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【技術士 建設部門】二次 答案構成のテンプレート|課題抽出から効果・リスクまで

こんな人におすすめ

  • 知識はあるのに記述式の答案がうまく組み立てられない

  • 「多面的な観点」と言われても何を書けばいいか分からない

  • 最重要課題の選び方や「新たに生じるリスク」の書き方でいつも迷う

  • 3枚目で字数が足りなくなる、論理が途中で破綻する

この記事でわかること

  • 必須科目Iの設問構成に対応した、答案の骨格(4ブロック)の固め方

  • 「多面的」と評価される課題抽出のやり方と、発注者視点という強い切り口

  • 最重要課題の選び方、新たに生じるリスクの書き方の具体例


技術士第二次試験 建設部門の記述式は、知識の多さよりも「答案の組み立て方」で差がつきます。

とくに必須科目Iは答案用紙3枚(600字詰め×3枚=1,800字)を使い、(1)多面的な課題抽出、(2)最重要課題の解決策、(3)新たに生じるリスクと対策、(4)技術者倫理・社会の持続可能性、という決まった設問構成で問われます。

つまり、設問の側があらかじめ「型」を用意してくれているのです。

この型を自分の答案の骨格に落とし込むと、本番でテーマが何であっても同じ流れで書けます。

本記事では合格答案の骨格を「現状→課題→解決策→効果・リスク」としてテンプレ化し、多面的な観点の出し方、最重要課題の選び方、新たなリスクの書き方を、例とともに具体化します。

なお、設問対応や文章作法そのものは別の書き方ガイドに譲り、本記事はその実践編として「構成の型」に集中します。

建設部門は「必須科目I+選択科目」の組み合わせで合否が決まります。全受験者共通の必須科目I 模範解答集(R03-R07+R8予想)がまず1冊目。あなたの選択科目の模範解答集は建設部門もくじから選べます(単品を1本ずつ買うより約8割お得)。


答案の骨格は4ブロックで固定する

まず、必須科目Iの設問構成と、答案の骨格を対応させます。テーマが防災でも担い手確保でもカーボンニュートラルでも、入れ物は変わりません。設問ごとに、答案のどのブロックがどんな役割を担うのかを整理すると次のようになります。

  • (1) 多面的な課題抽出 ── 現状認識から、複数の観点で3点程度の課題を出す

  • (2) 最重要課題と解決策 ── 最重要課題の選定理由を述べ、具体的な解決策につなぐ

  • (3) 新たに生じるリスクと対策 ── 解決策の副作用(効果の裏側)と、その対策を書く

  • (4) 技術者倫理・持続可能性 ── 倫理・社会の持続可能性の観点を述べる

骨格を「現状→課題→解決策→効果・リスク」と覚えておけば、(1)が「現状→課題」、(2)が「解決策」、(3)が「効果・リスク」のリスク側に自然に対応します。

最初に各ブロックへ何枚使うか(おおむね(1)で1枚、(2)で1枚強、(3)(4)で残り)を決めてから書き始めると、3枚目で字数が足りなくなる失敗を防げます。

本番ではいきなり書き出さず、骨格の4ブロックに2〜3語ずつメモを置く「骨子メモ」を5分作ってから清書しましょう。骨子が立っていれば、途中で論理が破綻しても戻る場所が分かります。

多面的な観点で課題を抽出する

(1)で評価されるのは「課題を多面的に抽出する力」です。多面的とは、複数の異なる切り口で課題を並べ、そのうえで1つに絞るという意味です。観点の引き出しとして、次の5つを基準に持っておくと安定します。

  • 技術(性能・施工性・新技術の適用可否)

  • 経済(コスト・財政制約・費用対効果)

  • 社会(人口減少・担い手・住民や利用者への影響)

  • 環境(脱炭素・自然環境・地域環境)

  • 安全(防災・減災・維持管理リスク)

注意したいのは、同じ観点の言い換えを並べても「多面的」とは評価されない点です。たとえば「予算が足りない」「財源が乏しい」「コストが高い」は全て経済の一面にすぎません。

観点が重ならないよう、3点なら3つの異なる切り口から出します。

発注者視点という強い切り口

ここで強い切り口になるのが発注者視点です。

私はもともと地方自治体の土木職(発注者)として工事の発注・監督・積算審査に携わっていましたが、受注者側の受験者は技術と施工に観点が寄りがちで、住民対応・法令遵守・関係機関との総合調整といった行政側の課題を落としやすいのです。

たとえば老朽化対策の課題抽出で「技術(劣化診断)」「経済(予算制約)」に加えて「社会(住民合意と説明責任)」を1点入れるだけで、観点の幅が一段広がります。

受注者の視点だけでは見えにくい論点を1つ混ぜることが、観点の多面性を作る近道です。

テーマごとの課題の引き出しは、必須科目Iの6系統(防災・国土強靱化/担い手確保・生産性向上/カーボンニュートラル/老朽化・維持管理/国土形成・地域づくり/インフラDX)で整理しておくと再現性が高まります。

