【DelaM’s Archives |苔を創る人 #01】道草・石河英作/苔テラリウム文化を切り拓いたパイオニアの軌跡
苔テラリウム界のパイオニア「道草」
石河英作氏が築いてきた文化の軌跡
苔を主役にしたブランド「道草」

苔テラリウムを趣味としている人なら、一度は「道草michikusa」という名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
代表を務める石河英作氏は、「園芸の脇役だったコケを主役にする」という想いを掲げ、2013年に道草を設立しました。
当時はまだ苔テラリウムという言葉も現在ほど知られておらず、市場も小さなものでした。
しかし作品制作だけでなく、育成方法の研究や情報発信を積み重ねることで、現在では日本を代表する苔テラリウムブランドの一つとして広く知られる存在となっています。
惜しみなく知識を共有するYouTube「道草ちゃんねる」
道草の大きな特徴の一つが、情報発信への姿勢です。
制作方法や育成環境だけでなく、レイアウトの基本や考え方まで積極的に公開し、多くの愛好家が学べる環境を作り続けています。
石河氏自身が企画・撮影・編集を手掛けるYouTube「苔テラリウム専門-道草ちゃんねる-」は、30万人を超える登録者を持つ国内最大級の専門チャンネルへと成長しました。
撮影方法や編集技術にこだわったからこそ配信される映像はとても美しく目を惹きます。
初心者はもちろん、経験者やクリエイターにとっても参考になる情報が数多く発信されており、多くの人の技術向上に影響を与えています。

人をつなぐ「苔祭り/苔の縁日」という存在


石河氏の功績は、作品づくりだけではありません。
全国各地で活動するクリエイターやショップ、愛好家をつなぎ、「横のつながり」を生み出してきたことも、大きな功績の一つです。
その象徴ともいえるのが、毎年(※大規模は二年に一回)行われている「苔祭り/苔の縁日」。
全国各地からクリエイターやショップが集まり、作品を展示・販売し、来場者と直接交流できる場として、多くの人に親しまれています。
年々規模も拡大し、苔テラリウム界隈を盛り上げるために欠かせないイベントとなっています。
このように一人で業界を牽引するだけでなく、仲間とともに文化を育てる姿勢は、多くのクリエイターからの支持に繋がっています。
* 「青木ヶ原樹海 コケさんぽ」(2017年・2018年)
* 「北八ヶ岳 苔の森でコケと仲良くなる日」(2018年・2019年・2026年)
* 「OZAKI バーチャルコケさんぽ」(2019年)
* 「東京苔展」(2020年)
* 「東京苔展2」(2023年)
* 「苔祭り」(2024年)
* 「東京苔展3」(2025年)
* 「苔の縁日」(2026年)
研究を続ける「道草アトリエ(東京都大田区)」
石河さんの活動拠点である「道草アトリエ」では、日々さまざまな独自の研究や実験が行われています。
近年SNSで有名になったのは「苔むす石」です。
何の変哲もないただの石に、苔がむすまで毎日水を与え続けるという実験。
凡人にはなかなか思いつかない発想です。

しかし、これこそが石河さんの実験のあり方の真髄なのではないでしょうか。
常に苔を見つめ、苔から始まる何かを追い続ける石河さんの姿勢が、多くの人の賛同を集める理由なのでしょう。
また普段非公開の「道草アトリエ」では月に一度だけ販売会が行われており、直接石河さんと相談しながら材料の購入ができるイベントがあり、苔ファンにとって人気のスポットともなっています。
メディア出演が広げた苔テラリウムの世界

石河さんの活動は一般の個人ファンだけではなく世間からも注目を集めています。
その結果として、NHK「趣味の園芸」をはじめとするテレビ出演や書籍の出版など、さまざまなメディアを通じて苔テラリウムの魅力を発信する機会を得ています。
* 「部屋で楽しむ 小さな苔の森」(2018年)
* 「魅せる苔テラリウムの作り方」(2020年)
* 「はじめての苔インテリア」(2023年)
* 「部屋で楽しむ森の宝石 ジュエルオーキッド」(2025年)
* 「テラリウムで育てる植物図鑑」(2025年)
* 「小さな苔ビジネスのはじめ方」(2025年・Kindle電子書籍)
* 「もっと部屋で楽しむ小さな苔の森[増補版]」(2026年)
監修
* 「ズボラでもできた 小さな緑で心が潤うお部屋づくり 苔テラリウムはじめました」(2026年)
このように石河さんが手がけた数々のコンテンツが世間的にニッチな趣味と言われていた苔テラリウムを、多くの人が楽しめる身近な植物文化として広めることに大きく貢献いたしました。
↓石河さんの著書はこちらからご購入ください。
これから、また石河さんがどのようなコンテンツで私たちを魅了させてくれるのか非常に楽しみです。
DelaM’s編集部より
作品や発信する映像の美しさだけではなく、知識を共有し、人と人をつなぎ、業界全体を育てる。
石河英作氏の活動は、苔テラリウムという文化そのものの発展に大きな影響を与えてきました。
現在、多くのクリエイターが活躍できる土壌があるのも、こうした先駆者たちの積み重ねがあってこそです。
DelaM’sでは、これからも日本各地で活動するクリエイターにスポットを当て、一人ひとりの歩みや想いを紹介していきます。
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