【鉄道旅】カリフォルニア縦断Amtrak旅行(ロサンゼルス→サンフランシスコ)
どんどん鉄道の話ばかりになってきている気もするのですが、アメリカ唯一の全国的鉄道システムであるAmtrak(Coast Starlight)を利用して、ロサンゼルス→サンフランシスコ間を乗車してきましたので、簡単に乗車記をまとめたいと思います。長編になってしまいましたので、時間がある際にお読みくださいませ。
Amtrakとは?
Amtrakの概略・歴史
Amtrakは、全米鉄道旅客公社(National Railroad Passenger Corporation)の通称で、「America」と「Track」からなる造語です。アメリカはご存じのとおり自動車社会のため、旅客鉄道は歴史的にみて大きく衰退した過去があり、長距離旅客輸送を行う会社を1つに統合してできたのがAmtrakです。
近距離の郊外路線は別にそれぞれの地域で運用されていますが、全国的な長距離の旅客輸送を担うのは、米国ではAmtrakただひとつです。日本に例えると、(私は生まれていないのですが)国鉄に若干近いような立ち位置ではあると思います。

「JR貨物」の逆
よくAmtrakは、JR貨物の逆と説明されることがあります。
JR貨物というと、自前の線路をあまり持ちません。例えば、首都圏近郊でいうと武蔵野線などでよく見かけますが、武蔵野線はJR東日本が保有しており、それをお借りして走るのが貨物列車になっています。なので、線路使用料も払っています。鉄道用語では「第二種鉄道事業者」と言ったりしますね。
アメリカでは、線路の所有はほとんどが貨物列車を運行する会社が行っています。AmtrakはワシントンD.C.~ニューヨーク~ボストン間を結ぶ北東回廊(Northeast Corridor)のうちの大部分を自社で保有する一方、他のほとんどの路線については、自社では線路を保有せず、保有する貨物列車から(一定の金銭のやり取りはあるようです)お借りして、旅客列車を走らせています。ですので、「線路は持たないけど借りて自社の車両を走らせている」という点でJR貨物と共通し、載せているものが人か貨物かという点で異なるということになります。逆なのか裏なのか、よくわかりませんが、こうした点を「JR貨物の逆」と表現しているようです。
西海岸を結ぶ「Coast Starlight」
Coast Starlightとは
Coast Starlight号はカリフォルニア州南部のロサンゼルスとワシントン州シアトルを結ぶAmtrakの便で、上りと下りが1日それぞれ1便ずつ西海岸を駆け抜けています。カリフォルニア州内で言いますと、ロサンゼルスとサンフランシスコ(には直接行かず近くのEmeryvilleに停車し、そこから連絡バスで移動)を乗り換えなしで結ぶ唯一の便でもあります。
ロサンゼルス~シアトルは所要時間約35時間で、ロサンゼルスは朝9時台に出発して、シアトルには翌日19時台に到着します。
(サイトにあるこんなきれいな景色どこで見られるの?とは思いますが、オレゴン州内なのかな?)
簡単に車内設備をご紹介
このCoast Starlight号は「Superliner」と呼ばれる車種になっていまして、2階建ての構造になっています。2階に席があることが多いので、結構景色はいいです。
車内設備ですが、座席タイプは、CouchとRoometteの2種類があります。今後、Roometteについては別記事で取り上げたいと思っているのですが、前者が一般席(2+2)で、後者はほぼ個室のようなつくりです。座席については、米国人仕様で、かなりゆったり作られていて、ピッチ的にはグランクラスくらいはいいすぎでも、グリーン車よりも広いかなってくらいです。
そのほかには、食堂車(Diner:Roometteの人は追加料金なしで朝昼晩と付いてきます)や売店、もちろんトイレもありますし、シャワーもあります。
また、展望座席(Lounge)は自由に座ることができ、車窓を楽しむこともできます。
Coast Starlight乗車記
実際に昨年12月の下旬にロサンゼルス→サンフランシスコで乗車してきましたので、その時の乗車記をつらつらと書いておきます。正直、他の方も多くレビューされているのですが、ご参考になれば幸いです。
ロサンゼルスのユニオンステーションから
今回は、ロサンゼルスのユニオンステーションから乗車します。大谷翔平の壁画で有名な「Miyako Hotel」に宿泊し、そこから歩いて向かいました。

