自己満(New York 編)
1. 切手
日本での小学校高学年の頃、僕は切手を集めていた時期がありました。当時ヨーロッパへの出張が多かった父は、父自身が好きなこともあってよく訪れた国の切手を買ってきていました。毎回スーツケースから珍しい切手が出てくるのが楽しみで、いつの間にか僕も切手収集が趣味になっていったのです。同僚や会社宛てに届いた使用済みの封筒まで父はもらってきてくれ、貼ってある切手を水につけて剝がしては乾かして、アルバムのようなものに保管していました。世界には色とりどりの切手、様々な形のものがあり、毎回目を丸くして並べては喜んでいました。
切手が好きな方ならご存知『見返り美人』、実際に目にしたことはありませんがとても価値のある珍しい切手としてあまりにも有名です。同級生とカタログを見ながらあれやこれやと話しをしたものです。お互いのコレクションを見せ合っては感嘆したり、羨ましがったりなど、よく盛り上がっていました。
始めのころ僕の切手を見ては「うわっすごっ」なんて言っていた同級生たちも、毎回僕が見せる海外からのものがあまりにも珍しすぎて、だんだんテンションが下がっていくのがわかりました。歯が立たなくて勝負にならないのです。そんな友達がだんだんかわいそうになり、小学生ながら僕も遠慮して見せないようになっていきました。そうこうしている内に切手への熱も冷め、いつの間にか切手収集をやめていました。
2. Ball Cap
それ以来 特にこれと言って長期に渡り本格的に収集したものはありません。
と、そう思っていたのですが、最近ふと「おや?そういえばこれはコレクション?」と思い当たるものが。

アメリカ野球MLBのチーム、NYヤンキースのキャップ(帽子)です。
というか、間接的にはワッペンになるのですが。
キャップの右か左、耳の上辺りにワッペンがつく時があるのです。日本のプロ野球でも最近ついているのを目にする機会が多くなってきましたが、ワールドシリーズやポストシーズン、記念する試合などに出場する際には、キャップに特別なワッペンがつけられます。それがとてもカッコイイのです。

そもそもアメリカはワッペン好きです。ボーイスカウトのユニホームもそうですが、何か達成したり階級が上がったりすると、ユニホームやリュックなどに勲章としてワッペンが増えていきます。増えていくプロセスがまたカッコよかったりもします。おそらく軍隊から来ている慣習だと推測します。普通の大学生だって、自分の大学のロゴが入ったワッペンを上着や鞄につけたりしています。僕もいまだにそういうものを使っています。
毎回 特別なデザインのワッペン。春季キャンプのためだけに作られるものもあったり、コレクターの心をくすぐってきます。毎シーズン新しいものは気になってチェックしています。これって立派なコレクションですよね?集めようという意思をもって集めている訳ではなかったのですが、いつの間にか僕はNYのキャップのコレクターになってましたね。
アメリカでの学生時代は、朝起きて髪の毛ぐしゃぐしゃでもお構いなしでした。どうせキャップかぶるんですから。学生はだいたいそうです。大学のロゴが入ってるものや、お気に入りのスポーツチームのもの。男だけではありません。女の子もジーンズにTシャツとキャップだけの子が多かったです。年中暖かいフロリダにいたからというのも多少あるでしょうが、それが典型的なアメリカの大学生のスタイルなのです。日本はお化粧ばっちりで、可愛い服を着ている女の子が多い印象ですね。ちょっとフランスなどヨーロッパ系に近いかも。
3. YankeesとJeter
僕がフロリダにいた時はNYヤンキースの全盛期でした。1996年から2000年の5年間にワールドシリーズ優勝4回、Derek Jeterを含む "Core Four" なんて呼ばれる4人のスター選手を中心に戦っていた常勝チームの時代。シーズン中は毎晩のようにテレビ中継を流していました。ずっと観ていたら宿題が終わらないので、リビングで中継を流しながら隣の部屋で勉強。アナウンサーが叫び始めたら急いでテレビへ走る。おさまったら戻って勉強。そんな日々を過ごしていました。
中でも僕はJeterの大ファンでした。2014年に引退した後も何かとメディアに出てきます。ショートで新人王を取ってからスーパースター、生涯ヤンキース一筋で終わりました。"The Captain" という愛称で、背番号2番は永久欠番。イチローよりもヒットの数もホームランの数も多く打っていると聞けば、どれだけすごい選手かわかるでしょう。

4. 後悔してること
僕にはとても後悔してることが二つあります。
一つはJeterが表紙になってるスポーツ誌『Sports Illustrated』を買わなかったことです。あとで買おうと思ってたら売り切れちゃってたんです。
いまだに本屋に並んでいた"Holy Cow!"と書かれている表紙が鮮明に浮かぶんです。表紙にあった言葉まで覚えてるってすごくないですか?それほど欲しかったものなんですね。あれはすごい評判になった号で、今でも状態の良いものはeBayなどで高く売っています。悔しいです。
もう一つ後悔していること。それはヤンキースタジアムに一度も試合を観に行かなかったことです。僕がフロリダにいた最初の数年、両親はニュージャージーに住んでいました。ハドソン川を境にしてニュージャージーとニューヨークがあります。神奈川に住んでいる人が東京に通勤するようなイメージが一番わかりやすいと思います。ラガーディア空港で降りてハドソン川を渡る前に、ヤンキースタジアムが見えるのです。学期が終わるごとに両親の元に帰っていたのですが、いつでも行けるやと思っている内にサンフランシスコへ父が転勤になってしまい、結局行けずじまいになってしまったのです。なんともったいないことをしたんでしょう。あれだけ何度も近くを通っていながら一度も行けなかった。
これ以来僕は、見た時がチャンスと、すぐに行動するようになりました。欲しいと思ったものもなんでもすぐに買っておくことに。どんなコレクターもいかにタイミングが重要かということはご存知かと。
5. ボルテージMAX
下の動画は伝説のジャンピング・スロー。Jeterと言えばこれ。MLBファンなら知らない人はいないはず。まさにIconic、Jeterという選手の象徴となってるプレーです。今でも選手がこれと似たようなプレーをやると「Jeterをやった!」と「動詞」になっているほどです。何度も何度も何度も再生され、全米中で大きな話題になりました。今でもYouTubeで検索するとすぐに出てきます。
ワールドシリーズ中の試合の翌日なんて、僕のNYの帽子を見るや否や なりふり構わずアメリカ人は話しかけてきます。
「昨日観た?!あいつ出てきた時もうダメだと思ったよね!
いやぁヤバかったねー。超緊張したわぁー」
「そうそう!マジ終わったと思った!
絶対打たれてサヨナラかと思ったよねー!?」
なんて、全く知らない店員と盛り上がったりする訳です。アジア人への差別なんてこういう時は感じられません。皆をハッピーにさせるスポーツってすごいですよね。皆をまとめてしまうんです。素晴らしいと思いませんか。
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最近は仕事が忙しくて不規則なうえ、ゆっくり試合を観る時間がありません。ハイライトを見て味気なく終わる日々。
僕の老後の夢は、1試合をじっくりシーズンを通して見続けることです。
そのうちの何試合か球場に足を運べたらいい。
僕のキャップを買うくらいのコレクション、いいですよね?
そんなにお金がかからないし。度が過ぎて家計を苦しめるような趣味は困りますが、こんなの可愛いでしょ?
あとはこれを被って試合を観て雄たけびを上げる。
Hot Dogがあったら最高。
僕の自慢話にお付き合いいただきありがとうございました。
完全に自己満の世界です。
寺ピー
