退院した元担当患者さんとの適切な距離感は?
退院した元担当患者さんとの適切な距離感は?
医療専門職(PT・OT・STなど)にとって、退院された元患者さんとの距離感は、多くの人が一度は悩む非常にデリケートで重要なテーマですよね。「人として誠実に向き合いたい」という気持ちと、「専門職としての倫理・境界線(プロフェッショナル・バウンダリー)」の狭間で揺れるのは、それだけ目の前の患者さんに真摯に関わってきた証拠でもあります。
結論から言うと、基本は**「医療従事者と患者」という関係性を退院後も維持し、私的な境界線を越えないこと**が、結果的にお互いの身を守り、相手の自立を支えることになります。
具体的に意識したいポイントをいくつか整理しました。
1. 「治療関係」は退院後も形を変えて続いていると捉える
退院したからといって、すぐに「対等な友人」になれるわけではありません。元患者さんにとって、あなたは「リハビリを支えてくれた先生・専門家」であり、そこにはどうしても心理的な依存度やパワーバランスの偏りが残ります。
私的な連絡先を交換したり、プライベートで2人きりで会ったりすることは、相手が再び依存的になってしまったり、逆に過度な期待を抱かせてしまったりするリスクがあります。
2. 境界線(バウンダリー)を守るための具体策
連絡先の交換は原則NG(組織のルールに従う)
個人のLINEやSNSアカウントの交換は避けましょう。もし「お礼がしたい」「連絡を取りたい」と言われた場合は、「個人の連絡先はお伝えできない決まりになっているんです。でも、そう言っていただけて本当に嬉しいです」と、感謝を伝えつつ組織のルールを盾にして丁寧にお断りするのがスマートです。
偶然街で会った時の対応を決めておく
地域密着型の病院や施設の場合、スーパーや駅でばったり会うこともあります。その際は、冷たくあしらう必要はありません。「あ、〇〇さん!お元気そうですね、歩きもしっかりされていて安心しました!」と、あくまで医療従事者としての視点で短く声をかけ、長話はせずに笑顔で去るのが自然です。
手紙や近況報告の受け取り方
病院宛てにお手紙や近況報告をいただく場合は、業務の範囲内として受け取って問題ないケースが多いです。返書を出す際も、個人のレターセットではなく、必要であれば組織を通して、または次の外来受診時などに直接言葉で伝えるのが安全です。
3. なぜ「距離を置くこと」が優しさなのか?
リハビリの最終ゴールは、患者さんが**「医療者の手がなくても、自分の生活の場で自立して生きていくこと」**です。
退院後もセラピストが身近に存在し続けると、元患者さんが新しい生活コミュニティや家族との関係に完全に移行する妨げになってしまうことがあります。
「適切な距離を保つこと」は、決して冷たさではなく、相手のこれからの人生と自立を心から尊重するプロとしての優しさ(誠実さ)です。
セラピスト自身の心を守るために
患者さんへの情や humanity(人間らしさ)を大切にする素晴らしいセラピストほど、退院時の別れを寂しく感じたり、その後を心配しすぎてしまったりします。
しかし、私たちは「人生の伴走者」ではあっても、「人生をすべて背負う存在」にはなれません。自分が燃え尽きないためにも、「ここから先は、地域やご家族、そして何より患者さん自身の力で歩んでいくステージだ」と信頼してバトンを渡す意識を持つと、少し心が軽くなるかもしれません。
職場の先輩や同僚に、「こういう時、皆さんどうしてます?」とカルチャーを聞いてみるのもおすすめですよ。
最近は、スマホやSNSの普及から相手の近況が
わかりやすい時代。
あまり公にすると守秘義務違反と捉えられる。
今から15年ほど前に担当した50代の男性。
妻が居酒屋を🏮経営しているとのこと。
まだ元患者さんとの距離感を手探りしていたが、無性に元気か気になりお店に行ってみた。
妻にかくかくしかじかお伝えして、
妻が患者さんを店に呼んでくれた。
お元気そうであった。
ただ、プライベートで会うのがよいのか
分からなくなった。
人間対人間ではあるが、
治療側と治療される側、分けた方がよいかな。
深追いしない方がよいこともあると、
感じた瞬間であった。
適切な距離感はどんなだろう?
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