40代人生暇女「じゃ、ホテル行きますか?」と言ってきた男とボルネオ島に行ってしまった話
自分でもどんなタイトルやねんと思いますが、、まぁこれがこの話の全てであります。
どうして私に会いたいのか言わない男
始まりはある日突然届いた一通のメッセージ。
「マレーシアにいらっしゃるんですよね?よかったらいるうちに一度お会いしたいです!」と書かれていた。
ん?誰やねん?知らない男だな。
聞けばかなり昔にどこかのイベントで会ったことがあるらしい。私は一ミリも覚えていなかったけど、相手は今マレーシアで仕事をしているそうな。
彼のSNSを見たけどどうにも私の琴線には触れず特に会いたいと思える要素はなかった。
それにどうして彼が私と会いたいのかがメッセージには書いていなかった。
よく私は人から怖いと言われるのだけど、それは”why?”を聞くからだと思う。なんで?どうして?根本の理由が明確じゃないと会う意味が見つけられない。会ったとしてもその場で何を言うと相手のニーズに応えられるのかがわからない。
これは完全にPRの職業病だ。ターゲットの求めるものに的確にはまるよう発信をする仕事の癖がこんなところで出てしまう。
で、理由を彼に聞いてみたけど私のSNSの投稿がおもしろかったからだという。ふーん、、、そんなふうに思ってくれる人いっぱいいるしなぁ。特に私のココ!という具体的なワードやストーリーが出てこないので強い関心があるようにも思えないし、もしかして私からPRの話を聞き出して無料コンサルしてもらおうニキなのかもしれない。そういう人が過去にもたまにいたので一気に警戒心が高まる。

とはいえ、私はひまだ。人生ひまで日本を飛び出してきて、マレーシアでもだいたいひまだ。だから特に断る必要もなかった。試しにどんな店を提案してくるのかそれで判断しようと思った。向こうが提示してきたのは5軒のレストラン。店名とGoogle mapのリンク付き。どこも値段が一人8000円以上。ミシュラン二つ星の店も入っている。唯一ピザ屋が安いくらいで正直とても選びにくいと思った。
おいしそう、食べたい!とか思うよりも前になんでほぼ知らない女と会うのにこんなに高い店を提示するんだ?金持ちなんか?あ、もしかして私が前に飲食店向けのサービスのPRをやっていてあの頃超グルメだったから今もまだ超グルメな人キャラだと思って気を遣われている?昔は高い店にばかり行ってたけど、最近はもっぱら安い店しか行かないしなぁ、、、ミシュランなんてもう何年も行ってないよ。
結局自分では選べないなぁと思ったので向こうにお任せすることにした。2万円を超えるような店もリストにあったのでそこを選ばれて向こうから誘われたのにワリカンになったらけっこう痛いなぁ、、、と思っていたけど、結局彼が選んだのはオシャレタウンにあるこじゃれた客単価1万円くらいの店だった。ごちそうしますので!とかいう言葉もないので会計がどうなるのかは結局よくわからないけど、まぁいいや。
女を口説くことができない男
当日、Grabで向かっている間に「店の場所がわかりにくいので動画を送ります!」とかなんかマメな男がするムーブをかましてきた。大変ご丁寧な人なんだな、と思った。
お互いほぼ時間通りに店に着いて初めましてじゃないけどほぼ初めましてな空気感で話を始めた。私はこいつ誰やねん?なんでワシやねん?会計どっちがするねん?のハテナだらけであとで聞けばものすごい警戒心に包まれた顔をしていたらしい。(笑) 正直、話がつまらなかったらお腹が痛くなったと言ってすぐ帰ろうと思っていた。

料理はうまかった。こじゃれた前菜で目が潤ったし、久しぶりにうまい肉を食べた。もうこの店の雰囲気だったらシャンパンだべと思って泡を飲んだ。とはいえ警戒心いっぱいだったのでお酒は2杯しか頼まなかった。酒好きの私が飲みに行って酒2杯だけなんてまずありえないから相当だ。
仕事や学校、マレーシア生活の話なんかをして2時間ほど経ってお腹いっぱいで落ち着いてきた頃、「じゃ、ホテル行きますか?」と男がサラッと言ってきた。
ん?今なんつった??
