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同じ?違う?

ねえ、見てごらん。
このお馬、ちょっと怖いよ?



旅の途中で立ち寄ったのは
その地では有名な神社。

神社の入り口には
等身大の神馬の模型があって
親子の母親は
模型をじっと眺めていた。



ねえ
あっちの風鈴に行きたい。

親子の小さな女の子は
神馬には目もくれず
見えない音の元へ行きたいとせがむ。



ふふふ。
その様子を見ていた私は
つい笑ってしまった。



母親は目に見える神馬が
女の子は目に見えない音が
気になっている。

同じ場所に居ながらにして
感じるものと興味の先が
違って面白い。




境内を散策していると
ぽつぽつ?
いや、パラパラパラッと
賑やかに雨が降ってきた。



小学校のとき
プールが中止になった
あの日と同じ涼しさだ。



うわっ懐かしい!

木々やお空を見上げては

ここは傘になる!
ここはびちょびちょになる!

と、大人げなく
うきうきしてしまった。




そうこうしているうちに
またあの親子が通っていく。



今度は小さな男の子が母親に

渇いているところと
濡れているところがあるよ。

と地面をみながら言った。



おお!本当だ!
私も地面を見てみると

確かに
木々の傘の下は渇いていて
木々の傘の外は濡れていた。



同じ雨、同じ木の下で

私は上をみていた。
男の子は下をみていた。




同じなのに違う。

違うのに同じ。



そう。
同じ体験をしていても
見えている世界は
みんな違うんだよね。



この日の私は
違うことが
面白くって楽しかった。

心が栄養で満タンだったから。




でももし
心の栄養が少ない私だったら?

違うことが
寂しく悲しく感じたかもしれないね。



これから先
違うことが
寂しい悲しいって感じたら?

同じものもある
って思えばいいのかもね。




同じなのに違う。

違うのに同じ。



とある神社での
思い出話。