「第二の脳」 は、こう育てる。 〜僕が Readwise と Obsidian で築いた、情報が勝手に集まる仕組み〜
ネットの海で集めた知識、本当にあなたの力になっていますか?
「いつか読む」の罪悪感、見つからないメモへの絶望…。
これは、僕が “情報の墓守” を卒業し、Readwise と Obsidian を繋ぐことで、出会った知識が自動的に血肉に変わる「第二の脳」を育て上げた、試行錯誤の全記録です。
すべては、あの日の絶望から始まった
フリーランスとして生きる僕らにとって、情報は生命線だ。新しい技術、面白いアイディア、巨人の肩を借りるための思考の断片。それらをいかに効率よく収集し、自分の力に変えるかが、市場価値に直結すると言っても過言じゃない。
かつての僕は、その重圧に押しつぶされかけていた。
ブラウザのブックマークは「あとで読む」で溢れかえり、Raindrop に保存した記事は二度と開かれることなく眠り続ける。 Kindle で引いた無数のハイライトは、その本のページの中に幽閉されたまま。
情報は集めているはずなのに、何も身についていない感覚。まるで、栄養失調の美食家。目の前にはご馳走が並んでいるのに、うまく消化できず、どんどん痩せ細っていくような、そんな奇妙な飢餓感に、僕は毎晩さいなまれていた。
決定的な出来事は、あるクライアントとの打ち合わせ中に起きた。
「確か、あの記事に解決策のヒントが書いてあったはずだ…!」
そう確信した僕は、必死に脳内の記憶とデジタルの海を探った。ブックマーク、メモアプリ、クラウドストレージ…。しかし、断片的なキーワードしか思い出せない。焦れば焦るほど、思考は空転し、結局、その場で的確な返答はできなかった。
打ち合わせの後、僕は呆然とした。あの無力感。集めた情報を前に、ただ立ち尽くすことしかできなかった自分への失望。僕は情報のコレクター、いや、“墓守” に成り下がっていたのだ。集めた知識を弔い、ただ墓標を眺めるだけの、空虚な存在に。
「このままじゃダメだ。集めるだけじゃ意味がない。出会った知識を、思考を、僕という人間の一部にしなくちゃいけないんだ」
その日の夜、僕は自分の情報収集のすべてを、一度更地に戻す決意をした。
Readwise との出会い、そして 「自動化」 という希望の光
僕が「第二の脳」の構築を夢見て Obsidian を使い始めたのは、そんな絶望がきっかけだった。手動でメモを取り、リンクを繋ぎ、少しずつ自分の思考が形になっていく感覚は、確かに僕を救い始めてくれた。
しかし、まだ何かが足りなかった。日々の情報収集と、Obsidian という聖域との間には、まだ深くて面倒な「川」が流れていたのだ。 Kindle のハイライトをパソコンに転送し、コピペして、整形する。 Web 記事の気になった部分を、スクリーンショットやメモで残し、あとで手入力する。
この「手作業の川」が、僕のやる気を少しずつ、しかし確実に削いでいった。「あとでやろう」と後回しにされた情報は、川岸で澱みとなり、やがて忘れ去られていく。
そんなときだった。いつものようにネットの海を漂っていると、ふと「Readwise」という名前が目に飛び込んできたのは。
最初は半信半疑だった。 Kindle、Apple Books、Web 記事(Matter, Raindrop, Instapaper 経由)、さらには PDF や X(旧 Twitter)まで、あらゆる場所のハイライトを「一箇所に集約」し、それを「自動で」各種ノートアプリに同期する…?
まるで魔法のような話だった。しかし、藁にもすがる思いだった僕は、すぐに Readwise のアカウントを作り、Obsidian との連携を試してみた。設定は驚くほど簡単だった。いくつかのボタンを押し、トークンをコピペするだけ。
そして、運命の同期ボタンを押した。
数秒の沈黙の後、僕の Obsidian の中に、見慣れたフォルダが自動で生成された。フォルダ名は「Readwise」。その中を開くと、僕が過去に Kindle の中でハイライトした一節が、寸分違わぬ姿で、そこに「テキストとして」存在していたのだ。
——鳥肌が立った。
これまで僕を隔てていた、あの面倒な「川」が消え去った瞬間だった。橋が架かったんじゃない。川そのものが、魔法のように消滅したのだ。
これからは、ただハイライトするだけでいい。 Web 記事を読んでいて「これだ!」と思った箇所を、読書アプリ「Matter」でハイライトするだけで。本を読んでいて、心を揺さぶられた一節に線を引くだけで。それらがすべて、自動で、僕の第二の脳である Obsidian に集約されていく。
僕は、情報の墓守を、ついに卒業できるのかもしれない。墓標を立てるのではなく、知識の種を植え、育てていける庭師に。そんな希望の光が、はっきりと見えた気がした。
僕の 「第二の脳」 を育てる、オリジナルの魔法の呪文(テンプレート)
この自動化の仕組みは、僕の知的生産のあり方を根底から変えてしまった。インプットの心理的ハードルは極限まで下がり、知識は日々、勝手に僕の Obsidian に蓄積されていく。
しかし、本当の魔法はここからだ。ただ集めるだけでは、いずれ第二の脳も情報メタボに陥ってしまう。重要なのは、集めた情報を「どういう形で」受け取り、未来の自分が再利用しやすいようにしておくかだ。
Readwise の Obsidian 連携プラグインは、その受け取り方を「テンプレート」で自由にカスタマイズできる。これから共有するのは、僕が試行錯誤の末にたどり着いた、オリジナルのテンプレート。僕にとっては、知識の種に最初の栄養を与えるための、大切な「魔法の呪文」のようなものだ。
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