個人的にはトラブルに遭わなくてよかったなという感じの雰囲気が若干悪い道のりでしたので、UberかLyftをおすすめします。

ユニオンステーションの中は教会みたいな感じになってまして、チケットを見せたら、この囲まれている待合スペースで座ることができます。

この画像にある右側の電光掲示板に発車する列車の情報が出るのですが、だいたい数分から数十分前に乗り場が発表されます。ホームで待つ人を減らすためとかいろいろ言われていますが、今回は発車20分前くらいに発表され、そのホームまで行きます。
ホームに着くとこういう車両が止まっていました。前から撮れずだったのですが、尻切れみたいになった2階建て車両です。

今回はCouch席に乗ることにしていたのですが、Couchは自由席でして、ホームへついたものの、どの車両から乗ればいいの?となります。先ほど述べた東海岸の北東回廊(Northeast Corridor)は完全に自由席なんですが、Coast Starlightは若干自由席ではなく、行先によって乗客を固めるということをします。なので、とりあえず適当にCouchの車両に並んだんですが、「お前はあっちの車両」と言われ、違う車両に並びやっと乗れました。あてずっぽうで並ぶのが正しいのかは正直よくわかりません。
私の隣の人も同じEmeryvilleまでで、近くの座席にはその前の駅であるOaklandやもう少し先のSacramentoのお客さんが着席されていました。
(余談)ロサンゼルスの発音問題
めちゃくちゃ話の脱線なのですが、日本では「ロス」と略しますが、アメリカでは「LA」と略し、「ロス」では通じません。加えてですが、Los Angelsの発音がマジで難しい。ネイティブに冬休みどこ行くの?と聞かれ「ロサンゼルス」と答えて通じなく、「LA」と言ってやっと通じるということもありました。
どうやって発音すんねん?と思っていたところ、Kevin's English RoomさんのShort動画に出会いまして、これ、マジで通じると思って感動しました。「螺旋状です」のイントネーションでいうと、通じるっていう話ですが、興味があればご覧ください。
海岸沿いを走る
無事出発し、ロサンゼルスの街中を駆け抜け、その後、岩に囲まれた地域を通り、それを抜けると最大の見どころの海岸沿いを走る区間へ進みます。


たまたま席が隣だった後述するおじさんと展望座席で横になったのですが、遠くに見える小島を指して「あれは日本か笑」と言われたりもしました。
ずっと乗りっぱなしなの?
だいたい12時間列車で移動したという話をすると、「ずっと乗りっぱなしなんですか?」とよく聞かれるので、お答えすると、「リフレッシュタイム」があります。そこそこの主要駅に停車するときに車掌さんが車内アナウンスで「この駅には何分まで止まるので、タバコとか吸ってもいいよ」と案内されます。車内は禁煙である一方、駅ではいくらでも吸えるので、喫煙者の方が多く降りられますが、誰でも駅に降りるのことは可能です。乗り遅れにだけは注意が必要で、車両の近くにいると、発車間際に合図がありますので、最低でもそれは聞き逃さないようにしましょう。

海を離れ平原地帯へ
その後は、海を離れて平原地帯へ進みます。牛が放牧されているのを眺めながら、ヴァンデンバーグ宇宙軍基地(Vandenberg Space Force Base)を通過します。このあたりは、一部電波が通らない地域になります。
サンルイスオビスポ駅(San Luis Obispo)を過ぎたあたりで、個人的おススメポイントのくねくねしながら高度を上げていくエリアに入ります。曲がっているので、先頭車もみることができたりして、列車に乗ってる感を味わうことができます。

その後は、基本的にはなだらかな谷をハイウェイに並行して進むあまり変わり映えのない景色が続きます。
おなかがすいたので売店で軽食を購入
ロサンゼルスに来る前に1泊したサンノゼで若干暴飲暴食をしてしまいまして、お昼を抜こうかなと思っていたのですが、日が傾いてきた頃、おなかがすいてきて売店へ向かいました。
ぼったくり価格なのかなと思ってましたが、正直アメリカの物価を考えると普通、むしろ安いくらいかなと感じました。

