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9 月の僕が捨てたもの、そして見つけたもの

夏の喧騒が遠ざかり、空気が澄み渡る 9 月。

季節が静かに衣替えをするように、僕の内側でも大きな変化が起きていた。

これは、僕がこの 30 日間で脱ぎ捨てた「重い鎧」と、その先で見つけた「ささやかな光」の物語。


僕が捨てた、 3 つの重い鎧

秋の始まり。それは、夏の間、無意識に身にまとっていたものを一枚ずつ脱いでいく季節なのかもしれない。

僕にとってこの 9 月は、まさにそんな月だった。知らず知らずのうちに僕の歩みを重くしていた、3 つの「鎧」を脱ぎ捨てる決意をしたのだから。

完璧な地図という 「幻想の鎧」

以前の僕は、どこかで「計画通りに進めば、理想の場所にたどり着ける」と信じていた。毎週末、僕は次の週のための完璧な地図を描き、その通りに航海を進めようと意気込んでいた。

しかし、9 月の現実は違った。家族のサポート、予期せぬ OS のアップデート、生活の中の小さなトラブル。僕が「日常のノイズ」と呼んでいたそれらは、僕が描いた美しい地図をいとも簡単に破り去っていった。

この経験を経て、僕は悟ったのだ。「計画とは、乱れることを前提に描くべきだ」と。完璧な航路図を握りしめるのではなく、荒波の中でも進むべき方角を見失わないコンパスを持つことの方が、ずっと重要だった。僕は、その幻想の鎧を脱ぎ捨てた。

数字の向こう側が見えない 「孤独の鎧」

フリーランスとして発信を続けていると、否が応でも「数字」が目に入る。いいねの数、PV 数。ありがたいことに、僕の発信にも、ある程度の数字はついてきてくれていた。

けれど、僕の心は不思議と満たされなかった。画面に表示される数字が増えても、その向こう側にいるはずの人の顔が見えてこない。本当に僕の言葉が届いているのか、確信が持てない。それはまるで、観客の顔が見えない舞台で、一人芝居を続けているような感覚だった。

数字は確かにある。でも、手応えがない。僕は、この数字だけを追い求めるやり方への執着という「孤独の鎧」を、捨てることに決めた。

完璧主義という 「停滞の鎧」

僕には、長年温め続けている、自身の核となる大切な創作活動があった。それは僕の分身であり、僕が世界に届けたいと願う物語そのものだ。

それなのに、僕はその大切な創作を一歩も前に進めることができずにいた。

「まだだめだ、もっと良いものが作れるはずだ」
「今じゃない、もっと準備ができてから」

完璧主義という名の呪いが、僕の手足を縛り付けていたのだ。それは、自分を守るための鎧のようでいて、実は僕をその場に縛り付ける「停滞の鎧」だった。この 9 月、僕はついに、その重く錆びついた鎧を脱ぎ捨てる覚悟を決めた。

9 月の転機となった、あの日

重い鎧を脱ぎ捨てる。言葉にするのは簡単だが、それは痛みを伴う行為だ。その決意を僕に与えてくれたのは、9 月のある日の、ささやかな出来事だった。

広い海に、瓶を流す日々

数字はあれど、手応えはない。そんな日々は、まるで広い海に向かって、返事のこない手紙の入った瓶を、ただひたすらに流し続けているようだった。

この手紙は、誰かに届いているのだろうか。
この海は、そもそもどこかに繋がっているのだろうか。

そんな孤独な問いを胸に抱きながら、僕はキーボードを叩き続けていた。

初めて届いた 「返信」

そんな中、僕は一つの小さな実験的な試みを始めた。大々的なものではない。僕が信じる価値を、もっと小さな、もっと直接的な形で届けてみよう、という試みだ。

すると、ある日。
僕が流した瓶への、初めての「返信」が届いた。

それは、SNS の通知のように刹那的なものではなかった。僕が始めた小さな試みに、確かに「応えて」くれる人が現れたのだ。その人が、僕の差し出した手を、静かに、しかし力強く握り返してくれた。

灯台の光

その瞬間、僕の世界の見え方は変わった。
たった一つの確かな繋がりが、僕の孤独な航海を照らす、力強い灯台の光となった。

僕の言葉や経験は、数字の向こう側で、確かに誰かの心に届いていたのだ。

この確信こそが、僕に 3 つの重い鎧を脱ぎ捨てさせた。完璧な地図がなくても、この光を目指せばいい。数字の向こうにこの人がいると思えば、孤独ではない。完璧でなくても、この人のためにまず一歩を踏み出そう。

