく外れていたからです。

通常、為替介入が行われるのは、短期間に急激な円安が進み、市場が過熱してパニックに近い状態になった時です。しかし、今回のドル円相場はどうだったでしょうか。160円近辺という歴史的な円安水準ではありましたが、そこに「張り付いて」安定しているようにも見えました。

「急激な変動」を抑えるのが介入の大義名分であるならば、このタイミングで動く理由は乏しいはずです。

  • 日銀会合後の沈黙: 金利据え置き発表後、円安に振れなかったのを見て動いたのか?

  • GW前の防衛策: 流動性が低下する連休中に「フラッシュクラッシュ(瞬間的な暴落)」が起きるのを避けるための予防策だったのか?

  • 未知の情報: 連休明けにさらなる円安を招くような材料を政府が掴んでいたのか?

さまざまな憶測が飛び交いますが、今回の介入にはどこか「無理やり感」が漂っています。市場との対話なしに行われたこの強硬突破が、本当に長期的な効果を生むのか。私は極めて懐疑的です。


2. 介入の効果と「歴史」が教えてくれること

介入直後、ドル円は一時155円台半ばまで押し戻されました。しかし、5月2日の終値はすでに157円付近まで戻して取引を終えています。介入で一時的に冷や水を浴びせても、マグマのように溜まった円安圧力は依然として健在です。

過去の事例を振り返ると、一回目の介入から2〜3日以内に二度目の介入が行われるケースが多く見られます。もしかすると、ゴールデンウィークの薄商いを狙い、一気に150円近辺まで円安をねじ伏せようとする動きがあるかもしれません。

しかし、歴史を紐解けば、市場の大きな流れに逆行する介入がいかに困難であるかがわかります。

「ジョージ・ソロス vs 英イングランド銀行」の教訓

1992年、イギリスのポンドが投資家ジョージ・ソロス率いるクォンタム・ファンドによって猛烈な売りに晒されました。イギリス政府は対抗策として、当時の公定歩合を10%から15%へと一気に引き上げるという、なりふり構わぬ挙策に出ました。

しかし、結果は惨敗。 どれだけ金利を上げようと、どれだけ資金を投じようと、市場の「ポンド売り」の勢いを止めることはできず、イギリスは欧州為替相場メカニズム(ERM)からの脱退を余儀なくされました。その後、イギリスは3年もの間、ポンド安の苦しみを味わうことになったのです。

現代のドル円市場は巨大ですが、例外ではありません。 日本の外貨準備高が潤沢なうちは、力技で水準を抑え込めるでしょう。しかし、その「弾薬」には限りがあります。余力がなくなる兆しが見えた瞬間、ヘッジファンドの格好の標的となり、制御不能な円安が加速するリスクは否定できません。


3. 私が「打診買い」を入れた理由

こうした不透明な状況下で、私は昨晩22時頃、156円60銭付近で米ドルを300万円ほど「打診買い」しました。

かつての私はFXにのめり込み、昼夜問わずチャートに張り付いていた時期もありました。しかし、今はもうFXからは卒業しています。単純な理由です。「眠れなくなるから」。投資は生活を豊かにするためのものであり、健康や睡眠を削るものであってはならないというのが、今の私のスタンスです。(完全にFIREしたら、また趣味として再開するかもしれませんが……。)

では、なぜ今あえてドルを買ったのか。そこには明確な「円安基調」の継続を確信させる3つの理由があります。

① 政府・日銀の「矛盾」

現在の政権は、160円を超える円安をどうしても阻止したいと考えているようです。しかし、日銀の展望レポートでは物価上昇予想を上方修正しているにもかかわらず、政策金利を据え置きました。利上げをする理由はいくらでもあったはずです。 この判断は、日銀の独立性が失われ、政治的な思惑に左右されていることを市場に露呈してしまいました。

② 80兆円の対米投資という巨大な重石

トランプ大統領の関税問題を解決するために赤澤経産大臣が、アメリカに対して80兆円規模の投資を約束しています。 これらすべてが「円売り・ドル買い」で調達されるわけではないにせよ、数十兆円規模の資金移動が発生するのは避けられません。1回の為替介入で使われる金額が約5兆円とすれば、40兆円の資金調達は「介入8回分」の円売りエネルギーに相当します。国を挙げた介入を、国を挙げたドル需要が飲み込んでしまう構図です。

③ 通貨の価値そのものの低下

為替介入という「外科手術」を行っても、病根である「日米の金利差」と「日本の国力の低下」が解決されない限り、トレンドは変わりません。場当たり的な介入は、むしろ市場の不信感を煽り、長期的には円の信頼を損なう結果になりかねないのです。


4. 変化する環境に適応する者が生き残る

今の状況を俯瞰すると、短期的には慎重なトレードが必要ですが、中長期的にはやはり「円安・インフレ」の基調は揺るがないでしょう。

私たちは今、非常に残酷な岐路に立たされています。 インフレが進む世界において、「現金(円)」だけを持っていることは、資産が目減りしていくのをただ眺めているのと同じです。株式や不動産といった「インフレに強い資産」を持っている層と、そうでない層の間で、富の格差が拡大していくのは避けられません。

進化論で知られるダーウィンは、このような名言を残しています。

「強いものが生き残るのではない。変化に適応したものが生き残るのだ」

日本人は、デフレというぬるま湯の中に30年近く浸かってきました。「物価は上がらない」「現金が一番安全」という常識が、もはや「適応を妨げる足枷」になっています。

為替介入という国家の揺らぎを、単なるニュースとして聞き流すのか。それとも、時代の変化を読み解くサインとして受け取り、自らの資産を守るために行動するのか。

恐れずに投資の扉を開き、新しい環境にいち早く適応できる人間だけが、この先の激動の時代を生き残っていくのだと私は確信しています。

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