③サンスケさんが大切にしている言葉は?
【おしらせ】Keishi Tanakaさんが十勝毎日新聞に連載している「音楽と共に生きる人〜人の気配」にサンスケさんのことが載っています!
【「②サンスケさんの、そばにある1曲」から続く】
では3つ目の質問で、サンスケさんが大切にしている言葉を教えてください。
これはちょうどこの前、さだまさしさんがテレビで言ってた“出し惜しみをしない、全て出し尽くす”。
さださんがステージで演奏するより喋ってる方が長いのは、とことん楽しんで帰って欲しいからで、残りあと何年やれるかも分からない。だから1回1回のコンサートをとても大事にしていてさ、そこにすごく共鳴したんだよね。ボクもこの前フジロックに出させてもらって、そこで会う人とも一期一会だと思ったりしたし“ここで精一杯やれるだけやろう”って。さださんの言葉には寄せられたね。
わたしも前に「今夜も生でさだまさし」で谷村新司さんを追悼する中で確か南米でのエピソードに最高に笑わせてもらったし“舞台に出るってこういうことだな”と。言語が出来なくても南米で沸かせたコンサートの話が最高で“ステージに出たら、その場を作る”と教えてもらいました。ちょうど騎馬武者ロックフェスの前日だったのでよく覚えてるんですけど(笑)。
そうそうそう、取り繕ったりせずに、その場を作る。場を作るってとても大事なことなんだよね、DJとしてもそれが役割だと思っているし。その上で、全てを出し尽くす、だね(一同笑)。
色んなイベントがある中で、例えば出演者の並びを見たりしてある程度、選曲の感じは決めて向かうものですか?
ある程度はね。でも、ある程度にしてる。決め打ちするDJもいるけどボクは、その場の雰囲気、空気感に身を委ねる感じかな。
そもそもレコードでのDJだと、決めないと持って行くレコードの数も大変だと思うし?
もう歳だし(笑)、タイムテーブルは事前に渡されるから持っていく枚数は限られてるよね。皆がそうだとは限らないけど、歳とってくると7インチのシングルレコードが多くなってくるかもね。7インチも音が良いし、元々ボクはスタイル的にそっちなんだけど、DJは色んな現場もあるし、他のDJの方には“LPも12インチも、あらゆるメディアで良いものがあるから、それも持って来いよ”って言われたりもするんだけどね。
場所は勿論イベントにもよるところはあるけど、“今日はこのレコードだけは絶対かける”っていうイメージがあって。そのレコードを軸にして盛り上がりを持っていく、みたいな感じかな。その日のテーマとかカラーを何となくその場で察知しながら、あとはお客さんのことを見ながらDJをしてる。偉そうなことを言うわけじゃないけど、お客さんからお金をいただいてDJをやっているわけだからね。
(選曲を)決めて行っちゃうとお客さんのことを見ないでやってることになるし、それだったらそこでDJをやらなくても良いじゃん、って思っちゃったりするからね。あくまで自分は、そういう感じかな。

ではいよいよ、こちらの写真の場所・2024年のフジロックにDJとして出演した時のことを伺っていきます。フジロックの時も同じように“この曲をかけるぞ”っていうのだけを決めて行った感じ?
そうだね。決められた時間内にちゃんと収めなくちゃいけないから、ざっくりと“この曲はかけたいな”っていうのは考えてはいたけど、あとはその場でね。それこそ、さださんの話じゃないけど“これでDJ人生が終わってもいいや”と思って、やった部分もあって。自分がこれまでキャリアを積み重ねてきて大事にしていた曲はかけたいなと思ってた。さっき(インタビュー中に)アラームが鳴ったでしょう?これは朝霧JAMの時間に合わせてるからなんだけど(一同笑)、フジも朝霧も緊張感を持ってやらないと、と思ってアラームをかけて。アラームが鳴ったらシャキッとしよう、って(笑)。
フジは昼の1時頃の出番だったんだけど(7/28・SUN/BLUE GALAXYタイムテーブルにサンスケさんの名前が!)、終わったら、BLUE GALAXYっていうステージの名物DJ・ジム(Jim West)さんとジェイソン(・メイオール/インタビュー②参照)がやって来て“夜のこの時間が空いてるからサンスケ、DJをやって”って。おぉお~!って、それは嬉しかったね。“ただし、ノエル(・ギャラガー/ヘッドライナー)の裏だぞ”って(笑)。やったところで一体誰が来るんだろう…とも思ったし、(昼のDJ)1回のイメージしか持ち合わせてなかったけど、勿論レコードは持って来てるし夜まで時間もあったから。こういうイメージに…っていうのを、自分の中で沢山しながら。夜に備えたんだけどね。
なんと光栄な…それでどうなりました??
いざブースに立ったら、すんごい数のお客さんが来てるんだよ!もうね、びっくりするぐらい。なんとかやり切ったら、終わってもお客さんが皆、帰らないでブースに立ち寄って話しかけてくれて。多国籍で色んな言葉が聞こえてきて、あの場所に行かないとあれは味わえないよね。あの経験は、あのステージに立たないと分からないものだったなと思う、本当に素晴らしいことだったよ。

