No free lunchを痛感する時
欧州政治プレミアム?
本日は最新のエコラボ、配信させて頂きました。反響が大きかった、日韓デジタル赤字比較を議論させて頂いております。ご参考になれば幸いです:
さて、金融市場では円安は元より、円金利上昇が話題を集めています。為替よりも債券の方が注目を集めることが近年、多くなってきました。2022年以前では殆どなかった話です(マイナス金利など下方向で話題になることはままありましたが):
5月19日には10年国債の金利が一時2.8%台と、29年半ぶりの水準に達し、国内の経済・金融情勢に対する影響を懸念する状況にあります。大前提として金利上昇は日本固有の事象ではなく世界的な潮流であり、その背景としては欧州政治の不安定化、イラン情勢に伴う原油価格高止まり、インフレ期待の上振れ、最終的には中銀のタカ派傾斜などを指摘する声が多く見られます。
特に欧州政治ではスターマー政権の歴史的敗北を受け、今後の展開が全く読めなくなってしまった英国政治を筆頭に、2027年に大統領選を控えるフランスではマクロン大統領の支持率が20%台まで落ち込み、ドイツのメルツ政権も就任1年で最低の支持率まで追い込まれています。
本欄でも何度か取り扱いましたが、政治・外交面では米国からの戦略的自立というテーマが比較的、金融市場では好意的に評価されてきたのが欧州でした。しかし、この論点は国民の支持獲得には結びついていないようです。この辺りは別途、機会を設けて、現状を整理したいと思います:
欧州政治にまつわるプレミアム以外では、米国の消費者物価指数や卸売物価指数の加速を受け、FRBに対する利下げ期待がほぼ消滅したことが金利上昇の契機となった印象もあります。ECBに至っては6月利上げが既定路線となっていますから、直接的にはこうした海外中銀のタカ派傾斜といった視点が大きな影響を与えていそうです:
通貨安と金利上昇の併発は日本特有
このように国債利回りの急騰についてはグローバルな背景があるのも事実です。とはいえ、「通貨安と金利上昇の併発」は日本固有の争点でもありますから、気持ち悪さは残ります。なお、5月19日に限れば、26年度補正予算編成の影響を指摘する声もありますが、円金利上昇はかなり前から起きているトレンドでもあります。財政リスクプレミアムの高まりは無関係ではないと思いますが、一義的な理由なのか確信は持てません。
結論から言えば、近年の傾向を踏まえると、円安との因果関係に関心を向けるのが優先ではないかと感じます。
「円安→インフレ→円金利上昇」
先に断っておきますが、金利上昇の要因は1つではないため、何か1つの論点に帰責させて議論を進めるのは危ういとは思います。
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