小さな春を見つけた夕方
気分転換がしたくて、夕方、家族で家の近くを散歩した。
家のそばには野道があって、犬の散歩をしたり、ちょっと歩きたいときにちょうどいい場所がある。
春になると、花や草が道を彩って、歩くだけでも気持ちがいい。
娘たちはそんな何気ない野道を「トトロの森」と呼んで、楽しそうにはしゃぎだす。
娘たちの声を聞きながら歩いていると、小さな赤いテントウムシが目に入った。

白っぽいふわふわした草の先に、ちょこんととまっていて、思わず足を止めた。
こんなまんまるのテントウムシを見たのは、なんだか久しぶりな気がした。
スペインに来てから、あまり見かけない気がしていたけれど、もしかしたら慌ただしい日々の中で見落としていただけなのかもしれない。
毎日のことに精一杯だと、足もとにある小さな景色にも気づかずに過ぎてしまう。
でも、その日は立ち止まれた。
小さな赤い姿を見つけただけなのに、少しだけ気持ちが晴れやかになった。
なにげない家族との夕方散歩。
けれど、そんな時間の中に、ちゃんと春のあたたかさがあった。
この日は、まんまるのテントウムシが、そんなことを思い出させてくれた。
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