見出し画像

ハッピーあいスクリーム|モノカキングダム2025

「ハッピーアイスクリーム!」 
パチンとハイタッチ。

中学生のころ、相手と偶然言うことがかぶった時にする今思うと謎の儀式 笑。箸が転んでもおかしい年頃という表現があるけれど、まさにそんな瞬間だった。

中学、高校、大学と女子校の私は思春期という時代を女子だけの環境で育ってきた。恋愛とは縁遠い。女子校の中でも予備校や他校の文化祭を通じてお付き合いをしている子たちも居た。が、私には無縁の世界だった。

大学に進学してもなお、私の男性像といえば小学生時代の【男子】のまま。男子といえば【体育の授業で無駄に熱くなり、思いやりのないお馬鹿な存在】。そんな恐ろしい偏見の塊でいたけれどそれは【インカレ】という他校と一緒に活動するサークルによって見事に打ち砕かれていった
(友達の誘いで乗り気になれないテニスサークルに所属した私)。

テニスボールが沢山入ったカゴなんかを持っていると「持つよ」とさらっと持ってくれたり、それ以外にもちょっとしたレディーファーストな対応。
【何でも自分たちでする】女子だけの環境で育った私にはそれだけでも衝撃的な出来事だった。

「男子と男性は違うんだ…」
(男子を幼いと感じていた私自身が幼かったと深く反省しています…。)

そんな思考の大転換は、あっけなく私を恋に落とした。

ある日の、12月24日、イルミネーション輝く、お台場という駅に、生まれて、初めて、降り立った。

【お付き合いできるかもしれない】

そんな初めてのクリスマスデート。
緊張とドキドキと、脳内のアドレナリンは大騒ぎを始めている。

緊張のピークが訪れた待ち合わせ


会ってしまえば他愛もない会話


ちょっと特別なクリスマスディナー…


  …そして少しずつ夜は更けていき…


【いいムード】というやつが舞い降りてきた。

「……」

「……」



【きゃーー!】

その時点で私の脳内はすっかり限界を迎えてしまった。

「ハッピーアイスクリームって知ってますか?!」
「はい?!」
「相手と言いたいことが偶然かぶった時にやるんです。ハッピーアイスクリーム!ハイターッチって」(実演付き)

「…あぁ、そうなんだ……」


目の前に舞い降りてきたいいムードは
一瞬のうちに吹き飛んでそこからみるみると消えていった。


こうして文章にしてみると、“ハッピーアイスクリーム”という言葉、シチュエーション次第では有効な言葉になれたのかもしれない。
が、当時を振り返ってみるとそれはまさに目を覆いたくなるような光景。淡雪のように舞い降りてきた静けさに向けて、私の言葉は全速力で雪玉をぶつけるようなものだった。

その後も静寂が舞い降りそうになるたびに、私はイルミネーションのごとくチカチカ、ペラペラと言葉を並べた。


生まれて初めてサンタさんにさよならの手を振ったクリスマスデート。


そして、私の初恋はアイスクリームのように溶けていった。その後は大学の講義中、突っ伏して涙を流したり、電車の中でも突然泣けてきたり、お月様を見て「あの人もこの月をみているかもしれない…繋がりはあるじゃないか」そんな風に自分を奮い立たせていたっけか___。

あれからずいぶんと月日は流れて…
私も気が付けば結婚をしている。
良いムードを全力で壊しに行く癖は、今も完治はしていない。


それでもそんな私を、相方はそっと受け入れてくれている。
きっとうんざりすることは、これまでも山のようにあったと思う。
だけど、大事なところでふざけすぎる私を面白がってくれたりして。


「愛しているよ」


なんて一度も伝えたことはないけれど…

夕食後、隣に座る相方に向けて

「アイス食べる?」と私は聞く。

冬の訪れ、オレンジ色のライトの下、小さな部屋で食べるアイスクリームはどうしてこんなに美味しいんだろう?

こんな文章を書いているなんて思ってもいない相方を横目に私はここで叫んでみよう、「Happy 愛 scream」と。

(1565文字)


ほんのり脚色もありますがかなり事実にもとづきます^^
お読みくださりありがとうございました🍀
そして、今年も素敵な企画に愛を込めて🎅


いいなと思ったら応援しよう!

雨水ミモザ🍀 うわぁ❣️ありがとうございます! あなたの応援が私を「書くスーパーサイヤ人」にしてくれます🙇‍♀️ ※チップの一部はわが家のBOSS、白ねっこさんに還元させていただきます🐾