“働きやすさ向上”を目指したオフィスリフォームと、新改装計画「ニシワンダーランド」
こんにちは、デザインスタジオ・エル代表のハラです。エル公式noteの投稿は久しぶりです。2023年12月に完成したオフィスリフォームから半年以上経過し、少しずつですが思い描いていた環境ができつつあるので、オフィスの「働きやすさ向上」をテーマにリフォームのポイントについて書いてみました。
まずは、いまから4年半前、2020年2月時点のオフィス写真をご覧ください。

デザインスタジオ・エルは1976年創業で、現在49期目(途中決算月変更があったので、経過年数より数字が一つ多いです)、50周年も目前です。実はいまのオフィスは3拠点目で、約30年前に購入した2階建てのビル。人員・設備増に対応するために増築も行い、そこがエル社員が普段仕事をしている事務所になっています。
1998年に入社して以来、ずっとこんな感じの雰囲気のなかで仕事していたので、これはこれで愛着がありましたが、いろいろ古くなってるし、染み付いた汚れを掃除してもぜんぜん落ちないしで、なんとかしたいなと思っていました。
改装その1
2020年5月に事業承継して代表に就任。月並みですが、仕事を通じて幸せな人生を送れる、そんな仕事のやりかたや環境を作りたいと思っていて、早速オフィス改装に着手。そのときのようすはこちらのnoteにまとめています。
ちょうどコロナの緊急事態宣言が出たときで、メンバーが誰も出社しない状況からのスタートでした。不要なものを処分したり(事務机30台など)、みんなで壁を塗ったりと、まずはなるべく自分たちの目と手でできる改装を実行しました。
また、2022年には看板を設置しました。
正直、この時点でオフィスリフォームは完了かなと思っていたのですが、2023年、ある出来ごとをきっかけに私の心はグラグラっと動きます。
改装その2
長年のお付き合いであるフォトグラファー・大井川茂兵衛さん(株式会社 Hi-Bush)と仕事で撮影に行ったときのこと。新しく、スタジオを探してると。
「それなら、うちの1F空いてる!」
こうして、昔スタジオとして使っていて20年ほど放置されていた1Fにテナントとして入っていただくことになりました。大井川さんの同級生であるima建築設計室の上野さんの設計のもと、リフォームが始まりました。
物置と化してる1F。その昔、流通チラシをメインにしていたころはエルにカメラマン3人もいて、撮影スタジオでした。鉄骨剥き出しでポテンシャルはかなり高い。 pic.twitter.com/RwU11pmLfj
— ハラヒロシ / デザインスタジオ・エル (@harahiroshi) October 27, 2021
上記のようにつぶやいていたスペースが、めちゃくちゃかっこいいスタジオに生まれ変わりました!ただただ風化していくだけと思っていた空間が、こんなにも見違えるとは!大井川さんと、設計した上野さんのセンスにも惹かれまくりでした。
その様子を見ていたら、2Fのエルオフィスも新しくしたくなって、大井川さんの工事が終わるのを見計らって上野さんにお願いすることに。そこからリフォームまでの経緯は、自社のプロジェクト記事にてまとめています。
「働きやすさ」向上を目指すオフィス
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。オフィス改装についてなぜこのような仕上がりにしたのかを「働きやすさ」の視点でまとめてみます。
①フロアをワークスペースとラウンジスペースに分け、「緩やかなつながり」をつくる

今回一番意識したのは、ワークスペースとラウンジスペースを分離させるということでした。以前はフロアすべてがワークスペースだったのですが、空間が筒抜けだったので雑談するにも気を使ってヒソヒソ話すようなことが多かったこと、それから、一息つく場所が全くなかったことが特に気になっていました。それを解消するためにフロアのなかで役割を分けることにしました。
かといって、部屋を完全に分断してしまうと相手が何をしているのか全くわからなくなり、コミュニケーションロスが多くなり業務に支障が出てしまいます。また、エネルギー効率も悪くなるので、両スペースの区切りはオープンにして、磨りガラスを用いて「緩やかにつながっている」状態にしました。ワークスペースとラウンジスペースの間を気兼ねなく行き来でき、自然と気分の切り替えもできるちょうどよいバランスになったような気がします。どちらか一方の場所にいるときは、もう一方の場所にいる人に過剰に気を使う必要がなくなりました。
1日8時間労働で、同じ場所にずっといると集中力も下がり生産性も落ちます。ラウンジという休息・リフレッシュできる場所ができたというのが大きいです。また、仕事中でも「考えるときは動きたい」というメンバーもいて、場所がかわるだけでスイッチの切り替えができているようです。

