口では言えなかった納期を先に文章で合意した
吃音の僕の夏休み前テンプレ (Q&A 募集)
毎年、夏が来るたびに繰り返していた失敗があります。
「お盆前に間に合いますか?」
その一言が、オンライン MTG の流れの中で突然やってくる。
間に合う、と言えば自分が無理をする。
難しいです、と言えばクライアントを失望させるかもしれない。
吃音の僕には、焦りの中で言葉が詰まって、どちらも出てこない。
結局、「確認してから連絡します」と返して、後から悩む。
今は同じ問いが来なくなりました。
夏休みの前に、先にテキストで置くようにしたからです。
「いつまでに?」 はリアルタイムで来る
みなさんは夏休み前の納期調整、どうしていますか?
会社員であれば「夏季休暇はこの期間です」と総務から一斉通知が来て、クライアントも自動的に分かってくれます。
フリーランスは違います。
自分の休みは、自分で伝えなければ伝わらない。
しかも、その問いはたいていリアルタイムでやってきます。
オンライン MTG の終わりぎわ。
Slack のチャンネルに飛んでくる「そういえば」の一言。
電話口で「今、少しいいですか」から始まる確認。
吃音のある僕にとって、リアルタイムの会話は今も高いハードルです。
頭の中には言いたいことがある。
でも、口を開くと詰まる。
焦れば焦るほど、言葉が出なくなる(汗)
「また答えられなかった」という後悔を、毎年夏に繰り返してきたのです。
夏が来るたびに消耗していた
フリーランス歴が長くなっても、夏休み前の納期交渉は苦手でした。
電話で「今年のお盆はいつお休みですか?」と聞かれると、胃がきゅっとなる感覚があります。
答えを用意していても、声に出すと詰まる。
「え、あ、えーと…」と間が空く。
相手が「大丈夫ですか?」と気を使ってくる。
余計に焦る。
結局「後ほどメールします」で電話を切って、メールを書くのにも時間がかかって——。
夏休みの話をしているだけなのに、エネルギーを消耗する。
長期案件の 3 ヶ月目に「深夜に連絡が来る」「週末にちょっと確認が積まれる」という経験をしたとき(口で言えなかった境界線を、文章にした)、僕は気づきました。
境界線は話し合うものではなく、書いて先に置くものだ。
夏休みの納期も同じでした。
吃音と 「言えない」 の構造
少し、吃音の話をさせてください。
吃音がない人からすると、「テキストで返せばいいじゃないか」と思うかもしれません。
吃音があると、テキストの返信にも独特のプレッシャーがかかります。
焦りや疲弊の中で文章を書こうとすると、頭の中で言葉が渋滞する感覚がある。
「ちゃんと断れているか」「失礼に見えないか」が異様に気になって、送信ボタンを押せなくなる。
電話が鳴るたびに心臓が跳ね上がる感覚——
あれは連絡への全般的な緊張として根を張っていて、テキストにも波及することがあります。
だから口で言えない納期の話は、テキストでもすぐには返せない。
言いたいことが出てくる前に、相手の話は次へ進んでいく。
言えないまま会議が終わる。
受け入れたと解釈される。
これは、僕の意志の弱さではありません。
リアルタイムコミュニケーションと吃音の相性の問題です。
だから、リアルタイムで答えなくていい状況を先に作るのです。
「いつまで?」 が来る前に先に置く
GW の不在通知テンプレを作ったとき(GW 中の既読スルーに潰されかけた僕が変えた「伝える技術」)、気づいたことがありました。
伝える技術の核心は、「何を言うか」より「いつ置くか」だった。
相手が一番困るのは「この沈黙、なにか怒ってる?」「急ぎだったのに無視された?」という不確かさです。
「5 月 7 日以降に返します」と事前に伝えてあれば、沈黙は「休暇中」というラベルが貼られる。
夏休みの納期も、まったく同じ構造でした。
「お盆前に間に合う?」という問いが来るのは、相手が文脈を持っていないからです。
僕がいつ休むのか知らない。
僕がどんな制作スケジュールで動いているのか知らない。
だから「そういえば聞いておかないと」とリアルタイムで来る。
先に文脈を送っておけば、問いは来ない。
来たとしても、「あのテキストを参照してください」で終わる。
吃音の僕が「先に書く」ことを覚えてから、夏の消耗はほぼなくなりました。
夏休み前テンプレの全体像
夏休みの前に先に置くテキストは、以下の 3 要素で構成します。

| 要素 | 内容 | 目的 |
|:---|:---|:---|
| ① 休暇期間の通知 | いつからいつまで休むか | 相手の頭に「この期間は沈黙する」文脈を作る |
| ② 納期への影響と代替案 | お盆前後の納品ラインと調整案 | 「間に合う?」の問いが来る前に答えを置く |
| ③ 緊急連絡の定義 | 本当に急ぎの場合の連絡方法 | 沈黙への不安を取り除く |この 3 要素が揃えば、相手はリアルタイムで確認しなくていいと判断できます。
実際に僕が使っている夏休み前テンプレ (3 パターン)
ここからは、実際に僕が使っているテキストをそのまま公開します。
関係性や案件の状況によって使い分けている 3 パターンです。
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