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未来を変える3要素 7月3日 Synergy of Business Assumptions 経営環境と使命と卓越性

「外部の経営環境」「自社の使命」「自社の中核能力」。この3つを覚えておこう。

島浦銀行本店マーケティング部の物語:ビジネス前提のシナジー

登場人物

  • 柳田部長(45歳、島浦銀行本店マーケティング部部長。情熱的で、部下からの信頼も厚い)

  • 佐藤さん(30歳、若手マーケティング部員。好奇心旺盛で新しいアイデアを出すのが得意)

  • 田中さん(35歳、中堅部員。データ分析が得意で慎重派)

場面:島浦銀行本店、マーケティング部の会議室。午後の戦略会議。


柳田部長:さて、みんな、今日は大事な話をしよう。うちの銀行のこれからの方向性について、ドラッカーの「ビジネス前提のシナジー」の考え方を参考に議論したい。この話を聞いて、島浦銀行がどう進むべきか考えてみてくれ。

佐藤さん:ドラッカーの「ビジネス前提のシナジー」ですか? ちょっと難しそうな響きですけど、どんな話ですか?

柳田部長:うん、簡単に言うと、ビジネスの成功には3つの前提——「環境」「使命」「核心的コンピテンシー」がちゃんと噛み合ってなきゃいけないってことだ。どれか一つがズレると、うまくいかない。たとえば、昔のイギリスのマークス・アンド・スペンサーの例がある。

田中さん:マークス・アンド・スペンサー? あの英国のデパートですよね? どんなことをしたんですか?

柳田部長:そう。第一次世界大戦後、世の中が変わったんだ。戦争で社会が大きく動いて、たくさんの人が高品質だけど手頃な価格の服——たとえばランジェリーやストッキング——を求めるようになった。これが新しい「環境」だ。マークス・アンド・スペンサーの経営者たちは、この変化を見逃さなかった。

佐藤さん:なるほど、環境が変わったってことは、ニーズが変わったってことですよね。それでどうしたんですか?

柳田部長:彼らは自分たちの「使命」を再定義したんだ。単なる小売業じゃなく、「社会革命」を起こすことだと決めた。「私たちは品質のいい商品を手頃な価格で提供して、みんなの生活を変える革命家だ」ってね。そして、その使命を実現するために、必要な「核心的コンピテンシー(中核的能力)」を作った。具体的には、いい商品を作るために、製造業者と協力して新しい生産体制を築いたんだ。

田中さん:でも、部長、なんでそんな大それた「社会革命」なんて言葉を使ったんですか? ただの服屋なのに。

柳田部長:いい質問だ、田中さん。彼らは、自分たちの仕事が単にモノを売ること以上の意味を持つと考えたんだ。社会を変えるんだって意識が、社員やパートナーを動かす力になった。で、話を島浦銀行に戻そう。佐藤さん、うちの「環境」は今、どうなってると思う?

佐藤さん:うーん、最近はスマホバンキングが当たり前になって、若い人は店舗に来ないですよね。あと、フィンテック企業やネット銀行がどんどん出てきて、競争が激しい。低金利も続いてるから、昔みたいな預金や融資だけで稼ぐのは難しそう。

柳田部長:その通り。環境は変わってる。じゃあ、田中さん、うちの「使命」はなんだと思う? 島浦銀行は何のために存在する?

田中さん:えっと…「地域のお客様の豊かな生活を支える」みたいなことですか? でも、正直、最近はそれがちょっと曖昧な気がします。どの銀行も同じようなこと言ってるし。

柳田部長:うん、鋭い指摘だ。使命が曖昧だと、社員もお客様もワクワクしないよな。マークス・アンド・スペンサーのように、私たちももっと明確で、みんなを動かす使命が必要だ。たとえば、「地域の夢をテクノロジーで加速する」とか、どうかな? 若い人のスマホニーズに応えつつ、地域密着の強みを活かす。

佐藤さん:おお、かっこいい! でも、それを実現するには、どんな「核心的コンピテンシー」が必要ですか?

柳田部長:いいぞ、佐藤さん、そこが大事だ。たとえば、スマホアプリの使いやすさを極める技術力とか、AIで個別のお客様にぴったりの金融プランを提案する能力とか。あるいは、地域の小さな企業を支援するための特別なコンサルティングチームを作るのもいいかもしれない。

田中さん:でも、部長、そういう新しいことやるには、うちの今の体制だと難しいかも。システムも古いし、社員のスキルも…。

柳田部長:その通り。だから、マークス・アンド・スペンサーのように、外部のパートナーと組むとか、社員の新しいスキルを育てるとか、思い切った一歩が必要だ。環境と使命に合わせて、コンピテンシーを育てなきゃいけない。

佐藤さん:なるほど! 環境、使命、コンピテンシーが全部つながってないと、ただのスローガンで終わっちゃうんですね。

柳田部長:その通り! じゃあ、宿題だ。次回の会議までに、島浦銀行の新しい「使命」と、それに必要な「核心的コンピテンシー」の案を考えてきてくれ。環境はさっき佐藤さんが言ったような状況だ。どうすれば私たちが「地域の夢を加速する」存在になれるか、考えてみよう。

田中さん:了解です! データ分析で、どんなニーズがあるか調べてみます。

佐藤さん:私は、若い人の声をSNSで集めて、どんなアプリが欲しいかアイデア出します!

柳田部長:いいね、頼んだぞ。島浦銀行の「社会革命」を一緒に作ろう!


解説

今日の #ドラッカー365の金言  テキストは、昨日に引き続き、『 #マネジメント -課題・責任・実践 』(1974年版・上巻・8章 目標の威力と狙い:マークス・アンド・スペンサー物語 153〜165ページ)、『 #未来への決断 』(1995年・1章 事業の定義 35〜36ページ)です。




今日のテーマ:
ビジネス前提のシナジー

今日の金言:
すべての3つの領域における前提は、互いに適合していなければならない。


環境、使命、コア・コンピテンシー(中核的能力)に関する前提は、互いに適合していなければならない。

マークス・アンド・スペンサーは、第一次世界大戦が新しい環境を生み出したことを認識した。それは、高品質でスタイリッシュかつ手頃な価格の商品(ランジェリー、ブラウス、ストッキングなど)を求める新しい大量の購買層の出現である。

1920年代半ばまでに、ペニーバザールを主要なバラエティストアチェーンに成長させた4人の義兄弟は、相当な富を享受して満足することもできたかもしれない。

しかし、彼らはビジネスの使命を再考することを決めた。

マークス・アンド・スペンサーのビジネスは、小売業ではないと彼らは結論づけた。

それは社会革命であった。

成功したバラエティチェーンから、マークス・アンド・スペンサーは意図的に使命を非常に明確な「専門」マーケティングへと変更した。そして、適切な製造業者を探し出し、しばしばその立ち上げを支援する必要があった。

なぜなら、既存の伝統的な製造業者は、明らかに、自分たちのビジネス運営方法を指示しようとする大胆な新興企業と手を組むことにあまり熱心ではなかったからだ。このようにして、新しい環境と使命に必要な核心的コンピテンシーを開発した。

アクションポイント:あなたの企業の使命は環境に適合していますか? あなたの核心的コンピテンシーは使命に適合していますか?

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