あの日、僕の 9 月は、本当の意味で始まったのだ。

鎧を脱いだ場所で見つけた、 3 つの光

重い鎧を脱ぎ捨てた心には、新しい光が差し込むためのスペースが生まれていた。

僕がこの 9 月、新たに見つけた 3 つの「光」について語りたい。

「余白」 という名の、しなやかな強さ

完璧な計画という幻想の鎧を脱いだ僕が見つけたのは、「余白」という名の、しなやかな強さだった。

計画にバッファを設ける。それは単なる時間調整のテクニックではなかった。予期せぬ出来事や、心と思考のノイズすらも「そういうものだ」と受け入れる、心の姿勢そのものだった。

ガチガチに固められた計画よりも、変化に対応できる余白のある計画の方が、ずっと遠くまで僕を運んでくれる。そのことに、ようやく気づくことができた。

「実験」 と割り切る、軽やかな勇気

届かないやり方への固執というプライドの鎧を捨てた僕が手に入れたのは、「実験」と割り切る、軽やかな勇気だった。

成果が出なければ、やり方を変えればいい。失敗は、次に繋がる貴重なデータだ。そう思えるようになった途端、僕の発信活動は「評価される場」から「学ぶ場」へと変わった。

このフットワークの軽やかさこそ、停滞していた僕が最も必要としていたものだったのかもしれない。

「たった一人」 がくれる、 1000 の数字に勝る熱量

そして、孤独の鎧を脱いだ僕が心から実感したのは、「たった一人」がくれる熱量の大きさだった。

1000 の「いいね」よりも、たった一つの確かな繋がり。
数字では決して測ることのできない、その温かさ。

その繋がりこそが、僕の創作の原動力であり、この航海を続ける理由になる。僕はこの 9 月、自分のコンパスが指し示すべき、本当の「北極星」を見つけたのだ。

「捨てる」 と 「見つける」 を加速させる、僕の月次レビュー術

この内面的な変化は、偶然起きたものではない。僕が毎月実践している「月次レビュー」という習慣が、その土台となっている。

今回は特別に、僕がこの 9 月の振り返りでも用いた「KPT 法」によるレビュー術と、そのテンプレートを共有したい。

📌 KPT 法とは?

Keep:
続けていきたいこと(自分の「光」を見つける作業)

Problem:
問題点・改善したいこと(脱ぎ捨てるべき「鎧」を特定する作業)

Try:
次に試すこと(「鎧」を脱ぎ、「光」を育てるための具体的なアクション)

この 3 つの視点で 1 ヶ月を振り返ることで、「捨てる」と「見つける」のサイクルを意識的に回すことができる。

僕の月次レビュー用テンプレート

読者のあなたもすぐに実践できるよう、僕が実際に使っている月次レビューのテンプレートを共有する。(Obsidian や Notion で使いやすい Markdown 形式です)

# Monthly Review: YYYY年MM月

## 1. KPT法による振り返り

### Keep(このまま続けたいこと)
- 良かった点、うまくいったこと、継続したい習慣などを書き出す
- 

### Problem(問題点・改善したいこと)
- うまくいかなかったこと、課題、やめたい習慣などを正直に書き出す
- 

### Try(来月、新しく試すこと)
- Problemを解決するための具体的なアクションプランを立てる
- 

## 2. 総合評価
- **今月の総合評価 (5段階)**: 
- **評価の理由**:
- **この1ヶ月で最も成長を感じた点**:
- **来月への意気込み**:

このシンプルなテンプレートが、あなたの内なる変化を見つめる、静かな時間の一助となれば嬉しい。

あなたの 9 月は、どんな物語でしたか?

9 月という 1 ヶ月。
僕にとっては、目標をどれだけ達成できたかということ以上に、何を捨て、何を見つけられたか、という内面的な旅の方が、ずっと大きな意味を持っていたように思う。

夏が終わり、新しい季節が始まる。
この静かな季節の変わり目に、少しだけ立ち止まって、あなた自身の物語を振り返ってみてはいかがだろうか。

あなたの 9 月は、どんな物語でしたか?

ひとりごと

この note を書きながら、僕は自分の月次レビューのファイルを見返していました。そこには、決して順風満帆とは言えない、僕の奮闘の跡が生々しく記録されています。

でも、不思議と今は、そんな不格好な自分を、愛おしく思えるようになりました。

毎月の振り返りは、自分への通信簿をつけるためのものではないのかもしれません。うまくいかなかった自分を責めるのでもなく、うまくいった自分を褒めるのでもなく、ただ「そうだったんだな」と、ありのままの自分を受け入れるための、静かな儀式。

あなたにとっても、月次レビューがそんな時間になることを願っています。

2025© おおとろ

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