中澤晶洞に行って、遭難しかけた話

※注意
山に入る際は、必ず登山届を提出し、十分な装備を整えてから行動しましょう。


子どものころから、石や宝石が好きだった。
そんな私が去年の夏、ふと思い立って向かったのが「中澤晶洞」だった。

きっかけは「瑠璃の宝石」というアニメを観たことだ。
そういえば最近、石を取りに行っていないな。
軽い気持ちで、探検に行ってみようと思ってしまった。

中澤晶洞は、滋賀県の湖南アルプス、太神山と呼ばれる場所にある。
過去には6kgを超えるトパーズが出たこともあるらしい。

それまで私が行っていた採石地は、
長野の獅子岩や神奈川の渋沢鉱山など、
GPSが入り、人の気配もある場所ばかりだった。

だから今回も、
「まぁ何とかなるだろう」
という、今思えばとても危険な判断をしてしまった。


最初の判断ミスは、駐車場所だった。

駐車場が見当たらなかったため、
川沿いのキャンプ場の道路脇に止めて早々に車を降りてしまったのだ。

結果、山に入るまでだけで、40分近く歩くことになった。

そこからが本番だった。

晶洞までの道のりは、約4km。
しかも、ほぼずっと登り。


第二ゲート

途中までは舗装された道路だったが、
第二ゲートを過ぎたあたりから様子が変わってきた。

道には木が倒れ、
根っこが足を引っかけてくる。
舗装は次第に怪しくなり、
やがて完全に消えた。


その先に現れたのは、
体感で30度近くありそうな、急な下り坂。

「これ、本当にみんな通ってるの?」
そう思わずにはいられない険しさだった。


この先がくだんのところだったが、写真に撮るのを失念していた。

幸い、赤いテープで最低限の道しるべはあった。
それでも、普通に遭難しそうだと感じるレベルだった。

途中、道が二股に分かれる場所があった。
一方は登り、もう一方は枯れた川。

「最悪、枯れた川なら戻れるだろう」


そんな安易な判断で、枯れ川の方へ進んだ。
結果的に、それが正解だったのは運が良かっただけだ。


さらに悪いことに、途中で飲み物が尽きた。
道に目印をつけるためのものも、途中でなくなった。

進むべきか、引き返すべきか。
かなり迷った。

それでも、
「次の尾根だけ確認して、無理そうなら戻ろう」
そう決めて進んだ先に、晶洞があった。


急斜面の上にあるので、写真を撮るのすらままならなかった

結局、手に入ったのはクズ石ばかりだった。
成果としては、ほとんど何もない。

それでも、
とにかく 生きて帰ってこられたこと が、
何よりだった。

今振り返ると、
あのときの行動はかなり命がけだったと思う。

採集や探検は楽しい。
でも、それは無事に帰ってきてこそだ。

この経験以来、
山に入るときの準備と判断には、
以前よりずっと慎重になった。


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