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「作字」って何がおもしろいの?作字を鑑賞するときの4つの視点

トッモ「作字ってどうやって見ればいいの?」

私「ん????(作字だよ。作字。おもしろいじゃん。最高のコンテンツ。至高。楽しいじゃん。)」

トッモ「いや、どこをどういう視点で見ればいいのか分からないのよ。なんとなくすごいのは伝わるんだけど──────伝わるんだけど──────ツタワルンダケド──────


作字はマイナーなコンテンツ

っていうことが先日ありまして、この記事を書くことにしました。

私は作字歴4年。作字は最高の娯楽で、誰でも楽しめるものだと思っています。かたや、彼は作字歴0日。彼にとって、「作字」とはよくわからん創作の一種でした。

いや、彼だけではありません。タイムラインに作字が流れて来ても、多くの人はどうやって楽しめばいいのか分からないということに気付きました。この文章を読んでいるあなたも同じ気持ちかもしれません。

なんてことだっっ!!!!!!!😭😭たくさんの方々の理解を置き去りにして、私はのうのうと作品を投稿していたのか…!!!!!😭😭

まあ、トッモの疑問は真っ当です。作字って、初見だと良さが伝わりづらいコンテンツなんですよ。

その一番の理由は、作字がマイナーなコンテンツだからだと思います。イラストや写真、音楽のようなメジャーな創作ジャンルには、多くの人が無意識のうちに身につけている「見方」や「聴き方」があります。

かたや、一般的な生活の中では、作字に意識的に触れる機会は多くありません。マイナーなジャンルであるがゆえに、「どこを見ればいいのか」「何を感じ取ればいいのか」という入口が用意されていないのです。

その結果、作字は「良さが分からないまま通り過ぎられるコンテンツ」になっている側面がある気がします。

それなら私が、その辺りを説明している記事を抜粋してやろうじゃないですか。我々調査隊はGoogleの奥地へと向かった─────

ありませんでした。「作字を観る」ための完全初心者向けの記事がほとんどありませんでした。まじ?

「作字を作る」の解説は相当数ヒットしたのですが、「何がおもしろいのか」を言語化した解説は一切見当たらなかったのです。

これは、かなり異常な状況だと思います。作字のおもしろさが分からない人は、試しに自分で調べようとしても何も得られない。結果として、作字の面白さを自然に会得している人だけが楽しめる、閉じた世界になっている可能性があるということです。

大変由々しい…!この状態が続くと、作字は「分かる人にしか分からない表現」だと思われかねません。

作字は素養のある人しか理解できないのか?いや決してそんなことありません。 観るときに、いくつかのポイントを意識するだけで、確実に何倍も面白くなると思うんですよ。

というわけで、私の考える「作字を楽しむための視点」を、できるだけ噛み砕いて整理していこうと思います。

そもそも作字ってなに?

本題に入る前に、まず「作字」について簡単に説明していこうと思います。

私はまず、作字を「文字を"描く・組む・構成する”ことで、独自の表現として成立させるクリエイティブ手法」と定義します。これは辞書的な定義ではありません。ですが、現在の日本のデザインシーンにおける文脈では、このような意味で使われることが多いと思います。

作字において、文字を作る手段は全く問われません。デザインソフトで作った文字も作字。ペンでノートに手書きした文字も、縫い糸で作られた文字も作字。極端なことを言えば、落ち葉をかき集めて作った文字も、石ころを並べて地面に描いた文字も、「文字を作ろう」と意識して生まれたものは、すべて作字だと私は考えています。

文字という概念さえ保たれていれば、作字のフィールドは、ほぼ無限に開かれているはずです。

この記事では、とりわけ創作人口の多い、デザインソフトで作られた文字や、ペンでノートに手書きされた文字といった、平面の作字表現を中心に扱っていきますね。

「作字を楽しむ4つの視点」

自分なりの整理になりますが、作字作品は、大きく分けて以下の4つの要素から成り立っていると考えています!