②ラウンジスペースをカフェ風にするメリット
オフィスにカウンターキッチンがあるというのは、見た目もいいしコーヒー淹れたり調理もできるという点で機能面的にも憧れ仕様だと思いますが、狙いはそれだけではありません。これはあくまで自分調べなのですが、以前からカフェや新幹線って仕事がはかどるなと思っていました。なぜかというと、
自分のデスクの周りには仕事に関するさまざまな資料など、「自分に関係するもの」がたくさんあります。これが目に入ると、気が削がれてしまうのです。
その点、カフェや新幹線の中だと、PC以外は「すべて自分に関係ないもの」と割り切ることができるので視界に入ってこなくなり、いつもより集中できるような気がします。
実際のところ、ラウンジのほうが仕事がはかどると、やはりノートPC1台だけ持って仕事をしているメンバーが多いです。デザインなど作業効率を重視する場合は大きな画面で作業できるデスクワークが最適ですが、そうでない仕事はラウンジスペースで作業する、といった使い方をしています。

フリーアドレスな場所もワーク用デスクにしてしまうと、結局資料を持ち込んだり大きなモニタを入れたくなってしまってあまり変化がないように思ったので、カフェ風にしたのは良かったなと思います。
また、誰か一人いると入りづらいという状況をなくすために、カウンター、ソファー、ベンチ…など、細かく場所を分けました。話しかけても、黙っていてもいい、そんな距離感を心がけました。長く座っていても疲れない椅子やベンチ選びは大事ですね。見ていると、毎日少しずつ場所を変えて仕事をしているメンバーもいます。私自身もです。

③デスクは広く、パーソナルスペースも確保
昔のオフィスでは、1台120cmほどの事務机をびっしり並べ、隣も向かいも接している一区画8人のシマで窮屈な空間でした。いまは人数も減ったこともあったので、なるべく大きなデスクにして、パーソナルスペースを広くするようにしました。まわりの人を意識しすぎず、視線も感じず、でも話しかけやすい距離感で、以前よりも伸び伸び仕事ができている気がします。

デスクはかなでものさんで、1cm単位で天板サイズを選べるものを購入しました。一番大きな180✗90cmにしています。木目調のラバーウッドはオフィスに調和する柔らかな印象でありつつ、素材が硬いのでマウス操作にも適しています。
④モノは増やさない
私の自宅がそうなのですが、造作の棚以外、一切モノを収納するための家具がありません。そうなると「モノが増えない」「増やすなら捨てる」が徹底できて、家を建ててから20年近くになりますが「もし引っ越しするとしても段ボール数箱」ぐらいしかモノがないミニマム生活ができています。
昔のオフィスではとにかく紙を多く扱っていたので、人によっては積み重ねた資料でパーテションができるくらいになっており、それは解消したいなと思っていました。
結果、リフォームから半年以上経っても、みんなのデスクの上を見渡しても余計なものが一切ない状態をキープできています(きれいを保ってね、とか一切言ってません)。モノが増えないというクリーンな状態は、常に新鮮な気分で仕事ができますし、きれいをキープできるし、掃除もラクです。(実際のところ、部屋が余っているので資料などは別部屋に置くようにしています)

⑤衛生要因と動機づけ要因は別
オフィスリフォームする際、すこし不安だったのが「ラウンジスペースを活用してくれるだろうか…」でした。仕事や作業に追われ、一番作業効率が高いデスクから離れられないみたいなのは避けたいので、なるべくラウンジを使ってもらうように声掛けは意識しました。
ただ…そもそも、ある程度ゆとりがなくては席を移動する余裕すら生まれません。これは仕事量やスケジュール管理とか、やりたい仕事に時間をかけられるかとか、ちゃんと利益出てるかとかの問題でもあります。単に環境がよくなっても、それは単なる物理的な働きやすさであって、本質的なものではないと思っています。オフィス環境という衛生要因(環境がよくないことを解消したとしても、根本的な「やる気の源」にはならない)と、働く喜びやモチベーションの動機づけ要因は別物なので、「よい環境」と「働きがい」はどちらかが欠落しないようにしないといけませんね。
仕事の動機づけを行いながらも、いい環境で仕事をすることで効率化ができたり、ノイズが減ってアイデアの質量が増えたり、よいアウトプットにつながったりと、相乗効果を果たすことが大事だなと思います。