「ホテル行きますか?」
「あ、あぁ、ホテルね。や、ホテルは今日は行かないよ!だって今日は日曜日で明日学校があるし、私はもう寮に住んでいるから寝るところあるし。ホテルに行く時はチェックイン開始の2時とか早めに行ってゆっくりそのホテルでの時間を楽しむのが私は好きなんだよね〜。」と言った。
まさか彼が私をホテルに誘っているとは一ミリも思わず、ちょっと前の会話で「私はたまに高級ホテルに泊まるのが好きだからマレーシアに来てすぐシャングリラホテルに泊まったんだよね」と話をしていたので、その流れで「今日もあなたはホテルに泊まるの?」という質問をされたのかと思ってなんか変な質問だなとは思いつつも、ピュアな気持ちで私は「今日はホテルには行かないよ!」と返答していた。
二人の間に、変な間が生まれた。
ん?あれ?え?はっ?はあああ??
「ん?もしかして、Youは私をホテルに誘ってんの???"俺と一緒に"ホテルに行きませんか?と誘ってんの?」と聞くと彼はコクリと頷いた。
「いやいやいやいや、待て〜い!!!おかしいやろがい!そんな空気に一ミリもなっとらんやんけ!なんでそんなお誘いしてんの?まじで意味がわからんから!この流れでYesっていうやついるか?それでいけると本気で思ってんの?????」
ともう私の口が止まらなくなっていた。笑
私だってもういい大人だ。そこら辺のウブな娘よりも何倍も経験がある。だから大抵の場合一緒に飲んでいる男がしてくる”私に気があるな”ってサインや発言はわかる。でもこの男、この2時間の間に一つもそんな発言や仕草がなかった。
ホテルに誘いたいのであれば、もっとするべきことがあっただろうが!

女の口説き方を解説する女
完全に私の怒り?のスイッチが入る。
ホテルに行きたいと思ってしまったのはもう仕方がない。私が魅力的だったからってことで片付ける。
そんなことよりも私がカッとなったのは、大人の男が女性を誘うのに必要な言葉やアクションを一つもできないことへの情けなさだった。
これが日本の男だよな…と思った。というのも、その前日に私はとあるBarでイタリア男から熱烈な求愛をされていた。あいつらは本当に息をするように女を口説ける。あれは遺伝子だ、血だ。
「Youは美しい」「Youといると本当に楽しい」「Youともっと一緒にいたい」ともう彼らはAIかのごとくいろんな褒め言葉や誘い言葉を知っていてボディタッチも絡めながら巧みに迫ってくる。
もちろん、それが社交辞令であることはわかっている。それでもそう言ってもらえることは女として見てもらえてるし、自分の魅力を見つけてくれてたくさん褒めてもらえるので気分もよくなる。だからありがたいことだと思うことにしている。
そんなことがあった直後の脈略のない雑なホテルへのお誘い。。。
その先どう彼に切り返すか悩んだけど、もうこれは一期一会。話を聞いた上で伝えてみようと思った。
私:「あの〜、先ほどの「ホテル行きませんか?」発言についてですが、もう少し詳しく話を聞かせてください。いつ頃から私をそういう対象として見ていたのでしょうか?メッセージを送ってきた時から?会って話をしてから?」
男:「メッセージした時にはちょっとそういうこともあるかも?くらいは思ってました。でも、話をしているうちにその気持ちが強くなっちゃって…」
私:「そうであれば、もう少し相手がその気になるような発言もできたのでは?私、この時間にあなたから一度も褒められたり、口説かれていないような気がします。」
男:「うーん、、そういうのはあまり慣れてなくて…」
ふむ。
ここでやっと相手の顔を初めてしっかり見た。
相手が私を女として見ているというフィルターを通して男の顔を見た。
あれ?なんか思っていたよりイケメン?よく見たらオシャレ?