系統別の出題傾向は必須科目Iのテーマ別出題傾向で確認できます。

最重要課題は「理由」とセットで選ぶ

(2)では、抽出した課題から1つを「最重要」として選び、解決策を述べます。採点者が見るのは選んだ課題そのものより、「なぜそれが最重要なのか」という判断の筋道です。次の3条件で選ぶと外しにくくなります。

  • 波及効果が大きい(その課題を解けば他の課題も緩和される)

  • テーマの本質に直結している(出題意図の中心にある)

  • 自分が解決策を具体的に書ける(抽象論で終わらない)

選定後は「以上の課題のうち、〇〇は△△に波及するため最も重要と考える」と理由を一文で明示します。

解決策は1つの大きな施策を挙げて終わりにせず、ハード(施設・技術)とソフト(制度・運用・人材)の両面、あるいは短期と中長期に分けて2〜3本立てると、問題解決能力として評価されやすくなります。

効果は定量・定性で、新たなリスクは副作用で書く

解決策を述べたら、その効果に触れます。効果は「定量(〇%削減、〇年短縮などの見込み)」と「定性(安全性向上、地域の合意形成が進む等)」を併記すると説得力が増します。数値は実績ではなく合理的な見込みとして示せば十分です。

(3)の「新たに生じるリスク」で最も多い失敗が、解決策と無関係な一般論(地震や豪雨など)を書いてしまうことです。ここで問われているのは、自分が提案した解決策を実行したからこそ生じる副作用です。

よくある誤りと、求められる書き方を対比すると次のようになります。

  • 一般的な災害リスクを書く ── ではなく、自分の解決策の副作用を書く

  • 「予算がかかる」だけで止める ── ではなく、副作用に対する具体的対策まで書く

たとえば「新技術導入で省人化する」という解決策なら、新たなリスクは「初期投資の増大」「現場技術者のスキル習得の遅れ」「品質確認の属人化」などです。そのうえで、リスクごとに対策(段階導入、研修、チェック体制)を添えます。

解決策とリスクと対策が一本の線でつながると、(3)は一気に書きやすくなります。

(4)の技術者倫理・持続可能性は、公益確保・安全最優先・法令遵守といった原則に、自分の解決策を引きつけて述べます。

令和8年度のコンピテンシー改訂では、データ活用・ステークホルダーとの合意形成・持続可能な成果・文化的価値の尊重が明文化されており、合意形成や持続可能性に触れる答案がより評価されやすくなる見込みです。

詳細は令和8年度コンピテンシー改訂を参照してください。

このテンプレートは「破綻させないための型」です。型に当てはめれば合格答案になるわけではなく、各ブロックに入れる中身(具体的な施策名・地域事情・専門知識)の質が最終的な評価を決めます。

型は土台、肉付けは別途の専門学習で行ってください。

さらに深く学ぶには

ここまでで答案の骨格は頭に入ったはずです。次に必要なのは、この型に「実際の出題でどう肉付けするか」という中身です。

過去5年分の必須科目Iの設問を、本記事の「現状→課題→解決策→効果・リスク」の骨格に沿って分解した模範解答集です。設問(1)〜(4)それぞれに何を書くかを示したうえで、フル模範解答まで掲載しています。

令和8年度の予想問題も収録しました。

本記事の型が、実際の答案でどう機能するのか。最短で確認できる続編としてお使いください。

発注者として工事の発注・監督・積算審査に携わり、道路・河川・都市計画の3科目で建設部門に合格した経験をふまえ、受注者側の受験者が落としやすい行政視点の論点も模範解答に織り込んでいます。

よくある質問

Q. 技術士二次試験の答案はどう組み立てればよいですか?

A. 「現状→課題→解決策→効果・リスク」を基本の骨格にします。

必須科目Iは(1)多面的な課題抽出、(2)最重要課題の解決策、(3)新たに生じるリスクと対策、(4)技術者倫理・社会の持続可能性という設問構成なので、この4ブロックに各設問を割り当てると、3枚(1,800字)の答案を破綻なく配分できます。

Q. 多面的な観点はどうやって出しますか?

A. 技術・経済・社会・環境・安全など複数の切り口で課題を並べ、観点が異なる3つ程度に絞ります。同じ観点の言い換えを並べると「多面的」と評価されません。

発注者の住民対応・法令遵守・総合調整といった行政視点を1つ混ぜると、観点の幅を作りやすくなります。

Q. 最重要課題はどう選びますか?

A. 抽出した課題のうち、波及効果が大きく、設問テーマの本質に直結し、かつ自分が解決策を具体的に書けるものを選びます。選んだ理由(なぜ最重要か)を一文で明示すると、評価者に「課題遂行能力」が伝わります。

Q. 新たに生じるリスクには何を書けばよいですか?

A. 自分が提案した解決策の副作用を書きます。コスト増、工期延伸、別の利害関係者との対立、想定外の環境負荷などです。一般論の災害リスクではなく「その解決策を実行したから生じるリスク」に絞ると、応用力の評価につながります。


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