サッカーW杯で思い出した、24年前のハイタッチ。
サッカーW杯も、いよいよクライマックス!
皆さん、今大会は満喫できていますか?
日本代表が負けたので、もう観ていないかな?
期間中、きっとたくさんの人がサッカーネタを書いたことでしょう。一方で、サッカーは詳しくないからと、筆が進まなかった人もいたかもしれません。
さて、僕ならW杯をどう描くかな。
そこで今回は「ネタの救急箱」番外編として、1本書いてみようと思います。
ちなみに僕はサッカーがあまり詳しくありません。実は今大会もほとんど観られていません。そんな中、どんな切り口を考えたのか、まずは書き上げた文章をご覧ください。
サッカーW杯と聞いて、真っ先に思い浮かんだのは、24年前のある光景です。
当時は日韓共催のW杯で国中が大盛り上がり。しかも、その日は日本代表が歴史的な初勝利を挙げていました。
僕はまだ駆け出しのペーペー。終電間際に仕事を終え、西武新宿駅へ向かっていました。
歌舞伎町交差点、靖国通りの横断歩道で信号待ちをしていると、通りの向こう側に人がごっっっさり。こちら側、僕の隣にも後ろにもごっっっさり。
夜も遅いというのに、なんたる人の群れ!
テンション高めのガイズたちが数百人!
見ると、8割が青のユニフォームを着ていました。
仕事終わりで疲れている僕はうんざり。
どう避けて渡ろうか、それだけを考えていました。
ところが、ここから思わぬ現象が。
信号が青になる。
両岸からぶわぁ〜っと人の波が動いていく。
そして、通りの中央で……、
「ウエェーーーイ」
「おめでとォォォォォ!」
「勝ったぞォォォォォ!」
なんと、何百人が一斉にハイタッチしていくではありませんか!
もちろん、彼らは見知らぬ通行人同士。普段なら目を合わせることもなくすれ違うだけだったでしょう。
しかし、この日ばかりは〝エモいわれぬ一体感〟に満ちていたのでした。
流れで僕もハイタッチ。
次の人ともハイタッチ。
また次の人ともハイタッチ。
またまた次の人ともハイタッチ。
W杯ってすげえな!
きっと、あの場にいた誰もが、ドーハの悲劇に肩を落とし、ジョホールバルの歓喜に絶叫したはずです。あの通りを渡った数分間、僕らは確かに「同志」でした。
あれから、およそ四半世紀――。サッカー途上国だった日本は、強豪国に一目置かれる存在にまでなりました。その強さはあのころ、国中を包んでいた一体感がつながったからこそだと思います。
ただ、あの熱さは時とともに弱まっている気もします。W杯には出て当たり前、予選で勝つことも想定内、代表のほとんどは海外組、メディアでの露出も以前と比べると……。
きのう、報道ステーションでは日本代表・中村敬斗さんの企画を放送したのですが、その取材中にも「一体感」というワードが出ました。
中村さんによると、負けた直後にメディア出演を承諾したのは、長友佑都さんの言葉があったからだそうです。
曰く「日本がより強くなるためには、もっと国中に一体感がないといけない。だから、日本サッカーの認知を上げるためにも、できるだけ出てほしい」と。
はたして、あの〝エモいわれぬ一体感〟を味わえる体験は再び訪れるのか。もしも実現したなら、今度は流れではなく自らハイタッチしに行こう。きっと日本代表が頂点に立ったときだろうから。
如何でしたか?
詳しくないなりに、観ていないなりに形にはなったのではないでしょうか。では、ここからは思考プロセスを解説していきます。
①ネタは場面から探る
題材はサッカー。詳しくはないので、専門的な情報ではなく、自分の記憶から、感情が動いた場面を探し出しました。
②その場面で生じた感情を描く
ここで伝えたかったのは、かつてない一体感です。あのころの空気を知っている世代には共感を、知らない世代には発見を促したいなと。
③軸となるキーワードを固めておく
話の方向性を決めるとき、話を広げるときにキーワードを固めておくと、書き手も読み手も迷いにくくなります。今回は感情=キーワードとしています。これがあることで、24年前と現在の橋渡しができています。
ちなみに「一体感」のニュアンスを強くするために「エモいわれぬ」という造語の形容詞も付けました。
④情景描写をしっかり
意識しているのは、相手がその場の光景を映像として浮かべられるようにすることです。時間、場所、経緯、周囲の様子、僕の心情など。
僕はいつも「自分ならでは」の文章を心掛けています。
自分ならではの切り口、自分ならではの体験、自分ならではの表現……。その一つ一つにこだわることこそ、読まれる文章につながると考えています。
さて、仮にあなたがW杯について書くなら、どう描きますか?
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