[エッセイ] Nose - 低い鼻と母の暴力
このところ立て続けに悪夢を見る。悪夢の多くは実家を舞台にしたものが大半だが、実家も、夢に登場する私以外の家族の誰一人、もう何もかもこの世にはない。
にも関わらず夢と言う、最も無防備な隙を狙って彼女は容赦なく私にありとあらゆる呪いをかけようとする。
昨日相方が私の呪詛除けを開始したところ、叔母 (母の姉) が姿を現した。叔母は最後まで私の訴えを退け、私に為された虐待や家庭内暴力等の全てを知っていたにも関わらず、母を擁護し続けた人だ。
50歳を過ぎた頃から、私の鼻の右側の奥から頻繁に出血があり、出血した箇所には大きな瘡蓋が出来るようになった。しかもその箇所 (鼻の内側の皮膚) が内側に凹んでいるので、普段でも口を閉じて呼吸することが辛くなって来た。
私はいわゆる「平たい顔族」の部類に入るかもしれない。それも致し方ない、「裂傷」と言う病気を持って生まれて来たから。
ただ単に鼻が低いそれとは異なり、私は顔の真ん中が大きく割れたまま生まれて来たことが原因で、0歳の頃から何度も手術を余儀なくされた。今こうして生きていることだけでも奇跡的であり、当時の私はいつ肺炎で命を落とすか分からない状況だった。
何度も手術をする以前にそもそも顔の真ん中が大きく割れているのだから、鼻が高いだ低いだ‥ と言う以前の問題なのだが、母はそんな私の鼻を異常なまでに嫌悪し、日常的に私の鼻を物凄い握力で何度も掴んで鼻の高さを変えようとした。
今私が何度も出血して瘡蓋が出来て、尚且つ凹んでいる鼻の右側が丁度母の親指が当たる箇所に該当しており、今朝もそこから出血があった。
出血の理由はアレルギー性鼻炎で丁度その箇所が痒くなり、何度も鼻をかむからだ。だとしても、形が変形する程の強い力で生後間もない頃から私の鼻をつまみ続けた母の、それがきっと影響していると私は確信している。

ある時期から私は、階段の上り下りに支障が出ている。階段の段差が視界に現れる度に、感覚が委縮してそこで動きが止まってしまうようになった。
30代の頃渡米した時にPTSDと診断された際、当時の医師が真っ先に私の視界の異常、動作の異変に気が付いた。
ある日普通に散歩している最中に、平坦な道に段差があると錯覚した私が突然動きを止めた。
「どうした?!」と言われ、「足を前に踏み出せなくなった。目の前に段差がいきなり現れて、転びそうだと思ったから‥。」と答えると医師は、「いや、何もない平坦な道だよ。」と言い、ありとあらゆる方法を用いて色々な可能性を探ってくれた。
医師の答えは「PTSDによる後遺症。特に幼少期から続いたであろう、お母さんの右目への殴打が後遺症となっている可能性が大きい。」と言うもので、経過観察以外の治療法はないと言うことだった。
還暦を過ぎた今、私の体は母の虐待と暴力の後遺症でボロボロ寸前だ。
運転免許の取得も諦めた。左右から視界が真ん中に集まって来る光景を目の当たりにすると、左右の車が自分の車を押し潰そうとするような恐怖に迫られる。そんな私が道路に出ればきっと、あっちこっちでブレーキを踏みまくるに違いない。
それを察知した日本神界の或る神が私に、運転免許の取得は諦めなさい‥ とささやいた。その神には人生の窮地を何度も助けられているので、私はその言葉に従い、運転はもっぱら夫に託している。
こんな私に友だちが一人も出来ないのも、致し方ないだろう。
多くの人たちは「子供を愛さない親なんて居る筈がないでしょう?」等と言う偽善を述べ、私の身に起きた現実を誰一人見てはくれなかった。
だが実家の最後の家族の母の死後、遺品整理中に色々なものが見つかった。その中には父母が「この家に長女だけは何があっても絶対に入れたくない。」と言うような会話を行った時の直筆のメモも見つかっており、もう誰も我が家で起きていた現実を否定する余地すら残っていない。その証拠に、両親と一丸となって私の家族外排除に加担した全ての親族が、今でも私から逃げ回り続けている。

ふと、遠野なぎこさんの壮絶な人生を思う。なぎこさんの毒親談は、誰もが知るところである。
彼女の死亡を公的に知らせたのは彼女の親族等だったが、なぎこさんは最後まで親族等と距離を置いていた。そこに何があったのか、何が起きていたのか‥。
綺麗に着飾った親族の言葉には表れない真実が、きっとそこには横たわっている‥。
私には今、最愛の夫が居てくれる。彼に守られ、そして彼を護りながら、私たちはこれからも祈りを続けて行くだろう。
色々な祈りが力となって、未来をも変えて行くだろう。
一日でも一秒でも長く、私たちはそれを見届けたい。そして又直ぐに、この人生の続きを別の形、別の入れ物で再開する為に私は必ずここに戻って来る。
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