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副業で遭遇したマルチ商法|クラウドソーシング体験談

今となっては思い出話だが、クラウドソーシングを使っていた頃のことだ。
毎日のように案件ページを開き、条件や単価を見比べては、気になる依頼に応募していた。
単純作業から専門的なライティングまで、ジャンルはさまざま。
中には、内容がふわっとしていたり、依頼文の熱量がやけに高かったりと、読むだけで首をかしげたくなるものもあった。

そんな日々の中で出会った、ひとつの案件。
表向きはごく普通のライティング依頼に見えたが、その先に待っていたのは、今も忘れられない奇妙な誘いだった。

良さそうなクラウドソーシング案件の先にあったマルチ勧誘疑惑

きっかけは、ライティング案件への応募だった。
本契約前のテストとして、文字単価は1文字1円ほど。
「これに通れば本契約」という説明だったが、案件ページには書かれていなかった条件が後からいくつも出てくることになる。

テスト通過後、最初のweb面談は15分ほどで終わった。
ところが、そこで案内されたのは「次の面談」の予定。
案件ページには書かれていなかったと、不思議に思いながらも、指示通り数日後に2回目の面談を受けた。
このとき、“偉そうな”雰囲気の人物が登場し、ライティングだけでなく動画制作もやってみないかと勧められる。

動画のテスト案件を提出すると、また面談。
3回目の面談では「いろいろな仕事に挑戦したい」と伝えたのだが、その返事はコンテンツ販売の紹介だった。
さらに別枠で詳細説明を受けるよう勧められ、4回目の面談が設定される。

詳細説明では、マーケティングの“コツ”と称して当たり前のことを並べ立てたあと、
「コンテンツを紹介して」「売上の○割を」「さらにその相手が売れば△割を」という説明が始まった。
そして、活動を始めるには専用マニュアルの購入が必要だと言われた。
その仕事をするためにまず出費しなければならないというわけだ。

その瞬間、心の中で突っ込んだ。
これは、マルチ商法じゃないか。

結局、その場で参加を断った。

ところが後日、別の案件に応募したところ、行きついた先はまた同じコンテンツ販売だった。
応募者の管理は杜撰で、内部調整もせず応募者本人に断らせる運営体制。
広く根を張っている割に、驚くほど雑な仕組みだった。

今となっては笑い話だが、面談に4回も時間を取られたのはさすがに無駄だったと思う。
副業を探している中で、特商法で規制されるようなグレーなマルチ商法に関わりたいとは思えなかった。

副業サイトで体感したクラウドソーシング型マルチの落とし穴

この経験をきっかけに、副業サイトの内外に潜む落とし穴を意識するようになった。
案件ページに書かれていない条件、何度も繰り返される面談、本筋とは関係のない方向へ誘導される展開。
一度経験してしまえば避けられるかもしれないが、初めてのときは見抜きにくい。

そうした現場での感覚や、実際に遭遇した事例を整理してまとめたのが
『副業サイトで踏み抜く30の罠 副業初心者が知らない“案件・仕組み・文化”の地雷図鑑』 だ。
副業サイトで遭遇しやすい落とし穴を30のパターンに分け、外部で待ち受ける勧誘や詐欺まがいの話まで、実例をもとに整理している。

今回、内容はそのままに、表紙デザインを一新。
より雰囲気が伝わりやすく、初心者にも手に取りやすい装いにした。

詳細は Kindle版『副業サイトで踏み抜く30の罠』 からどうぞ。

副業のチャンスとマルチ商法リスクの境界線

副業は、チャンスと罠が同じ場所に潜んでいる。
案件の募集文や契約条件だけでなく、その先に続く道筋にも気を配らなければならない。
見えない先に罠が仕掛けられていることもあれば、危ないことに関わってしまうリスクもある。

今回の話は極端な例かもしれないが「そんなことがあるのか」と思った時点で予防線は張れる。
知らずに踏み抜く前に、心の片隅に置いてほしい。


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