話も2時間飽きなかったし、ちょっと楽しかった。仕事も熱心にしていてその姿勢がいいと思ってかすかに好印象を抱いていたことにその時気づいた。
そしたらなおさらなんでこの男がそんな誘い方をしてきたのかに興味が湧いた。要はスペックがそんなに悪くない、むしろいいのになぜそんなブスな振る舞いをしてしまったのか。はっきり言って失礼な言動ともいえる。

彼の女性関係を聞いてみると、実は女性から誘われることが多いという。
彼はただのモテ男だった。
だからこれまで自分から女性を口説くとかして誘うことがほぼなく、うまく口説くことができなかったと。
うーん、、、どこまでが本当かわからん。
でも、今日の誘いの下手クソ具合から考えるとそれは一理あるかもしれないと思った。
私は大変大きなお世話だけど伝えてみたらどう反応するのかも気になったので、今日のレビューをすることにした。要点は大きく分けると5つあった。
女性を口説く言葉が全然足りていないこと
自分を性的に魅力的に感じさせるための自己アピールが足りていないこと
相手の感情を動かすアクションができていないこと
ストーリー設計ができていないこと
タイミングが悪いこと
これらの具体的要素解説をした。
まだ他にも色々あるけど、まずはこれらができていないと相手の心を動かすなんてことはできない。ましてやホテルに行くなんて難易度の高いことだ。
私は上の解説をして「ゆえに、ホテルには行きません!」と断った。
ここまで丁寧にホテルの誘いを断る女が他にいるか?授業料取るぞマジで!と思ったが彼は意外にも素直に「うわ〜勉強になる…!がんばります!」と言っていた。ポジティブが過ぎるだろうがよ!w
大抵の男はここまで理詰めで論理的に説明されるといかに自分が愚かだったかを知って萎えて落ち込む。そして酷い男の場合反論して逆ギレすることもある。今回の彼はすでに2時間話をしていてそういうタイプではないと判断して説明をしていたけど、まさかのポジティブすぎる反応には驚いた。けどその素直さは彼の良さなのかも?と感じて私の中で好印象に写った。

なぜか関係性が続いてしまう男と女
互いの家に帰ることになりその会は終わった。
帰宅したことを伝えるメッセージを送ったら「今日のことを復習して精進します!」と返ってきた。どこまでも前向きだ。
そうそう、私が気にしていたお会計は私がお手洗いに行っている間に終わっていたし、高い店を提示するのは彼にとっては普通のことのようだった。
これで彼との関係は終わったと思っていたけど、そこから私たちの関係はおかしな展開を迎え、なぜか5日後、私たちはボルネオ島にいた。
どこまでもポジティブで明るすぎる男
会った翌日もメッセージのやり取りをした。
というのも、私は毎日起きた出来事をインスタのストーリーズにアップする。ストーリー仕立てにして起きたこと、感じたことを割とありのままに書いている。そこに彼の話も投稿した。
ほぼ初めましての男に誘われてご飯に行ったら脈略もなくホテルに行きましょうと言われた〜!ナニゴトー!的な投稿を。そして上に書いた5つの要素も掲載した。すると彼がそれを見て「言われたこと半分忘れてたから、まとめ助かる〜🤣」と送ってきた。
もう、本当にどこまで明るいんだろうか。。
その投稿には見た人からの❤️や😂がたくさんついていたのでその報告をすると「最高!これで昨日のブレイクハートも成仏だぜ!みんな笑ってくれたし、勉強になったし、感謝だわ〜」と感謝されてしまった。ブレイクハートじゃなくてハートブレイクな。
もうお手上げだ。
ここまで受容性が高いとこっちもおもしろくなってくる。逆にそこまで私の意見を取り入れようとしてくれてありがたい?と思う謎の感情が生まれ始めていた。彼はアホなのか?能天気なのか?はたまた…?その時はまだよくわからなかった。
また話がしてみたいと思ったので「今度は安いローカルの店に行きたい」と伝えてみた。すると「ローカルでうまい店たくさんあるよ!今週末空いてる?」と聞かれて自然とその週末に会うことになった。
昨日の今日でこの流れがちょっとおもしろすぎて話がすぐしたいと思ったので、私から電話しない?と連絡。結局「ホテル行きませんか?」から24時間後に1時間半もの長電話をしてしまった。
私は電話は年に数回親とする以外は友だちともほぼ誰ともしないのに、なんか電話がしたくなった。そしてしてみたらとても楽しかった。何を話したのかは一つも覚えていないけど、とにかく私たちはずっと話が尽きなかった。
