【週初エッセイ】 2 月の朝、窓の外はまだ暗い —— 小さな光から始める一週間
2 月の朝、目が覚める。
窓の外を覗くと、空はまだ濃い藍色のままです。
カーテンを開けても、すぐには明るくならない。
冬の朝は、そうやってゆっくりと、夜の名残を手放していく。
「今週も、始まるか」
その瞬間、胸の奥に、ちょっとした重さを感じることはありませんか?
やるべきこと、やりたかったこと、まだ終わっていないこと。
頭のなかに、一週間の予定がぼんやりと浮かび上がり、体が「うん」と言い切れない。
僕は、長いあいだそうでした。
暗い朝に目が覚めると、なぜか一週間全体が重い荷物のように感じられて、布団のなかでため息をついていたのです。
暗い朝は、 心も沈みやすい
2 月は、まだ夜が長い季節です。
窓の外が明るくなるまで、しばらく時間がかかる。
その「待っているあいだ」に、頭のなかでいろんなことが巡り始める。
今週の締め切り、先週やり残したこと、来週の予定。
やろうと思っていた習慣が、また三日で終わってしまったこと。
暗い窓の向こうを見つめていると、心まで暗くなっていくような気がする。
「今日から、また頑張らなきゃ」と思うほど、体が動かない。
そんな朝を、何度も迎えてきました。
私たちは、いつから「週の始まり」を、そんなに重く背負うようになってしまったのでしょうか。
月曜日が近づくたびに憂鬱になる。
朝、目が覚めた瞬間から、一週間全体を背負い込もうとする。
それは、自分を励ますためではなく、自分を追い詰めるための習慣のようでした。
「小さな光」 から、 始める
ある 2 月の朝、僕は布団のなかで、ある実験をしてみることにしました。
「一週間を始めるのを、やめよう。今日の朝を、始めるだけにしよう」
そして、起き上がったら、最初にやることをひとつだけ決めました。
「小さな光を、ひとつだけ灯す」こと。
僕の場合は、リビングのスタンドを点けることでした。
それだけ。
窓の外はまだ暗いけれど、部屋のなかには、オレンジ色の灯りがひとつともる。
その灯りの下で、コーヒーを淹れる。
湯気が立ちのぼり、香りが広がる。
大したことではない。
でも、その「ひとつの光」があるだけで、頭のなかの重さが、ほんの少しだけ軽くなっていくのを感じたのです。
「一週間を始めなきゃ」ではなく、「今、この灯りを灯した」。
それだけで、朝の始まり方が、ずっと優しくなりました。
小さな光は、 何でもいい
「小さな光」は、灯りである必要はありません。
温かい飲み物を淹れる。
窓を少し開けて、冷たい空気を吸い込む。
好きな音楽を、小さな音量で流す。
自分が「これがあると、少し楽になる」と感じるもの、それが「小さな光」です。
誰かに決めてもらうものでも、立派な習慣である必要もない。
ただ、朝、最初に自分にひとつだけ手渡してあげるもの。
暗い窓の外を見て、心が沈みそうになったら。
一度、目を閉じて、自分に問いかけてみてください。
「今日の朝、ひとつだけ灯したい光は何?」
答えは、無理に出さなくていいのです。
問いを心のなかに浮かべるだけで、ふとした瞬間に、「あ、これだ」と浮かんでくることがあります。
それは、いつものコーヒーかもしれないし、いつもの窓の開け方かもしれない。
とにかく、小さくていい。ひとつだけでいい。
一週間は、 小さな光のあとから始まる
2 月の朝、窓の外はまだ暗い。
それでも、部屋のなかには、あなたが灯した小さな光がひとつある。
その光のあとから、一週間は始まります。
大きなスタートダッシュを切らなくていい。
「今週こそ、全部やり切る」と誓わなくていい。
ただ、今朝、ひとつだけ灯した光を胸に、今日という一日を歩き始めればいい。
暗い朝は、まだしばらく続くかもしれません。
でも、小さな光は、毎朝、あなたが灯すことができる。
その積み重ねが、やがて窓の外が明るくなったとき、「今週も、なんとか歩いてきたな」という実感に変わっていくのです。
2 月の朝、窓の外はまだ暗い。
だからこそ、小さな光から、一週間を始めませんか。
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ひとりごと
2 月の朝、今でも窓の外が暗いと、ちょっと憂鬱になることがあります。
でも、「小さな光をひとつ灯す」と決めてから、朝の始まり方がずっと楽になりました。
今朝、僕が灯したのは、いつものスタンドと、いつものコーヒー。
みなさんの今週が、小さな光から静かに始まりますように。

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