①言葉
②造形
③相互作用(シナジー)
④文脈

一見するとバラバラな要素に見えますが、ほとんどの作字作品は、この4点が絡み合いながら成立しているはずです。そして、これらがうまく噛み合ったとき、作品は単なる「言葉」や「デザイン」を超えた、オリジナリティのある文字となっていきます。

逆に言えば、この4つの視点を意識するだけで、作字の見え方はぐっと変わり、楽しみ方も一気に広がります。それではここから、それぞれの要素をできるだけ具体的に分解しながら、「作字をどう見たら楽しいのか」を言葉にしていきます。

①言葉

作字を見るときに、核となるのが「言葉」です。

作字は、イラストや写真と違って、言葉そのものがコンテンツとなります。ここが、作字という表現の最もユニークな点だと思います。言葉を「描写」する前、「選び取る」ところから制作が始まっているのがとてもおもしろいんですよ~!

つまり、どんな言葉を選ぶか、どんな単語を切り取るか、どんなフレーズを掬い上げるか、その時点で、作品の色が強く表れます。

たとえば、言葉にはそれぞれ固有の「温度」や「質感」があります。具体的には以下のような要素が絡み合っています。

・文字の種類
→ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットなど
・意味の深さ
→重い、鋭い、切実、残酷、軽薄、ポジティブなど
・音の気持ちよさ
→語感、読んだ時のリズムなど
・面白さ、シュールさ
→ちょっと変、意味不明、じわじわ来る、脱力感
・独自性
→「なんだこの言葉…?」という新規性
・文化的厚み
→慣用句、ネットスラング、曲の歌詞など、「知ってるあの言葉だ!」という共有感

このように、言葉は多種多様な性質を持っていることが分かると思います。だからこそ、一語一句の変化が作品の空気感に影響を及ぼすのです。

また、意味が近い言葉でも、絶妙なニュアンスの違いが、情景や感情を変えていきます。

・「どんぐりの背比べ」⇔「五十歩百歩」
・「ザーザー降り」⇔「Raining Cats And Dogs」
・「孤独と無告」⇔「【悲報】ワイぼっち、どうしようもないンゴwww」

作字作家さん方は、意識的にしろ無意識的にしろ、このニュアンスの差をすくい取っていると思います。

まあ…作字を観るときは、そこまで深く考える必要はないと思います!!「この言葉、なんか好きだな」「自分に刺さるな」「意味分からんけどおもしろい」という小さな引っかかりこそが、作字を楽しむ最初の入口になるはずです。


②造形

次に、作字において重要になるのが「造形」です。

作字における造形は、言葉を視覚体験に変換する翻訳装置だと思っています。

どれだけ良い言葉を選んでも、それがただ並んでいるだけでは、それはただの情報にすぎません。造形は、その「情報」を、視覚で感じる体験に変換しています。

具体的には、こんな要素が絡み合っています。

・可読性
→見やすい、読みやすい、など
・タイポグラフィ
→線の強弱、太さ、角度、構造美、バランスなど
・配色
→ビビッド、パステル、ブライトなど
・画面構成
→リズム、余白、視線誘導など
・モチーフ
→✨、💕などのマークや、イラストなど
・その他の要素
→映像、写真、3DCG、コラージュ、手書きなど

これらの無数の組み合わせによって、作品の雰囲気が決まります。

造形のおもしろさは、一瞬で感覚に刺さるところにあります。言葉の意味を理解する前に、「なんか好き」「かっこいい」「かわいい」といった感情が先に立ち上がります。

・極端に細い線→繊細、儚い、不安定
・角ばった形→冷たい、硬質、機械的
・パステルカラー→かわいい、ふわふわ
・3DCG→現実感、近未来的

こうした印象は、誰かに教わらなくても、誰もが無意識に感じ取っていると思います。作字の造形は、この視覚的な無意識に、直接語り掛けてきます。

だから、言葉の意味があまりピンと来なくても、形だけで作者の思う言葉の意味をつかめることがあります。それこそが、作字という表現の大きな魅力だと思っています。

まずは深く考えず、「目が気持ちいいかどうか」だけを基準に眺めてみることも、良い楽しみ方だと思います!