"おもろいこと"に取り憑かれている女
その電話での感じがとてもよかったので週末にまた会うのが楽しみだな〜と思うくらいにはなっていたのだが、彼から電話の二日後の水曜日に「ヤバい!週末出張になりそう!」と連絡があった。あちゃ〜、んじゃご飯はまた今度かな、と思ったら彼は驚くメッセージを送ってきた。
「ボルネオ島!一緒に行く?w」
とな。。いやいや、そんなの一緒に行くわけ…
「おー!ボルネオ島!行きたい!」
と気づいたら即レスしてる自分がいた。笑
いやいやいやいや、3日前に出会ったばかりだし不躾に「ホテル行きませんか?」と言ってくる男だよ?何考えてんの?とは思ったけど、もうこの謎ウェーブには乗った方がおもろい!それを私の本能はわかっていたと思う。
一応男は「急な話だから出張帰りに会うのでもいいのだよ」と言ってくれたけど、すでに私の方がスイッチが入ってしまって「もう飛行機調べ始めてる…!」と誘われた直後に飛行機のチケット確保に動いていた。
その日の夜も電話を2時間した。我々はちょっと頭がおかしいのかもしれないけど、この謎の展開はおもろすぎるということで同意して、旅を楽しもうという気持ちが整った。
そうか、わかった。
この男のこと"おもろい"と思ってるんだ、私。
出会ってから5日後、ボルネオ島にいる男と女
今住んでいるクアラルンプールからボルネオ島までは飛行機で2時間。彼は先に到着して仕事をしていたので、私は一人で彼が取ったホテルにチェックインし、ホテルのラウンジで夕食をタダ喰いしタダ酒を流しこみ、ボルネオの夜の街に出た。こういう時に一人行動が全然平気というのは特技としてあってよかったと思う。待つ感覚だと辛いけど、誘われて来たのに結局一人で旅を楽しんでいるこの展開マジウケるんですけど!と思ってた。全部ネタになる。うししし!
なんて思って観光名所を散策したり、飲み屋を何軒もハシゴしたりしたけど、22時を過ぎても結局彼は全然現れない。仕事の状況の連絡はしてくれるものの、終わりが見えない連絡も来たりしてもうどうしようかな…。と少し不安になっていたその時、彼が現れた。しかも手には花束が!
そんな遅れたからって花まで買って来てくれるなんて!と一瞬心がときめいたが、それはただ取引先の人からもらった花だった。チーン…。
けど、彼が現れてとても興奮した。
やっと会えた!という気持ちと、なんでここで会ってるねん!の謎の展開がおもろすぎて。あと、彼のスーツ姿がとてもカッコよくてときめいたのはココだけの話。この時私はもう、"女"の感覚になっていた。
その後はBarでボルネオ島の地酒を楽しんで、コンビニでアイスを買って店前で食べて一緒にホテルに帰った。
しまった。
あとから気づいたけど、ここでもう一度ちゃんと
「この後、ホテルに行きませんか?」と言ってもらえば話のオチ的によかったなと思った。笑

振り返る、男と女
始まりこそおかしかったものの、私たちはそこからの互いの"おもろい"ことに惹かれていった。
・いきなりホテルに誘われたからと相手をシャットアウトするのではなく、そこに課題を感じてなぜダメなのかを解説してきた女のことを彼は賢くておもろいと思った。
・逆にその説教をポジティブに受け入れた男のことをアホなんか?と思いつつも女はおもろいと思った。
・そしてさらにボルネオ島にまで気軽に誘ってくる男のことをもうメンタル強すぎてネジがぶっ飛んでいておもろすぎると思った女。
・この女おもろいから誘ったら来るだろうと思ってたという男。
一般的にどうとかは関係なくて自分たちの"好きなおもろさ"の波長が合うとこんなにも楽しい関係になれるんだね。
てな話を帰りの空港でして私たちの旅は終わった。
結局、彼と一緒にいたボルネオ島3日間の間で不快なことは一つもなく、むしろ快適な言動、配慮あるコミュニケーションばかりだった。だからこそ、なぜ初めて会ったあの時「この後、ホテルに行きませんか?」と彼が言ってしまったのかということだけは私の中でいまだに解せない。
でも、あのひと言がなければ私たちの旅は始まらなかった。
彼にnoteを書いたから下書きを確認して欲しいと連絡をした。
すると読んだ彼から「なんで最初あんな変な誘い方をしてしまったのか、読みながら整理されたわ! 」と来た。
彼が変な誘い方をした訳
このnoteを読んだ彼の感想は
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