おなかをいたわるということで、パスタサラダにしました。
コーラと合わせて、小売売上税込みで13ドル強だったと思います。

このときに西側の山に沈んでいく夕日がとてもきれいでした。向かって左側はハイウェイと山、右側は平原と山という景色が長く続きます。
San Joseまで帰ってきた
そうこうしていると、気づいたらサンノゼ(San Jose)に到着です。ここまでくるとSF Bay Areaに含まれるので、結構帰ってきた感があります。サンノゼの駅ではサンノゼーサンフランシスコを結ぶCaltrainがお出迎えしてくれました。Caltrainは湾の西側であるPeninsulaと呼ばれる半島側を走りますが、AmtrakはこのあとEast Bayと呼ばれる湾の東側を走ります。

アクシデント発生
サンノゼ駅停車中にアクシデントが発生しました。車両トラブルでいつ動くかわからないと車内放送が入り、ここでストップです。ちょっと面白かったことが1つ。巡回している車掌さんに乗客がいろいろ聞いてたのですが、車掌さんは「I don't know」と連呼していて(技術スタッフが対応してるからとも言ってましたが)、日本だと謝り倒しているだろうなと思い、アメリカらしさを感じました。
フィナーレ:Emeryvilleへ
40分ほど停車し、トラブルが解消したとのことで運転再開です。その日はこのあたりから雨が降り始め、Fremontなどそこそこの都市を通るのですが、夜景もあまりきれいには見えないまま、約30分遅れで私の目的地エメリービル駅(Emeryville)に到着。バークレーはここからバスも出ていますが、着いたのが夜の10時頃だったので、Uberで帰宅です。

この駅はAmtrakが通っていないサンフランシスコへの玄関口となっており、駅にも大きく「San Francisco Connection」の文字が出ています。奥に止まっているのが、サンフランシスコのバスセンター(Salesforce Transit Center)まで行く無料シャトルバスです。
一緒になった人々
車内は基本的に治安もよく、穏やかな雰囲気なのですが、一緒になった方々を少しご紹介します。人間観察も面白いものだなと思いました。
①席が隣になったおじさん
席が隣のおじさんはテキサスから来たそうで、sisterがSan Fransciscoにいるから会いに行くんだとおっしゃってました。
Coast Starlightには、外の景色が自由に楽しめる展望車両があるのですが、そこでもたまたま一緒になりいろいろと話をしました(海岸線を見ながらの話は前述)。日本には行ったことがないが、一度は必ず行ってみたいんだ、という話をしたり、駅にたくさんある落書きを見て、「Uglyだ。日本ではああいうのはないだろう」という話をしたり。日本には新幹線があるという話にもなりまして、Coast Starlightは12時間かけてロサンゼルス~サンフランシスコを結ぶわけですが、この距離(おおよそ東京ー岡山間に相当)は新幹線であればだいたい3時間強で移動できる距離でして、日本のBullet Trainはすごいんだな、という話もしました。
先ほど述べたアクシデントの関係で、このおじさんはサンノゼで降り、Caltrainでサンフランシスコに向かいました。
②通路を挟んだところに座ってたおじさん
通路挟んで反対の人はずっと前を向いて硬直していたのですが、物思いにふけられていたのか、なんなんだろう、、、と思わずにはいられませんでした。
財務長官を務めているBessentに顔が似た感じのスラっとした方だったのですが、ごくごくたまにそのさらに横にいたおじさんと会話をする程度でそれ以外はずっと前を見つめる姿は、景色よりも鮮明に頭に残りました。
③斜め後ろに座ってたおじさん
最後に、私の斜め後ろに座っていたおじさんをご紹介しますと、Amtrakの帽子をかぶってらっしゃいました。鉄道好きの人もアメリカにもいるのだろうなぁ、と思いましたが、日本ほど鉄道が発達していない以上、希少種なのかもしれません。
最後に
ロサンゼルス~サンフランシスコ間は高速鉄道建設の計画もあるのですが、完成してもかなり遠い未来だと思われ、鉄道はこの区間の移動で飛行機には到底かなわないわけですが、旅情を楽しむという点においては、素晴らしいものだなと思いました。