③相互作用(シナジー)

これが作字の一番おいしい部分です!!
それが言葉造形の調和です!!

これは、言葉を読んだときに浮かぶイメージと、実際に目の前に現れた造形。この二つが噛み合い、あるいは裏切り合うことによって、文字が単なる情報から、コンテンツへと変わることを意味しています。

この感覚を、ここでは「相互作用(シナジー)」と呼びます。

まず、言葉の意味が、そのまま造形に翻訳されているようなシナジーです。たとえば、以下のような組み合わせです。

・機械的な言葉×サイバーっぽい造形

・かわいい言葉×かわいい造形

・古風な言葉×筆文字のような造形

・かっこいい言葉×かっこいい造形

このような組み合わせでは、言葉から自然に想像できるイメージが、そのまま目の前に立ち上がってきます。言葉と造形の方向性が揃っていることで、意味が形として直接”視覚化”されるのです。

逆に、予想を裏切る組み合わせによって生まれるシナジーもあります。

たとえば、以下のような組み合わせです。

・尖った言葉×繊細な手書き

・とげとげした言葉×かわいい造形

・ダジャレ×レトロな造形

・商品名×古風な造形

一見チグハグに見える組み合わせが、作品として成立していて、「なんかシュールだ…」や「意外とよく合うな」と感じさせてきます。

意味と形がズレているからこそ、自分の中にあった”言葉の固定観念”が、造形によって壊されるのです。「文字を観る」体験が「認知が揺さぶられる体験」へ変換されているとも言えます。

④文脈

言葉と造形が噛み合った瞬間の納得感や意外感を意識するだけで、なんとなくおもしろさを掴めてくるのではないでしょうか?

でも、そこに文脈が加わると、作字はもう一段、深い楽しみ方に変わると思います。ここでいう文脈とは、「作品の外側にある情報」のことです。

・作者の意図
→なぜこの言葉を選んだのか、なぜこの形にしたのか、どんな感情を込めたのか
・作家性
→癖、思考の傾向、この人はどんな言葉や形を好むのか
・過去作との繋がり
→作品群、以前の作品と比べた変化、毎日投稿のような実験

これらの文脈は、作品を観ることをもっとおもしろくする予備知識のようなものです。

そうした背景を知ると、ひとつひとつの作品が、単発のグラフィックではなく、連続した作家の物語として見えてきます。それも、ひとつのおもしろさだと思います。

まとめ

作字という表現は、言葉や造形など、いくつものレイヤーが重なり合うことで、驚くほど豊かな表情を見せてくれるものだと感じています。

パッと見て「かっこいい」「かわいい」と感じる直感的な楽しさもあれば、言葉のパワーに勇気づけられた体験、言葉と形の噛み合いに気付いたときの納得感、そして意図や背景を知ったときに生まれる理解もあります。

作字の面白さって、様々な要素が絡み合ったグラデーションそのものにあるのだと思うんですよね。

この文章が、作字を眺めるときのちょっとした補助線になって、何となくでも面白さを掴めるきっかけになれば嬉しいです。

そして、ここで挙げた見方に縛られず、それぞれが自分なりの楽しみ方や視点を見つけていくことも、作字という表現を、さらに自由で豊かなものにしていくのだと思います。

作字、まじで人生最高の娯楽だと思っています。作字と結婚したい。𝑭𝒊𝒏.

追記

この記事、作字作家さん方の多くの作品をめちゃくちゃ勝手に引用しています。本当にすみません。

理論がどうこうというより、「この作品たち、見てくれ!!!!」「みんなもっと作字を楽しもうぜ!!」って気持ちが9割です。完全にオタクの布教行為です。問題があれば、すぐに修正・削除しますので…

最高の作字を作ってくださっている皆さまに、最大級の感謝とリスペクトを込めて。

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