「米国離れ」は本当なのか?
「米国離れ」の検証
6月ももう終わりですね。1年の半分が終わります。週末には最新の「エコラボ」も配信されました。noteで取り扱ったNATO首脳会議について詳しく掘り下げさせて頂いております。石破首相が欠席したことで一気に日本メディアの取り扱いがトーンダウンしておりますが、市場参加者として知っておいた方が良い国際情勢の1つかとは思い、主題とさせて頂きました。もし宜しければ観てやってくださいませ:
そのほか正直、6月はネタ枯れという感じが強く、個人的にはいつも通り筆を動かす一方、課題だったハードデータの構築に努めた月でもありました。
なかでも米財務省が公表する対米証券投資統計(通称TICデータ)は非常に重要でして、更新をサボっていたデータセットの1つではありましたが、この度全て作り直してみました。TICデータは毎月中旬頃に2か月前のデータが出てきます。今後、これを使って国際金融資本の流れを大まかに掴む努力をしていきたいと思っています。
TICデータは、報道上、米国債保有残高の国別ランキングが話題になる統計ですが、6月18日に発表された4月分の数字は日経新聞ですら、かなり控えめな記事にとどまっていました:
これはこれで重要な統計であるものの、TICデータはあくまで米国の対外・対内証券投資統計ですから、米国債の保有残高というストック概念以前に証券投資の買い越し・売り越しというフロー概念の捕捉もできるデータです。というか、これを国・地域別に入手できるわけですから、かなり重要な示唆を含んだ数字だと思います。部分的(あくまで部分的、です)には巷説盛り上がっていた「米国離れ」の検証を可能にするデータと言っても過言ではありません。
4月を思い返しましょう。4月2日の相互関税発表を受けて「米国債離れ」、「ブレントウッズ体制2.0」、「ドルの基軸通貨性崩壊」等々…米国から国際資本が引き揚げられるという説が散々盛り上がった時期でした。その都度、本欄では「議論が性急すぎる」と距離を置いてきました。
とりわけ為替の観点に限れば「トランプ政権によるドル安誘導」はナラティブだったという整理で構わないでしょう。これも5月のnoteで論じました:
その4月。米国の有価証券絡みでどういったフローがあったのか。それを国・地域別に可視化できるのがTICデータなわけです。あれだけ騒いでおいて、いざ数字が出たら無関心というのはあまり責任ある分析態度とは言えないと思います、今回、定点ウォッチのために色々作ってみました。
恐らくあまり(特に日本語で)話題にならないのはこのデータを取るのが想像を絶するほど面倒だからではないかと思います。まだ途上ではありますが、今年4月に関して見えている事実を定量的に議論したいと思います。
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