朝霧JAM 2024にて☆
今日イチ良い表情で話しているところからも感動が伺えますよ。改めて、今年のフジロック出演はいかがでした?
自分が想像してた景色をはるかに上回って、超えてたよね。とても感動したよ。音楽が持ってる力って…ボクはDJとして“この曲で楽しんで”ってレコードをかけているだけだから。そこにあんなに人が楽しんでくれて、最後にはねぎらいの言葉をかけてもらって。DJ冥利に尽きることは、これまで何回かあったけどさ、フジはDJ冥利をさすがに超えたよ(一同笑)。
よくライブでも出演者がステージからお客さんと一緒に自撮りしてSNSにアップしたりしてますけど、サンスケさんは撮ってない…か?
ないね、もう余裕なんかなかったよ(笑)。次かける曲を決めなきゃいけないけど、ボクがかける曲って3分ぐらいで終わっちゃうしね。
フジでは三味線が入った日本の曲を、つい出来心みたいなこところもあってかけたら“何これ?”みたいな雰囲気になったんだけど(笑)、一旦壊してみたりして、お客さんを驚かせたくなっちゃう。とにかくインパクトとか、人の記憶に残るようなDJをしたいと思ってね。“フジに出るなら”って、レアな7インチのシングルレコードを2枚買って。それでフジに出かけたんだよ。
実際にその曲はプレイして?
したよ!そこからは毎回、色んな現場でもプレイしてる(笑)。レコードは、かけてなんぼだから、出し惜しみせず(一同笑)。
ちなみにその1曲だけでも教えてもらうと?
ジャマイカのシンガーで、プリンス・バスターの「カシアス・クレイ」っていう曲なんだけど、関係者の人たちはやっぱり一目置いたと思う。“お前このレコード持ってるのか…!”って感じで。ディーラーに探してもらったんだけど、ジャマイカの有名なDJの所有物を譲り受けたディーラーがいて、それで希少なレコードを譲ってもらえたの。レコードはね、そうやって旅をしてくるんですよ。そんなレコードを然るべき場所でプレイできたっていうのはやっぱり、レコード自体がレコード冥利に尽きるかもしれないよね。レコード自体が嬉しかったと思うよ(笑)。
三味線が入った日本の曲も、フジに出ることが決まってからDJとして呼ばれて行った街のレコード屋さんにあって、フジでもかけたんだけどさ。その出会いも面白かったなと思ってね。朝霧でもかけたけど、“朝霧でこんな曲をかけるのか!?”って、振り向かれたレコードだったね。でもその時のことを“サンスケくんがかけていた曲が最高だった”みたいに記してくれてる人もいてさ。
「カシアス・クレイ」という曲はなぜ知ってたの?
ギャズ(・メイオール/インタビュー②参照)がね、プリンス・バスターのベストセレクション的なCDを監修してずっと聴いてたんだよ。おそらくそのCDも廃盤になってると思うんだけどね。日本でもこの7インチは持ってる人は少ないかもしれないね。そういうレコードたちを持って、フジと朝霧に向かったところはあるよね。
そして朝霧JAM 2024の感想も聞きましょう!
朝霧こそ“最高のキャンプフェス”って言う人もいるし、自分はフェスと縁遠かったけど朝霧にも出られたのは本当に良いきっかけになったと思ってる。朝霧もフジ同様、想像を超えたスペシャルなものだったよ。中々面白いラインナップだったし、新しい出会いもたくさんあったし。こうやって旅に出ることでやっぱり、人に出会えるからね。音楽家としてはすごく充実してると思う、ボクはやっぱり、人に出会うことが好きなのかな。

recordshop 「SNOKEY RECORD」と
レコードショップ隣に併設のmusic bar「SMOKEY JOES CAFE」を
栃木県宇都宮市で展開
独自のイベントをこの場所で企画・運営しながら
自らもDJとしてイベント等に出演し
2024年にはFUJI ROCK FESTIVAL'24・BLUE GALAXY
朝霧JAM2024・CARNIVAL STARのステージへ
趣味:旅すること
好きな食べ物:蕎麦/出汁が染みた豆腐
【「④サンスケさんの、これから」に続く/1月10日(金)公開予定】
