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【試験まであと90日】【糖尿病専門医試験・直前対策】1日5問ドリル Vol.7「慢性合併症編」(網膜症/神経障害/足病変/大血管症/血圧・脂質管理)

今回は、糖尿病診療の“本丸”である慢性合併症です。細小血管症(網膜症・腎症・神経障害)と大血管症、そしてそれを支える血圧・脂質管理まで。試験では「進行段階」「診断法」「目標値」がそのまま問われます。腎症はVol.2で扱ったので、本Volは網膜症・神経障害・足病変・大血管症・血圧脂質を軸にします。


作問の軸は、日本糖尿病学会『糖尿病専門医研修ガイドブック』です。2026年7月16日に改訂第10版が発売されたばかりで、私はこの最新版を手元に置いて作問しています(従来の改訂第9版も併せて参照)。


巻末には「記述チェック」を設けています。合併症の分類・目標値は記述で狙われやすいので、書けるかを自分で確認してください。


※ 出題範囲・版は年度ごとに更新されます。正確な範囲は当年度の受験要項でご確認ください。


この記事の使い方


まず5問を解き、第1問の解説(無料)で密度を確認してから残りへ。各問に比較表・頻出ポイント、巻末に横断整理と記述チェックを付けています。


問題(全5問・無料)


第1問 糖尿病網膜症


糖尿病網膜症について、正しいものはどれか。2つ選べ。


1. 網膜症は単純→増殖前→増殖の順に進行し、増殖網膜症では新生血管がみられる

2. 血糖の急激な改善により、網膜症が一時的に悪化することがある

3. 増殖網膜症では、必ず視力低下などの自覚症状を伴う

4. 網膜光凝固は、低下した視力を回復させる目的で行う

5. 網膜症の管理に血圧は関与しない


第2問 糖尿病神経障害


糖尿病神経障害について、正しいものはどれか。2つ選べ。


1. 多発神経障害は両側性・遠位優位(下肢から)で、感覚障害が先行しやすい

2. 自律神経障害では、起立性低血圧・無自覚性低血糖・胃不全麻痺などがみられる

3. 糖尿病神経障害は、上肢から左右非対称に始まるのが典型である

4. 自律神経障害は無痛性心筋梗塞とは関連しない

5. アキレス腱反射は亢進するのが特徴である


第3問 糖尿病足病変


糖尿病足病変について、正しいものはどれか。2つ選べ。


1. 足潰瘍の発症には、神経障害による保護知覚の低下と末梢動脈疾患(PAD)が関与する

2. 予防にはフットケア・患者教育・毎日の足の観察が重要である

3. 神経障害があると痛みが強く出るため、潰瘍は早期に発見されやすい

4. 末梢動脈疾患の評価に足関節上腕血圧比(ABI)は無用である

5. シャルコー足とは、足の細菌感染症のことである


第4問 大血管症(動脈硬化性疾患)


糖尿病の大血管症について、正しいものはどれか。2つ選べ。


1. 糖尿病では無痛性(無症候性)心筋梗塞が生じやすい

2. 大血管症の抑制には、血糖だけでなく血圧・脂質・禁煙を含む集学的管理が重要である

3. 大血管症は、顕性の糖尿病になって初めて進行し始める

4. 低血糖は心血管イベントとは無関係である

5. 血糖を可能な限り厳格に下げるほど、常に心血管予後は改善する


第5問 血圧・脂質管理の目標


糖尿病における血圧・脂質管理について、正しいものはどれか。2つ選べ。


1. 糖尿病合併高血圧の降圧目標は、診察室血圧で130/80 mmHg未満が基本である

2. 顕性腎症・蛋白尿を伴う場合、ACE阻害薬やARB(RAS阻害薬)が第一選択となる

3. 糖尿病では降圧は不要で、血糖管理のみでよい

4. 脂質管理では、LDLコレステロールは高いほど望ましい

5. 冠動脈疾患の既往があっても、LDLコレステロールの目標は一次予防と同じでよい


解答・解説


第1問の解説【無料公開】


正解:1、2


網膜症は「静かに進んで、ある日視力を奪う」合併症。進行段階と、血糖を急に下げたときの落とし穴を押さえます。


1(正)網膜症は単純網膜症(毛細血管瘤・点状出血・硬性白斑)→増殖前網膜症(軟性白斑・網膜内細小血管異常IRMA・静脈異常)→増殖網膜症(新生血管・硝子体出血・牽引性網膜剥離)の順に進行します。


2(正)血糖の急激な改善は、網膜症を一時的に悪化させることがあります(早期悪化)。コントロール不良例では、ゆっくり下げる配慮と眼科連携が重要です。


3(誤)増殖網膜症でも、黄斑部が保たれていれば自覚症状に乏しいことがあります。「必ず自覚症状を伴う」は誤りで、だからこそ定期的な眼科受診が要ります。


4(誤)網膜光凝固は、新生血管の退縮や進行抑制・失明予防が目的で、低下した視力を回復させる治療ではありません。「視力回復目的」は誤り。


5(誤)網膜症の進行には血圧が関与し、血圧管理は網膜症・腎症の進展抑制に重要です。「関与しない」は誤り。


【糖尿病網膜症 進行まとめ表】

・単純網膜症:毛細血管瘤・点状/斑状出血・硬性白斑

・増殖前網膜症:軟性白斑(綿花様白斑)・網膜内細小血管異常(IRMA)・静脈数珠状変化

・増殖網膜症:新生血管・硝子体出血・牽引性網膜剥離

・黄斑浮腫:どの段階でも起こり、視力低下の主因

・治療:血糖・血圧管理、網膜光凝固、抗VEGF薬、硝子体手術


【頻出ポイント】「単純→増殖前→増殖(新生血管)」「急激な血糖是正で早期悪化」「無症状でも進行するので定期眼科受診」「光凝固は進行抑制・失明予防(視力回復ではない)」。


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