⑥オフィスに出社しなくても構わない
エルはコロナ禍以降、「出社自由」のスタンスを継続しています(水曜だけ集まるようにしています)。オフィスがリフォームされた今でも、実際のところ新入社員以外は毎日出社しておらず、週2〜3日出社のメンバーが多いです。「メンバーに直接意見を聞きたい」「とにかく一人で集中したい」など、仕事やタスクの内容や状況に応じて仕事場所を選べることはよい点かと思います。
せっかくきれいにしたのだからできるだけ出社してね!とは微塵も考えていません。働く場所や環境の選択肢がたくさんあって、その一つがオフィスくらいに思っています。
ちなみに、現在11人のメンバーのうち、県外のフルリモートが5人。結婚などライフステージをきっかけに県外に引っ越すメンバーもいます。オフィスリフォームと直接関係ないのですが、むかしなら引っ越しても同じ職場にいられるなんて、考えもしなかったですよね。。
⑦多目的な活用
ラウンジスペースは仕事でのリフレッシュや休憩時間以外にも、来客スペースや懇親会会場としても使っています。
また、試験運用中なのですが、気心知れた仲間に声をかけて、たまにエルのオフィスを使ってもらっています。メンバー以外の人がいるだけで、パブリックな雰囲気になって緊張感も出るし、情報交換したりもできるのでお互いよい刺激になってよいです。

以上、私自身が考えるリフォームのポイントでした。リフォームってそれなりにお金もかかるし、大丈夫かなという不安もあったのですが、本当にやってよかったなと思っています。
そして、第3の改装!
実は、次の改装も考えています。
いま、事務所入口には、メンバーが制作したポストカード、詩・短編集、フォトブック、エルのフリーペーパーやグッズなどを置くスペースがあります。

それをもっと拡張して、クリエイティブをアウトプットするギャラリー的なスペースにしたらどうか。大きなパネルや額装もできるように。その考えのもと、まだ手つかずなエントランスと階段を少し改装したいなと思っています(ここだけまだキレイになってない、という動機もある)。
1Fがフォトグラファーのスタジオ、2Fが写真好きやイラスト好きが集まるデザイン会社ということで、その間をつなぐエントランスと階段の空間もクリエイティブな場所にすれば、このビルにさらなる一体感が生まれるとも思ったのです。
「クリエイトを軸に、人が集まる楽しい場所」になったら嬉しい。ものづくりする人にとって刺激になる場所になったらいい。自分が写真展に出すようになって、「作品を飾る」ことって素晴らしいなと思ったので、それをみんなにも味わってほしい。そんな思いが沸々と。
いまのところ、誰でも入れるようなオープンな空間とは考えていないのですが、写真展など、ときどきイベントやるくらいならできそうです。
その場所には、名前をつけました
場所の名前も決めました。その名も「ニシワンダーランド」(命名・大井川さん)です。
エルの住所が「西和田」でして、その昔、ウルトラエルというサイトを作るとき他の案として西和田.jpみたいな案を作るぐらい、地名にも関心がありました。そんな話題を大井川さんとしていたら、いいネーミング案をだしてくれました。昭和っぽい感じが気に入っています。
現在、エルのデザイナーとコピーライターが集まって「ニシワンダーランド」の表記案とかロゴ案を考えてもらっています。楽しんで取り組んでくれているので、どんな風になるか、ワクワクしています。
シャイなメンバーが集まる「ちょっと面白いことやりたいね、やってみよう!」はエルらしくて、居心地がよいです。
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デザインスタジオ・エルは「超えるをつくる」を合言葉に「らしさ」をデザインするWeb制作会社です。
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