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GPIFシミュレーション〜円買い規模のイメージ作り〜

必要なことは「国富の再定義」
ご案内の通り、先週金曜日、金融市場は片山財務大臣の「家計や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をはじめとする年金基金が日本の金融資産にさらなる投資をする方向で後押しする方策を追求したい」との発言を受けて円高・株高・金利低下とトリプル高の様相を呈しました:

本稿執筆時点では発言の意図する政策変更の内容やその時期などが判然としないため、詳細に論じることは難しそうです。

但し、手段はさておき、政策の方向性として国内回帰を促す姿勢自体は必要なものです。かねて本欄や拙著では論じているように、政府・企業・家計の3部門が保有する潤沢な外貨建て資産が日本へ還流しないことが「仮面の黒字国」の実相であり、ここにメスを入れることが抜本的な政策対応というのが私が常々主張してきた論点でもあります:

「世界最大級の対外純資産」は日本の富には違いありません。しかし、その構造変化を経て、もはや本当に国富と言えるのか?という分析は本欄でも繰り返し行ってきたものです:

日本国民に裨益していないのであれば、そもそも必要なことは「国富の再定義」です。年初来、方々で強調させて頂いている点ですが、地政学リスクが多発しやすい世相を踏まえれば、かつては円高要因として理解されていた「国境の外に沢山の資産を抱えている」という事実はプレミアム要因ではなくディスカウント要因になり得ます。これほど巨額の対外純資産を抱えていても円の価値が名実双方のベースで切り下がっている理由は真摯に検討する必要があるでしょう。

こうした認識に基づけば、年金資産の運用に焦点を当てる正否はさておき、資金還流を促す動きに着目する機運自体はいずれにせよ必要とは思います。

今回はGPIFのポート変更が仮に国内資産寄りに傾斜した場合、どの程度の円買いを想定すべきなのか?についてシミュレーションをご紹介します。結論から言えば、極めて巨額であるため、需給分析を主柱とする筆者としては全く見過ごせない動きになるとは考えています。

軽々にポートフォリオの修正が起きるとは特に考えておりませんが、頭の体操として手を動かすことは意味があるとは思います。

公的年金運用は1年前からテーマ
ちなみに、GPIFに象徴される年金運用のポートフォリオ変更の可能性は昨年以来、断続的に取り沙汰されてきたものであり、今に始まった話ではありません。この辺り、本欄ではかなり早くから着目してきましたし、エコラボでも掘り下げてきた経緯があります。これらは1年前の動画・寄稿です:

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